8話
僕は今貴族の屋敷に依頼で来ていた
門番の人に依頼を来たことを報告したら客間を案内され中で少し待つよう言われた
お菓子やお茶までしてくれた
でも僕はちょっと緊張している
「魔王と仲良しの上に勇者の息子なんだよ、なんで緊張するかなぁ~」
「父さんと仲良しなだけで僕は仲良しではないと思うよ」
魔王と仲良しなんて嫌だ
それと勇者は貴族より偉い位置にいるみたいだけど僕は別に何もしてないから貴族より偉いとは思えない
少し待ったが依頼主が現れた
「君が依頼を受けてくれた冒険者かな?妖精付きとは珍しい
依頼を受けてくれて感謝する。私はカルロス ブレッセントという、よろしく頼むよ」
「えっと…こんにちは、僕は冒険者のレイスです。よろしくお願いします」
「私はサラだよ~」
「誰もやらない清掃依頼をやるいい子がくるという話は聞いているよ」
「お恥ずかしい…」
お互い簡単に自己紹介をして今回の依頼を他言無用という条件で聞くことにした
「私には娘が一人いてね、まずこのスキル確認書を見てもらえるかな」
スキル
魔力生成
魔法使用不適正
弓適正
魔力眼
僕と違って不適正が一つしかないのはうらやましい
「あれ?これって…」
サラは何かに気がついたようだ
「気がついたかい?魔力生成によって魔力は増えていくが魔法が使えないから消費されず魔力中毒病を起こしてしまう」
魔力中毒病とは魔力をとりすぎて体に異常がでる病気である
ダンジョンの魔力溜まりとかで起きてしまうことが一般的だ
「こういった子は早くに亡くなってしまうが今は魔力を少しだけだが吸収する魔具がある上に私と同じ魔力眼が幸運となった、魔力眼は相手の魔力の質を見ることができる。
自分の魔力を相手の質と同じにすれば魔力は渡すことができるので渡された相手はそれを魔法として排出すればよい」
そうだったんだ!まったく知らなかった!!
「知らないって顔してるけど学校行ってたら習うはずだよ~」
「あんまり成績よくなかったし」
「おや?君は学校行ってたのか?裕福な家だったのかい?」
「いろいろありまして」
学校は強制ではないのと学費が高いため割と学校に行かない子は多いのだ
「ともかくこれから娘のティアと会ってもらうが魔力中毒病が以前深刻なとこまで進み喋れないということを理解してほしい」
「わかりました」
「あっ!私は客間でお菓子食べてるね」
なんでよ!!
「すみません!すみません!うちのサラがすみません!」
「ははっ、構わんよ」
サラを客間に残し僕は娘さんの部屋に案内してもらった
「ティア。私だ、入るぞ」
カルロスさんがノックして部屋に入り続けて僕たちも入ると娘のティアさんがいた
「こんにちは」
挨拶をすると向こうも僕たちに気がついたようだ
僕と同じくらいの歳の子かな?
緑の髪のショートで元気そうな子だ
近くにあるスケッチブックとぺんをとり僕たちに筆談で答えた
“こんにちは 依頼に来た冒険者さんですか?
私はティアです
喋れなくてすみません
この病気が直るなら冒険者になりたいので
後で冒険者さんの素敵な話を教えてください„
「ティアの頑固に困ったものだ」
こんな体なのに冒険者!?
ある意味すごい
“さっそく始めますね。左手出して下さい。
左手から魔力を渡しますので放出する魔力は今開ける窓の外に右手で放出してください„
「あっ!窓開けなくてもいいよ。僕は放出魔法不適正だから放出しても減衰してすぐ消えるから」
「なんだって!」
“それは本当ですか!?„
「うん、あれ?なんかまずい?」
“違います!これなら私も長年の夢だった冒険者ができるんです„
「レイス君放出してもすぐに消えるならダンジョン内でも問題ないんじゃないかな?」
そうか!思いもしなかった!
不適正でも使い方次第なんだ!
「でも娘さん冒険者になんて危なくないですか?」
「勇者の息子と一緒なら大丈夫だろう」
僕はその言葉で少し警戒する
「いつからわかってたんですか?」
「名前を聞いたときからね、家出して冒険者とはね
だが安心したまえ別に私からは勇者どのに報告するつもりはない」
それを聞いて安心した
まだ戻るつもりはない
「ともかく依頼は頼むよ」
こうして僕は依頼を成し遂げティアというパーティーメンバーも仲間になった