第210話【20万PV特別編 魔王様とレンチン食堂大阪の旅 前編】
※本作で紹介したく入店したかった秋葉原で限定出店していた噂のレンチン食堂、希望者多すぎて泣く泣く断念したのですが、とある筋のご厚意で大阪の方を体験できましたのでもし、大阪、名古屋におられる方や行かれる方は観光地の一つとしてご検討されていはいかがでしょうか?
「オーサカであるか? くーはっはっは! それはどこだー!」
魔王様が本日正座をして情報番組を見ながら誰かと電話をしているみたいです。みなさんお久しぶりです。天童ひなです。魔王様はお茶請けのかりんとうを一つポリっと食べると、立ち上がりました。
「良かろう。ひなを連れてゆく故、しばし待っていると良い」
さて、本日は新大久保でホルモンを食べるハズだったんですが、まさかの……東京から西の大都市、
「ひな、オーサカに行くであるぞ! 準備をするといい。どうやら、食い倒れの街とやら、余程剛の食い物があるのであろう。余の国であるトーキョーに匹敵するのか見て回ろうではないか!」
という事で大阪に行く事になりました。東京は実は23区の中でも5区くらいしか大都市的な街はありません。それと同じで大阪も大きく分けて北区とミナミと呼ばれているお洒落タウンと歓楽街の二つくらいしか大都市的な街はないです。意外と地方から来た人ががっかりするポイントですね。
ただ、街部分が違う国じゃね? ってくらい発展してるので東京と大阪は日本の中枢なんだなって感じるんでしょうね。
今回、私と魔王様は魔王様の古い知り合いのハイエルフのセラさんに呼び出されて大阪に魔法でピューンとやってきました。
大阪梅田、東京で言う所の新宿で魔王様とセラさんと待ち合わせまでの時間を潰します。
「くーはっはっは! 東京と同じで人がゴミ程いるであるな!」
「オイ兄ちゃん!」
魔王様がいきなりガラの悪そうな人に絡まれました。魔王様はニコニコ、いきなりケンカにでもなるんでしょうか?
「ほんま、ゴミみたいに人間おるやろー! こいつら何してんねんな? 東京から来たんか?」
「うむ! 食い倒れの街を堪能しに来たであるぞ!」
「ほんまか! ほな、お兄さんにええ店教えたるがな! ワシも東京と大阪で行き来して仕事しとるからな。東京の飯もんまいけど、大阪もうまいでぇ!」
と見ず知らずの人が美味しいお店情報を教えてくれました。東京に住んでいると東京出身の人は関西の人、結構好きなんですよね。そして大阪の人も東京の人、結構好きなんですよ。
一体、東と西を嫌い合うように仕向けているのはどこのどなたなんでしょうね?
ガラの悪いおじさんに勧められた大阪梅田から駅で一つ行った、日本最大の商店街、天満橋商店街のお店で、私と魔王様は目を疑いました。
「ひなよ……この国は貨幣制度が東京都は違うのか?」
「いえ、そんな事はないハズですよ」
ハイボール一杯15円。※線路沿いの某お店になります
150円の間違いだと思って私たちはそのお店に入りました。お昼ご飯をそこで定食とハイボールを頂いたのですが、
「あの、ハイボールって一杯」
「15円っすよー、頭おかしいっよねー! 飲まれます?」
「ぜひ、二杯」
「あれやったら、何杯か飲まれるなら頼まれときます?」
まさかの複数同時に持ってきてくれるサービスです。そして知らない人もそうですが、お店の人も異様に距離が近いです。私は少しだけ苦手ですが、
「くーはっはっは! 気に入った! その心遣いやよし!」
魔王様はお気に入りのようです。そこでお刺身定食850円とハイボール三杯45円を二人分払ってお店を出ます。
「くはははは! たらふく食べてせんべろであったな? ひなよ。たこ焼きを食いに行くであるぞ! あれはこの国の食べ物であろう?」
「たこ焼きなんてどこで食べても同じだと思いますよ」
私の失言に、ショートカットの女の子に「オイ、コラ! そこの姉ちゃん、今なんて言った! あぁ?」
次は私が絡まれました。
「ちょ、ツラ貸せや、ちょこい! そこのイケメンの兄ちゃんも」
「うむ。良かろう」
カツアゲでしょうか? いえ、たこ焼き屋兼居酒屋に連れて行かれました。
「アンタら酒飲めるんか? てか飲んどるな? ほな、おばちゃん、1000べろ、二人分!」
勝手に注文されました。
すると……ビール、たこ焼き、ホルモン、どて焼きと明らかに量が多いです。いただきますと、私達がたこ焼きを食べると、
「このたこ焼き!」
「普通やろ!」
「はい」
「まぁ、たこ焼きなんてどこで食うても同じやわな? まぁ知らんけど、ここはウチが奢るから大阪旅行楽しんでやー!」
そう言って女の子は名前も名乗らずにお金を払って手を振って去っていきました。なんだったんでしょう?
