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【38万PV感謝】宅飲みすると必ず異世界の人が相席してくる件  作者: アヌビス兄さん
JC金糸雀さん編と居候の(勇者、デュラハン)と異世界JK留学と
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第224話 アーレスと鯵の握りとジムビームハイボールと

 物凄い面倒な事が起きるという事を私は慣れてしまったのか、緑茶を飲みながら項垂れている、男の子を前に柏餅的な物を食べながら「ふーん」と話を聞いている状態。

 と言うのも、私は今日。一人なのよね。どうしても勉強しなきゃいけない事があって図書館にでも行こうかと思っていたら、デュラさんが気を遣ってくれて、ミカンちゃんといろはさんの家に行くので勉強を部屋で行うように計らってくれたわけなのよね。

 お昼ご飯はお寿司屋さんの鯵の握りを注文したから、それを楽しみに頑張っていたわけ……お酒を飲もうとしたわけじゃなかったんだけど、

 

 ガチャリと異世界からの人がやって来たのよね。それも滅茶苦茶泣きながら、とりあえず私は「入りますか?」と入れてあげてお茶を出すと「これ、つまらない物ですが」と柏餅的な物出してくれたのでそれを頂きながら彼がなぜ泣いているのか、

 

「私はこの家の家主の犬神金糸雀です」

「軍神アーレスです」

「そういう名前のコスメメーカーあるわね。で、どうしてアーレスさんは泣いているんですか?」

 

 神妙な表情で彼は語り出したわ。

 

「人間の方には女神というとそれはそれは良いイメージしかないと思うんですが……」

「それどこ情報ですか?」

「えっ……まぁいいや。女神って連中はとにかく狂ってる奴が多いんです」

「知ってる」

「えっ?」

「えっ?」

「そんな女神の中でも戦いの女神アテナ様」

「あー、アテナさん! 凄い美人ですよね! それに私のしる女神系ではかなり良い人ですけど?」

「の……部下の勝利の女神が……」

「もう良いです。大体分かりました。人間だけじゃ飽き足らず。色々やらかしてるんですね。ニケ様」

 

 私がニケ様と呼ぶと怯えたような目でアーレスさんは私を見るので、「あー、大丈夫ですよ。私、別にニケ様の信者でもなんでもないんで」と言うと、

 

「なら、金糸雀さんは何故女神ニケを様付けで? アテナ様ですらさん付なのに」

「あー。私がニケ様に様つけてるのは、そこまで合わせてあだ名みない物ですよ。最初は綺麗な人だなーって思ってたんですけど、あの人容姿に全てを振りすぎててあと全部終わってますからね。でもまぁ、私が見放したらもう本当に終わりそうですしね」

「金糸雀さん、ダメな奴好きになるタイプですね」

「というか大半ダメな奴に寄生されるタイプですよ」

 

 うん、ミカンちゃん、ニケ様、セラさん。デュラさんは最高の相棒だったしアズリたんちゃんは凄い良い子だったから、私の中で魔物はみんな基本的に良いイメージしかないのよね。そんなアーレスさんはどっかの戦争で人間の軍と戦って負けたらしいのよね。人間が神に勝てるんだと思ったらその人間達にニケ様が力を貸したとか、ニケ様ってほんとテロリストか何かなのかしら?

 ぐぅぅうううう!

 

 お腹の鳴る音、たくさん泣いて愚痴ればお腹も空くわよね。しゃーない。私の楽しみにしていた鯵の握りを出して、

 

「アーレスさんってお酒いける人ですか?」

「お酒ですか? 好きですけど」

「んじゃ、飲んで怒りと悲しみを流しましょうか?」

 

 ドンと私が用意したのはジムビーム。無難にハイボールでいいでしょう。カラカラと私は二人分用意して、冷蔵庫から鯵の握り寿司を持ってくるわ。

 さてさて、このクソ美味いお寿司、でも生の魚を異世界の神様が美味しいと感じれるのかしら?

 

「まずは乾杯しましょ! はいかんぱーい!」

「ありがとうございます! 乾杯」

 

 かちんと合わせたグラス。ぐっぐっぐと飲み干して、おや? アーレスさんいい飲みっぷりね。そしてドンとグラスをテーブルに置くと、

 

「「ぷはーーーーー!」」

 

 いいわねいいわね! アーレスさん。なんかこういう感じの宅飲み久しぶりよ。ささ、おかわりの二杯目。

 から、次は鯵の握りにも参戦していただきましょう。

 

「はい、アーレスさんどうぞ。鯵の握りも宜しければ食べてみてください。超絶美味しいですから」

「アジノニギリ? これは……魚? 生? 嘘でしょ? 死にますよ! そんの食べたら……」

「ふふふのふ、では食べてみましょう」

 

 私はお醤油をシャリに塗っておろし生姜をネタに乗せるとそれをパクりと、そして咀嚼。なんだろう。光り物ってお寿司の中で最上級よね。光り物といえばマグロがみんな好きなんだけど、私はやっぱり秋刀魚、鯵、鰯、鯖の青物四天王が一番好きかも。

