第二章 最初の騎士-2
神々の円卓から転移したアーサーは、城塞都市ウィンゲルへと急いでいた。
「ウィンゲルに魔物の大攻勢が迫っています。あそこが落ちれば、エデンは東西に分断されるでしょう。そうなれば、12種族を束ねて反攻するのは、ほぼ不可能です。」
戦女神アテナ。戦略と戦を司る神。
円卓を出る際、戦女神アテナにより教えられた最初の目的地。
これからの戦いでも重要な場所であり、さらに彼の仲間が待っているという。
「ウィンゲルにて、ここ数日神器の波動が感知されてます。おそらく、12騎士の内誰かがウィンゲルに居るものかと。」
鍛冶の神イスルギは、かつての騎士王と12騎士全員の武具と防具を鍛えた神である。
そのイスルギが、神器の波動を感知したというのだから、間違いないだろう。
「神器…ねぇ」
アーサーは走りながら、腰に収まる二振りの聖剣を眺めた。
聖剣エクスカリバーとアロンダイト。
初めて手にした時から、不思議と手に馴染んだ。
「騎士王の魂を宿す貴方が、扱えないわけ無いでしょう。この二振りは、騎士王の為だけに生まれたのですから。」
上手く使えるか悩んでいた所を、イスルギに見つかり言われた言葉だ。
「貴方の願い、思いを受けて、剣は役目を持つのです。迷わず、惑わず、何を成し遂げたいかを願えば、剣は応えてくれるでしょう。」
その言葉を頭で反芻してみるも、未だよく分かってない。
剣が応える…うん、分からない。
「ぶっつけ本番しか…ないかな」
開けた視界の先、黒煙漂う空とそれを写したように、黒々とした蠢く魔物の群れ。
そして、一部崩れた所もあるが、それでもなお、堂々とした威容を誇る城塞都市がアーサーの目に映った。