「うむ、うまい! ホルモンも甘めあるな。クハハハハハ! 気に入った! この土手焼きとやら、白飯が食いたくなるである!」
私たちはそれから、巨大な水族館である海遊館に行って、近くにある大阪市立科学館で日本最大級のプラネタリウムを楽しみました。ちなみに余談ですが、世界最大のプラネタリウムは名古屋にあります。めちゃくちゃ感動しましたね。
「というか、この時間はなんなんでしょうね。このままだとユニバーサルスタジオジャパンあたりに遊びに行けそうですね。なんか魔王様、甘い物食べましょうか?」
「良い! 余は甘い物が大好きである!」
「あっ、ゴブンノゴ、大阪にもあるんですね。クソ高いシュークリームなんですよ。イートインで食べると2000円くらいかかるんですけど、ガールズバーの常連さんが一回買ってきてくれて美味しかった覚えがありますね」
「オイ、貴様、余にオーサカの甘い物を教える事を許す!」
と魔王様は全然知らない人を呼び止めて、そう聞くと、エリートサラリーマン風の男性は、
「大阪の甘い物ですか? そやな、心斎橋とかは大阪初のスイーツあると思うけど、そや! みたらし団子アンタら食べてないちゃうか? 喜八洲総本舗言うんですけど、これがめちゃウマイ! 大丸で売ってるハズやからよかったら試してみてや!」
「うむ! 助かった! 是非それを食べに行くである。ここの連中はとても気さくで良い! ギルガメッシュの国の民のようである! 気に入った」
「お兄さん、嬉しい事言ってくれるねぇ! カレーもこっちうまいから時間あったら食べていってくださいね! ほな!」
「うむ! ほなである!」
大阪の人とも秒で仲良くなってしまう魔王様には感服ですね。そして私たちは大丸にいき、そのみたらし団子を買いに行きます。
「えぇ、めちゃくちゃ並んでますね。それも大阪の人が」
「クハハハハハハ! それほど繁盛するとはウマイのであろう」
私たちは並んで一箱購入すると、お茶を買って近くのベンチに座って食べてみます。なんと、お団子が俵形です。
「ウマイ! これはウマイなひなよ」
「えぇ、これめちゃくちゃ美味しいですね。みんなにお土産で買って帰ろうかな」
カレーをおすすめしてくれてましたけど、日本って全国カレー有名ですよね。まぁ、そういうとラーメンもそうですけど……そんな時、魔王様のスマホがなります。
「もしもし余である! おぉ、セラであるか! どこであるか? ナーンバ、方。東京の渋谷的な場所であるか、参るであるぞ」
「次は難波に行くんですか? じゃあ行きましょうか」
ようやくセラさんと待ち合わせのようです。ここまでに随分食べましたけど、私も魔王様もまだまだ余裕です。難波駅は外がオシャレでした。アメリカのオープンスペースみたいになってます。今年からそうなったみたいですね。万博の為の準備だって駅員さんが言ってました。
「魔王! ここであったが2300年目だ! 成敗してくれようか?」
「クハハハハハ! 余を笑かすでない! 貴様の力では余に傷一つつけれまい。しかし久しぶりであるな! して、余に用とはなんだ?」
「ふん、率直に言おう! お金を貸してください」
「良い、いくら工面すれば良いか?」
と魔王様は鰐皮の財布を取り出すと福沢諭吉先生をばさっと取り出しました。えっ? 500万くらいありませんか?
「魔王様、そのお金なんですか?」
「クハハハハ! サリエルが金に困っていた故、宝くじ売り場とやらでロトくじとやらを引いたら3000万当たったので、全部くれてやったらこれだけ返してきおってな。泡銭である。パーっと使えばいい」
大盤振る舞いすぎでしょ。そしてセラさん相変わらずクズよりの人ですね。お金借りる側が呼び出すとか前代未聞でしょ。
「レンチン食堂に入れるのだが、金が足りなくてな。その支払いを」
「良い、もとより余が払うつもりであった! 案内するといい」
「ちょっと、待って! レンチン食堂で、秋葉原で限定開店してた? 金糸雀ちゃんが行ったって言ってたんですけど……あれキャンセル待ち8000組とかですよね?」
「あぁ、私の同居人が何故か優待で入れるらしくて、冷凍食品に興味がないと私にくれたのだが、そういう日に限って一緒に行くやつがこの魔王くらいしかいなかったから仕方がなく呼んでやったのだ」
このクズよりじゃなくてクズですね。でもレンチン食堂は青の洞窟も食べ放題、ハーゲンダッツも食べ放題。冷凍食品で生活している私からすれば、夢の国ですよ。
「行きましょう! 二人とも! 私、行ってみたかったんです!」
「そ、そうなのか? 喜んでもらえて何よりだ。ひなさん」
「セラよ、褒めてつかわす! 余の家来であるひなを喜ばせた事、大したやつめ!」
「うるさい死ね魔王! でもお金は払ってください」
私たちはクッソ並んでいるレンチン食堂へとやってきました。想像を絶する長蛇の列です。
次回、三匹の魔物が冷凍食品を食い散らかします。




