三章の⑤ 多数の思惑
入学試験のルールは以下のとおり
① 約300人の生徒には1部づつパンフレットが配布されている
② そのパンフレットには1~40の番号がランダムに1つ書かれている
③ 1~40の番号を1人づつ揃え、40人のクラスを作り、係員に伝える
④ クラスはAからEクラスまである
⑤ 原則として手段は自由
主人公:誼人は、望と協力関係を結び、『特待生は、分散するように同じ番号を与えられている。その番号は1と2』そして、『丁度280枚あるはずだったパンフレットは当日欠席した者達のせいで、欠番が出ている』という仮説に辿り着いた。
心は、この選定において40という人数を、1~5、6~10、11~15、16~20、21~25、26~30、31~35、36~40というように、5人組を8個のグループにしようと考えた。
そして、分割したそれぞれのグループの数字の中から、1~5の中から3番の人、31~35の中から34番の人、というように一人ずつ協力者を抜粋し、その協力者に小グループ内の残りの人員を集めてもらおうと考えた。
彼女自身は1番だったので、1~5の内の2~5は自分でそろえるつもりだった。
問題はどうやって協力してもらえるまでに持っていくかである。
育った環境からか、性悪説を信仰する彼女は、見ず知らずの自分に無条件で協力してくれる人などいるはずがないと考えていた。
心はまず立ち上がり、自分を知る人を多く作るという下準備が必要だと考えた、選定試験開始から1分と経たない段階で彼女は、立ち歩き、親しげに多くの人に話しかけた。
自分の外見、話し方、雰囲気、全てを武器にして生きてきた彼女は、日常でさえ自分を演じてる。
会話の内容はどうでもよかった。
「わたしはここに知り合いが多い」という事を会話に忍ばせる事と、「番号を聞く」事を除いては。
色々な人に話しかける作業は多くの人の目につくようにやった。制服の上からでもわかる盛り上がった胸部と、混血による美しい天然茶髪の彼女は嫌でも目を引く事になる。
話しかけられている人は初対面なので社交辞令的に談笑するのみだが、その様子を周囲から見る者達はそうではない。
開始早々立ち歩き、笑顔で会話しているのである。知り合い同士だと思うのが道理だ。




