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【38万PV感謝】宅飲みすると必ず異世界の人が相席してくる件  作者: アヌビス兄さん
JC金糸雀さん編と居候の(勇者、デュラハン)と異世界JK留学と
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第320話 異世界おじさんとポテサラピリ辛コンソメと完全体ガチゼロと

 ※本日でガチゼロ検証最終となります。そもそもガチゼロってなんやねん! ってところから、某アニメも放送分は全て視聴し卒論書けそうです。視聴したストゼロ関連メディア、数時間。ストロング系酎ハイの書籍、十冊程読破。検証用に飲んだストックしてた旧ストゼロ12本、−196℃ 25本。各種割材を使って飲んだ試作、30杯以上。少し休肝日を設けます。恐らくこれぞガチゼロ(ストゼロ)と思われるレシピが完成しました。最後にレシピ書いてます。良い酒飲みは真似しないでね。

 

「かなりあ何してり?」

 

 私は部屋でストロング系酎ハイを飲み比べて、各種割材を用意し、バーテンダーの修行みたいな光景の中にいたわ。動画、そして借りてきた書籍。ミカンちゃんの質問に対して、私は答える。

 

「孔雀ちゃんと碧狼ちゃん以上のガチゼロレシピを考えてるの」

「お、おぅなりっ……勇者今日は麦酒のみたし?」

「何言ってるのよ。ミカンちゃんはしゅわしゅわならなんでもいいんでしょ?」

 

 気がつけばミカンちゃんに壁ドンしてたわ。ちょっとお酒の飲み過ぎかしら?

 

「えぇ、勇者ちょっとそういう強引なの困るかもー」

「いいから座ってて、ストゼロもとい。ガチゼロに必要なのって甘みだったのよ。でもゼロじゃない? そういう意味では孔雀ちゃんのカロリー0のCCレモンレシピは参考になったわ。あとやっぱり、レモンは生搾りの方がそれっぽい味になるので碧狼ちゃんも凄いわね。そこで私はこれを使う事にしたわ」

 

 デュラさんもやってきて、私が取り出したの物を見て一言。

 

「ガムシロップであるか?」

「えぇ、カロリーゼロです。お酒臭さばっかり目が言ってたんですけど、ストゼロ系ってあの変な甘さが重要なんですよ。それを10%の度数で再現した物が完全体のガチゼロと言えるんじゃないでしょうか?」

 

 割材も大体予想がついて来たのよね。

 ガチャリ。

 

 このタイミング?

 

「あれ? 普通の家、これ日本じゃね?」

 

 と、気だるい声と共に、普通のオッサン入ってきたわ。歳の頃は五十代くらいかしら? 社会に疲れて擦り切れた感じの団子っ鼻が特徴的なオッサンね。

 

「なんですか? 警察呼びますよ!」

「おおぅ! いきなりの塩対応である」


 だって不審人物じゃない! 明らかにモンスターとかならまだしも、私が部屋への侵入者に無警戒になっていると思ったら大間違いよ!

 

「いやいやいや! 確かにおじさん勝手に入っちゃってごめんだけどー。アラクネの大穴とかいうダンジョンに落ちてさー、目の前に隠し扉があったから開けたらなんか日本? 帰って来ちゃってさー! 信じてくれないと思うけどおじさん、異世界に住んでるんだよねー。無理かー、警察でもなんでも呼んでくれよ」

「異世おじなりー!」

「まさか、あの異世おじであるか!」

 

 どの異世おじよ。というか異世界おじさんって略して異世おじって言うの。まぁ、無害そうだし……

 

「あぁ、すみません。普通に不審者だと思ってました。うちの部屋、なんか異世界からの人やたらくるんで、普通のおじさんが来た事でゲシュタルト崩壊してました。私は犬神金糸雀。この家の家主です」

「おお、理解ある悟った子で良かった。おじさんは、山吹三郎。長男なのに何考えて親は三郎にしたんだろうね? 不思議だね? リストラにあって公園で時間を潰してたらさ。いつも公園でお酒を飲んでいる耳の長い女の子が突然飛び出してトラックに轢かれそうになったところ、おじさん押して助けたんだけどねー。おじさん、それで異世界に転移しちゃったのさ」

「「「ウチのクソエルフがごめんなさい」」」

「えっ? 知り合い」


 私たちはナチュラルにおじさんに謝罪したわ。セラさんのせいで少子化が進んでいる日本から無意味に人が一人いなくなってしまったわ。

 

「いやいやいいよ。おじさん、今の生活充実してるからさー!」

「三郎さんは異世界で何してるんですか?」

「別に褒められた事じゃないよー! 異世界ってね? 結構子供の致死率高いんだよ。人間も亜人も魔物もね? だから、児童養護施設作って16歳の成人するまで小さな教会の手伝いしてるんだよ。おじさん、日本では社会の不用品として切り捨てられたから今の生活は悪くないね」

 

 えっ、めっちゃ聖人君主なんだけど、おじさん心にイケメン飼ってんの?

