河童日記 1
ストーリーとは関係ないですけどシープ視点の作品です。
今日はとてもすごかったです。
まず人間界への穴を発見しました。
これは飛びこまずにはいられないと思い、穴の中に入り人間界へ行きました。
初めて通る人間界への穴は緊張しましたが、それよりも人間界への興味のほうが大きかったです。
落ちた場所は山でした。
木々などはちょっと種類が違いましたけど、さほど村と変わらない景色だったので残念だったです。
なので山を散策していると霧が薄くなって来たので引き返そうとしたら、
「すいませーん。道に迷ったんですけどー」
と声をかけられてびっくりしました。
人間さんに声をかけられた時の対処法、死んだふりをしてたのですが、
「すいませーん、ではこちらから向かいまーす」
と声をかけられたので慌てて逃げました。
なのに人間さんは険しかった山道を二輪の乗り物(自転車と言うのでしょうか?)で必至に追いかけてくるので、急いで穴のあったところまで戻りました。
間一髪飛び込んで河童界に帰ってこられたと思って、急いで穴から離れようと思って起き上がると目の前に人間さんがいました。
なるべく平静を装って喋っていたのですが、会話の主導権を相手に握られていたと今は思います。
人間さんは疑い深く、私のことを河童と思ってくれませんでした。
仕様がなかったので腕を少しだけ伸ばしたら信じてもらえました。
そしたら人間さんは私の事を立派な河童だと褒めてくれました。
とてもうれしかったです。
そのあと人間さんは困っているようだったので当分は私の家で面倒を見ることにしました。
村の人には少々誤解をされますが、それはそれでいいかもしれません。
人間さんは岸航太と名乗り、一緒に指切りをしました。
これ、してみたかったです。
人間さんの岸さんを観察していると後ろに背負っているものがありました。
山の中しか散策できなかったので私は岸さんの持っている人間界のものが気になり中身を見せてもらおうとしました。
というよりすごく中身を見るのが楽しみだったので適当な口実を言って奪い取りました。
まあ、その、中身がアレだったのは仕方がなかったですけど……。
ついいきおいで岸さんを殴って気絶させてしまった私は岸さんを連れて帰り、岸さんが目覚めるちょっと前まで岸さんの持っていた本を読んでいました。
とても参考になったと思います。
その本は今もベットの下に隠しています。
あんなのを岸さんに見せたら何をされるか分かりません。
今日は私も疲れたので岸さんには寝てもらい、日記をつけています。
あ、ベッドが一つしかないのですけど、どうしましょうか。
こっそり入って明日早起きして抜け出せば全然問題ないですよね?
おやすみなさい。