二章の① 二人ぼっち
入学式で試験が突如として始まった。
その内容は、現在約300人いる人間を200人まで絞り込む。 つまり、約100人は入学できないというものだった。
ルールは以下のとおり
① 約300人の生徒には1部づつパンフレットが配布されている
② そのパンフレットには1~40の番号がランダムに1つ書かれている
③ 1~40の番号を1人づつ揃え、40人のクラスを作り、係員に伝える
④ クラスはAからEクラスまである
⑤ 原則として手段は自由
主人公:誼人は、望と協力関係を結ぶが、二人の番号が同一というまさかの展開。
これから、どうなっていくのか……!?
なんて運が悪いのだろうか、と誼人は絶望した。望はその様子を見てか明るい口調で言う。
「あはは。どうやらわたしたち、クラスメイトにはなれそうにないね~」
誼人はそんな軽いノリなど期待していたのでは無い。望とクラスメイトになる事を期待していたのだ。いや、もはやそれは前提とすら考えていた。それだけに言葉が出ないでいた。
しかし、この時の誼人にとっての言葉が出ないという結果は、思考停止していて何もできないのではなく、脳内をフル回転させている事に起因していた。
この男、せっかくの女子と仲良くなれそうな機会を、どうすれば無駄にせずにすむのか必死に考えていた。
望が自分の冗談めいた問いかけに反応が返ってこない事を不思議に思い、言葉を重ねてくる前に誼人は急ぎで言う。
「いやいや! 同じ番号という事はラッキーだよ!! 他の二番をどうにか見つけて、同じ番号同士で協力関係になればかなり有利に進める事ができると思う!」
校長の話を聞いた時から頭にあった「まぁ、いざとなったら盗んじまえばいいんじゃね?」という案はイメージが悪くなるので思っていても言うわけにはいかなかった。
望に特にこれといったリアクションはなかった。望の性格からか、その発声を待っていたからなのかはわからなかった。
誼人の発声からきっかり二秒後、言われたくない質問を飛ばされた。
「そもそも同じ番号で固まるのって有利なの?」
もっともな意見であった。フル回転と言っても誼人の頭は空回転だったのである。
ただ直感的に、いや、適当に引きとめられそうな事を言ってみただけだった。
ただ、それなりに詭弁で弁明はできそうだった。
「同じ番号、つまり二番の何人かで固まれば、二番を見つける事がかなり難しくなる」
「そうすれば俺達は高確率で生き残る事ができるはずさ。それに、隙を見て二番のパンフレットをやぶったりして破棄する事ができればさらに二番の価値は高まるよ!」
「それはいい作戦だね~、不可能だという事に目をつぶれば!」
完全にバカにされていた。見かけによらずなかなかキツイ事言ってくるようである。幸いにも柔らかめの言葉が続けられる。
「そもそも集まる事ってかなり難しいんじゃないかな? 例えば、お友達グループの中に二番がいてもグループ内から出てきてまでわたし達に協力なんてしてくれないよ~」
誼人の意見をやんわりと否定し終わり。誼人が何か言い返そうとした時、すっとんきょうな声で望月がさらに自分のターンを続行した。
誼人は勘違いしていたようだ、彼女の発言フェイズはまだ終了していなかったのである。