 

「魔王軍も異世おじを傘下に入れたいと推薦状を何度か送ったであるな!」

「クソ王国も異世おじを聖騎士団に入れようとしてたり!」

「いやいやいやいや! あのねーおじさん使われる側だけど、上に立つとかできない人だからねー! 買い被りすぎよー。てかどうやって帰ろうかな? 食材収集してる最中だったからねー。施設のみんなは備蓄してる食材あるから当分食べていけるだろうけど」

 

 そうだ。

 五十代くらいの人って有能な人確か多いのよね。でも、職業選択の自由がない時代の人なのと日本の教育方針が狂ってた時代だから、合った仕事を知らなかったんでしょうね。それでもがむしゃらに働いた結果、リストラ。

 

「三郎さん、玄関の扉開けて帰れば異世界に帰れますけど、どうせなら一杯やっていきませんか?」

「お酒かー。これ何してんの?」

「えっとですねー。ガチゼロを作ってます」

「何それ? ストゼロの新商品?」

 

 かくかくしかじか説明し、おじさんはうーんと考えて私が配合レシピに迷っている事を伝えると。

 

「まずは10%のアルコールを作る事を考えてわかりやすく、20度、30度、40度と割って10度のお酒ができるようにしたいんだよね? 尚且つストゼロみたいな味。そもそもベースのウォッカが謎だから、ここは40度のウォッカ1に対して25度のホワイトリカー2で割ってみたら?」

 

 蒸留酒のカクテルか! それで30度のお酒ができて尚且つジャンクさの目立つウォッカだった何かが出来上がるわ。あとはそれを三倍希薄すれば10度のお酒。

 

「で、割る方も先にレモンとガムシロを入れた水を作っておいて、これを炭酸メイカーで炭酸にするのよ。したらほぼ完璧に10度のお酒できるんじゃない?」

 

 おじさんに言われたレシピで私は水にレモン果汁、カロリーゼロガムシロ。を入れて少し甘めに調合したそれを炭酸水メイカーで強炭酸化。

 

「ポテトサラダ作ってんじゃん! これさー、コンソメポテチかけてタバスコ振ると美味しいんだよー!」

 

 デュラさんが作っていたポテサラをおじさんは勝手に魔改造してしまったわ。でも何このおじさんの二つの発想。前者は驚く程に納得してしまったのに対して、後者は圧倒的に適当なおじさん感を出してくれるわ。

 

 そして……私がここしばらく挑戦していたガチゼロが完成したわ。最初のレシピはアルコール臭さを意識しすぎて甘味を疎かにしていたの。

 

「じゃ、じゃあ。乾杯」

「乾杯なり」

「乾杯である」

「いただきまーす! カンパーイ!」

 

 おじさんだけテンションが高い。

 

 私たちは一口、そしてぐっと飲む。

 

 あっ……これ完全体だわ。再現度がどうとかじゃなくて……これがガチゼロの完全体。飲んだ瞬間、飲みやすさと同時になんか懐かしい感じ、ウオッカでホワイトリカーを割ってるからそこまでアルコール臭くないのがまたリアルだわ。

 

「うんみゃああああああああ! これ、ストゼロぉ!」

「ミカンちゃん、ガチゼロよ」

「これがガチゼロであるかー、中の人はこんな物を延々と飲んでいるとは、危険であるな」

「作中のは販売してるやつだから、より何が入ってるか分かんないから身体に悪そうよね。これでも大概なのに」

「ほらほら! ポテサラピリ辛コンソメも食べて食べて! おじさんリストラされた時、駄菓子ばっかりおつまみにしてたからねー」

 

 辛い。

 でも、このポテサラ、クッソ美味い。

 

「うおー! うおー! うみゃー! 異世おじつえー!」

「うむ。この無骨な感じで想像通りの味ゆえにガチゼロと喧嘩せぬであるな」

 

 おじさんは一口ポテサラピリ辛コンソメを食べるとグラスのガチゼロをググッと飲んで目を瞑ったわ。

 

「かー、こんなヤバいもんがあるからこの国は終わってるのかもねー」

 

 きっとおじさん的には冗談だったんだと思うんだけど、なんだか重みがあって私はただ笑う事しかできなかったわ。おじさんの帰りにミカンちゃんが備蓄していたお菓子を段ボール一箱分お土産に渡したのでおじさんは子供達が喜ぶと嬉しそうに帰って行ったわ。

 

「なんか優秀な人材、異世界に流れてるとかないでしょうね」

 

 ガチャリ。

 

 ミカンちゃんの姿は消えてデュラさんはポテサラピリ辛コンソメの準備を始めたので、私も入り浸る常連の女神様の為に完全体ガチゼロを作ってあげる為に重い腰を上げたわ。

 

 ガチゼロレシピ(約三人分)

 

 ①スミノフウォッカ 100ml

 ②合同酒精 ホワイトリカー 200ml

 ③レモン1個 果汁約 50ml

 ④ゼロカロリーガムシロ 100ml

 ⑤水 750ml

 

 下準備として冷凍庫に①と②のボトルやパックを入れて冷やします。

 ※氷を入れずに冷たいガチゼロにする為です。

 ③④⑤をしっかり混ぜた物を炭酸水メイカーで強炭酸化した⑥を作ります。

 

 ①と②を混ぜたグラスに⑥を注ぎ、軽くステアすればあら不思議。

 

 完全体ガチゼロの完成です。

 ガムシロを結構ヤバい量入れてますが、めちゃくちゃ冷たいので甘味をあまり感じません。丁度いい甘さにする為冷凍庫を活用してください。より、缶に入っているガチゼロを再現したい場合は炭酸水メイカーをカートリッジ式の物に変えるとより再現度が上がる事でしょう。

 初回の物より遥に美味しく、試作2号よりストゼロもといガチゼロ感がより高まっています。

 みんなも自分のガチゼロレシピを探してくださいね!

 ※誰がやんねん。

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