プール
夏休み、娘はせっせとプールに通っておりました。
ラジオ体操なんかは二、三日にいっぺん行けば頑張っている方だと言うのに、プールだけはせっせと毎日通うのです。
細かい決まりは存じませんが、しばらく好きに遊んだあと、一斉にプールから出て五分なり休憩する時間があったようで、娘はその時間にプール脇に寝そべり、お友だちと熱心に背中を焼いていたそうです。
午前中だけ行く日と、午後だけ行く日。
気まぐれに半日だけで、送り迎えするのも大変でございましたが、夏休み中娘がいない貴重な時間でございます。
ここぞとばかりに一日分の用事を済ませておりました。
午前中に行った日は、お昼を食べたら大概疲れて寝てしまいます。
午後に行く日は、お昼は軽めに済ませます。
午前しろ午後しろ、お昼はうちで食べますもので、億劫な事にはかわりありませんでした。
世のお母様方は、プールの時間が長い午後の方がありがたいとおっしゃられると思いますが、私としましては、午前中出掛けてくれた方がもれなく午後も静かでありがたかったものです。
お迎えついでの買い物も、アイスのひとつでも買ってあげると、率先して荷物持ちなんかをやってくれます。
私はお夕飯前の買い出しはあまり好みません。
私は要領がよろしくありませんので、なに作ろうなに作ろうと悩むばかりで、手際よく出来ないのです。
午前中のうちに買い物を済ませ、午後中かけて家族全員が揃うお夕飯をこつこつと作るのが性にあっておりました。
娘はアイスを買ってもらえ、私は荷物持ち要員が確保でき、午後は家でゆっくり作業ができます。
午前中出掛けてくれた方が、お互い良い事ずくめなのでございます。
一度に日焼けしますと、変に水ぶくれになったり皮が剥けてしまったりします。
そんな時は決まって、日がな一日背中が痒い痛い熱いなどと言い、ごろごろと縁側で寝そべっているのです。
主人が居る時は「軽い火傷のようなものだから冷やしなさい」と、定期的に濡れタオルを背中にかけてやっていたりしました。
もちろん、寝ない日なんかもありましたが、そんな日は決まってお友だちと遊ぶ約束をしていたりします。
急いでお昼を掻き込んで、お友だちの家に行ってくると出掛け、夕方ずぶ濡れで帰ってくるなんて事もしょっちゅうでございます。
何をしていたのかと問えば、お友だちと川へ行った、庭先にビニールプールを出して遊んだ、ホースで水を掛け合って遊んだなど、一日中ずぶ濡れでございます。
そんな日はお夕飯も食べずに寝てしまい、夜日付が変わる少し前にお腹が空いたと起き出してきます。
夜中ですのでありもので軽く済ませ、再び泥のように眠りに落ちていきます。
そして大体次の日は決まって寝坊をしますので、ラジオ体操にはいけないのです。