呂布という者
呂布が好きという事で書きました(苦笑い)
文才はありませんが、見て頂ければ、ありがたいです。不定期更新です(苦笑い)
後漢時代末期──悪名高き十常侍が私腹を肥やし、民衆を苦しめた時代。
その時代に、一人の虎狼が現れるのだった。
匈奴(現在のモンゴル自治区)にて、一人の青年が虎と対峙していた。
虎は牙を剥き、今にも青年に襲いかからんとしている。
しかし、青年は武器を持って無いが、微動だにせず、寧ろ、堂々と仁王立ちの体制でいた。
虎が業を煮やし、青年を噛み殺そうと飛びかかる。
すると──
「フンッ」
青年は、飛び掛かる虎の腹部を思い切り殴り飛ばす。
虎は腹部から大量の血を流し、絶命していた。
「つまらんな……虎と言えど、この程度とは」
青年はため息を付きながら呟く
この者の姓は呂、名は布、字は奉先。現代日本風に言えば、呂布奉先である。
後に青年──呂布は三国時代随一の将と謳われる事となる。
「さて、強者を探しに行くか」
呂布はそう言い、匈奴の地を歩き始めた。
呂布には秘密があった。
それは、転生者という事だ。
前世では、現代日本に居る弓道の達人であった。その絶技で幾度も全国大会を制覇した。
しかし、制覇するにつれ段々と彼は物足りなさを感じていった。
『俺と競える技を持っている奴はいないのか』と。
その者に出会えないまま、彼の前世は、気付かなかった末期癌により幕を閉じた。
しかし、目覚めると、彼はこの地に呂布奉先として存在していた。
俗に言う、転生というものだ。
彼は二度目の生を授かっても、尚も強者を探した。今度は弓だけでは物足りぬと。
しかし、先程の虎のように全て、呂布の前では無力であった。
故郷の村で一番の強さを誇った男と戦った。
六秒で殴り殺してしまった。
殴り殺した結果、故郷から追放された。
次の村で一番強い男と戦った。
五秒で殴り殺してしまった。
次に呂布は、反乱を起こそうとした兵三百人と無謀にも一人で戦った。
奪った槍を振るい続けていたら、いつの間にか皆殺しにしていた。
呂布はそれでも純粋に強者を求めた。
己を打ち破れる強者を。
時は戻り、現在。
呂布は馬を駆り、荒野を駆け抜ける。
「さて、強者を探すか」