 口の中に青物の味が広がる中、そして特有の嫌じゃない青物の香り、それを流し込むようにジムビームハイボールで、はぁああああ! バーボンのスモーキーさが口の中を綺麗に流してくれるわ。お寿司は日本酒やビールが定番だけど、バーボンやテキーラみたいな癖の強いお酒が臭い消しになって実は滅茶苦茶合うのよ。

 

「そんなに美味しいんですか? じゃあ、い……一個だけ」

 

 とアーレスさんは私と同じようにお醤油にシャリをチョンとつけてパクり。そしてしばらく咀嚼。「あーあ、こういうの」とか言いながらジムビームハイボールを一口、そして、

 

「うぉおおおおおおお! こいつはキマるぜえええええ!」

 

 あっ、美味すぎて壊れた……。

 よく考えたら旨味成分を理解できるのって日本人だけだったわ。

 外国でも味の素ジャンキーとか出てるもんね。

 

 ※諸説ありますが、ダシ文化が実は世界には存在しないのでアミノ酸が旨味という事を遺伝子的に知っていたのが日本人だけで、結果として毒(アミノ酸)のある食べ物をやたら日本人は食べます。

 

 海外のフレンチとかでも煮込みやソースで味付けするのよね。だから、旨味成分みたいな物は遺伝子的に組み込まれていないから、要するに……

 麻薬やってるのと同じなのよね。

 

「金糸雀さん! 今の俺なら、勝てる気がする。あの常勝不敗、勝利の女神にだってさぁあ!」

 

 ニケ様、常勝不敗なの? 毎度、私の家では敗北している姿しか見た事ないんだけど、前に神様の中で指名手配されてたり、色々あったもんね。目の色が変わってしまったアーレスさんを見ながら私は鯵の握りを一つ摘んで、ジムビームハイボールを一杯。

 

「ニケ様に勝つですか……それって本当に戦う必要ありますかね? 関わらない方がいい事も世の中にはありますよ? 戦争ってのは始まると短期決戦にしない限り泥沼化して何の為の戦争か分からない事になりますよ? そして、いつの間にか政治問題の戦争のはずが怨恨の戦争となって、おわらなくなるんです」

「金糸雀さんは何者なんですか? まさか、軍人。それも将軍クラス?」

「経営関係の勉強をしている学生ですよ。歴史の勉強をしてれば、戦争の歴史は基本変わらないんですよ。戦争なんてばかな事してたらこの美味しい食事もお酒もヤレなくなるんですよ。馬鹿じゃないですか?」

 

 コトンと私は三杯目のハイボールをグラスに注ぐ。そしてそれをグイっと飲んで鯵の握りをパクりと食べて、私はため息をつく。こんなに美味しいのに、それを無碍にするようなことは馬鹿馬鹿しいじゃない。

 

「アレースさんの事を思って、私がアーレスさんに勝負を挑んでいいですか? 私に負けたらニケ様とは今後関わらないでください。私はいい飲み友がニケ様に壊されるはいたたまれないので」

「金糸雀さん、流石にそれは、これでも軍神。酒飲み勝負に負けた事なんてありませんよ!」

「そうですか、では私から」

 

 ハイボールかぁ、ぶっちゃけストレートで潰してしまうのが一番なんだけど、お寿司食べたいし、十四、五杯ってところかな?

 と、七杯目のハイボールを飲んだあたりでアーレスさん船を漕ぎ始めたわ。

 思いの外弱いわね。私よりお酒強いのって、兄貴、兄貴の友達。いろはさん、ミカンちゃん、異世界の人多数。

 私、そんなお酒強くないハズなんだけどな。

 

「金糸雀さ……私の……勝ちですねぇ……」

「いえ、負けですね。正直、お酒の量を競うなんてお酒に対して最低の飲み方なんですけど、私もお友達を一人失うのは悲しいですから、そろそろ来そうね」

 

 ガチャリ。

 温度が一つ下がったようなこの空気、アーレスさんの天敵がやってきたわ。アーレスさんを寝室に運んで、私は第二ラウンドといきましょうか。

 

「金糸雀ちゃーん! 勇者ー、デュラハーン! お出迎えはないんですか? 皆さんの女神が来ましたよー」

 

 さて、私はニケ様をお出迎えに、

 

「ニケ様、いらっしゃい」

「ただいまですよー! 聞いてください金糸雀ちゃん、アーレスとかいう田舎の軍神が調子に乗っていましたので、ちょっと撫でてボコボコにしてあげたんですよ! そのお話でもしながら、お酒を飲みましょう! 今日はなんですか? あー! ジムビームですか! バーボンはいいですね! 心に」

 

 私はそんな事を言うニケ様に異常に殺意を覚えるものの、まぁいいかと私はリカーラックの中から小さい瓶。

 ウォッカの中でも最高度数のお酒を持って、

 

「ニケ様、ジムビーム残り少ないのでこれ飲みましょうか?」

「なんですかそれ? でもいいですよ!」

「じゃあ、ショットでどうぞ」

 

 

“スピリタス・度数96度、超辛口“

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