「山の頂上と星の使者」第1章-第6話
若者が再び山を降りると、彼の心は満たされ、次に進むべき道が見えてきたように感じていました。
しかし、彼の中には依然としてある疑問が残っていました。
そこで、彼はまた山の頂上へ行き、星の使者に会い質問をしたのです。
「星の使者よ、他者との協力を得て自分の限界を越えたとしても、それでも尚、自己を失わないためにはどうすればよいのでしょう?
他者との関係や協力は自己のアイデンティティにどのように影響を与えるのでしょうか?」
星の使者は穏やかな微笑みを浮かべ、ゆっくりと言葉を紡ぎました。
「それなら、自己の本質を理解することから始めると良いのよ。
何故かと言うと、他者との関係が深くなるほど、自己の本質を明確に保つことが重要だからなの。
だから自己を理解する事こそが、他者との協力においても自己を見失わずに進むための道標になるわ。」
若者はその言葉をしばし考えた後、再び問いかけました。「でも、他者との協力で新たな視点や考え方を得ること自体は、自己を豊かにすることだと思うのですが、それでも自分を見失わずにいられるのでしょうか?」
星の使者は黙って空を見上げ、そして再び答えました。
「他者の視点や考え方を受け入れることは、自己を豊かにする一方で、自己を強化することでもあるの。
他者の意見を受け入れることは、自分を試し、広げることよ。
でもね、その過程で自己の軸を見失うことがない為には、常に自分が何を大切にし、何を求めているのかを意識し続けることが必要なの。」
若者は深く頷きました。
「それは、他者の影響を受け入れながらも自己の本質を理解し、それを軸にして進むということですね。」
星の使者は満足そうに微笑みました。
「その通りよ、自分の本質を理解することが他者との協力を通して自己を見失わないための鍵となる。
自己を強化するためには、他者から学ぶことを恐れず、逆にそれを自己の内に取り込んで更に自分を深めることが求められるわ」
※解説
この物語は、若者が自己のアイデンティティを保ちながら他者との協力を行う方法について学ぶ場面を描きました。
彼の問いに対し、星の使者は「自己の本質を理解すること」が最も重要だと教え、自己を見失うことなく他者と協力する方法を示します。
星の使者の教えによると、他者と協力する過程で最も大切なのは自己の本質を深く理解し、それを基にして行動することです。
他者から学ぶことは、決して自己を弱めたり、見失ったりすることには繋がりません。
むしろ、それは自己の本質をさらに深め、強化する手段となります。
自分自身を深く理解し、自己の本質をしっかりと保持しながら他者との協力を行っているからこそ、自己を見失うことなく成長を遂られます。
他者との協力が自己の成長を妨げることはなく
むしろ自己をより強固にするための手段であるという視点を共有出来たら嬉しいです。