表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妹がいらないと言った婚約者は最高でした  作者: 朝山 みどり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/30

21 新しい暮らし

「出迎えが遅いわよ。他の使用人はどこなの?」とセーラが怒鳴った。


「あれ?お父様!」とリリベルが言うと、


「まぁ、あなた・・・・ちょっとなに?あの馬車は。侍女もいないし」とセーラが言うと、


「最初に言っておく。君たちにわかるように言うからね」と男は言った。


「確かにわたしは、君たちの元夫。元父親だ。しかし縁は切れておる。気持ちも切れておる」


「・・・・・・・」


「だが、女性二人くらいなら、ここに置くことはできる。だから引き取った。そうでなければ君たちは娼館しか行く場所がなかった」


「娼館ですって・・・・・そんな汚らわしい・・・」とセーラが言うと


「そうだ。だから引き取った。そして、自分の身は自分で養って貰う」


「自分で?また投資?」とリリベルが言うと


「まさか。普通に下働きをして貰う」


「薪を運ぶ仕事を残してくれているらしい。その前に臭いから、体を洗って着替えて・・・・荷物は私物として持っていて良い。部屋に運ぶ手伝いはしてくれるらしい」


「お父様」「あなた!こんな」


 二人は呼びかけた。


「そうだ。わたしのことはご主人様と呼んでもらおう」


 二人の後ろに立っている男を見て、


「カール。待たせたな。後は頼んだ」そう言うとご主人様は、家に戻った。




 その後二人は井戸端で水をかけられ、粗末な服を着せられた。


「最初から、一人前に働けとか言わないよ。二人で協力してそこの薪を小屋に運んでくれ。積み上げるのは大変だから、小屋の前に置くだけでいい」


 カールはそう言うと去って行った。



 リリベルは少しずつ薪を運んだが、セーラはなにもやらなかった。薪の上に座って髪を手で櫛っているだけだった。



「お母様、ちゃんと運んで下さい」とリリベルが言うと、


「お前が全部やりなさい。娘なんだから」とセーラは答え、


「ほら、アーデリアだったら黙って全部やってるわよ」と続けた。


「アーデリアが良ければ、会いに行けば?追い返されると思うけど」とリリベルは答えて自分も薪に座った。



 カールがやって来た時二人は、薪に座ったままだった。


「時間になりましたが、なにもしてないですね。まぁ部屋に行きましょう」


 二人はカールについて行った。



「ここです。食事はありません。食い扶持稼いでないですからね」と言うとカールは去って行った。


「ほんとに、あなたはダメね。せめて荷物の整理をして」と言うとセーラはベッドに入った。


 リリベルも黙ってベッドに横になった。

誤字、脱字を教えていただきありがとうございます。

とても助かっております。


いつも読んでいただきありがとうございます!

楽しんでいただけましたら、ブックマーク・★★★★★をよろしくお願いします。

それからもう一つ、ページの下部にあります、「ポイントを入れて作者を応援しよう」より、ポイントを入れていただけると嬉しいです。


どうぞよろしくお願いいたします。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
子供の頃見た怖い絵本を思い出しました 人の温度を感じさせない淡々と紡がれる物語⋯ 懐かしいです
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