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まるで戦場で見せるような迫力です



 朝起きたアローナは驚いていた。


 ジンが床に転がり、冷たくなっていたからだ。


「刺客っ!?」

と叫んで周囲を見回していると、冷たくなっていたジンが目を開け、しゃべった。


「刺客はお前だ」

と言いながら、起き上がってくる。


「ジン様、どうして、そのようなところに」


「お前は寝てしまうし、フェルナンは此処から出るなと言うし。

 仕方ないので、床で丸まって寝ていたのだ。


 これで俺が凍死したら、刺客はお前とフェルナンだ」


 そう言い、ジンはアローナの額を小突いてくる。


 す、すみません……と苦笑いしながら、アローナが額に手をやると、ジンは嫌そうな顔をして、


「……また拭う気か」

と言ってきた。


「は?」


「いや、なんでもない」

と言いながら、ジンは床に敷いていた飾り布をたたみ直し、椅子にかけ直していた。


 しつけの良い王様だな……。


 王様なんだから、メイドを呼びつけてやらせそうなものなのに、と思いながらアローナは言う。


「それにしても、床でおやすみになられるなんて、お身体壊されますよ。

 一緒に寝台に横になられたらよかったのに」


 すると、ジンは驚いたように身を乗り出し、

「良いのかっ?」

と訊いてくる。


「はあ、良いです」

とアローナは答える。


「私など隅の方にポイと押しやるか、ソファに移動してくださって。

 ジン様が寝台で、おやすみになればよろしかったのに」


 だが、ジンは、

「……いや、お前のいないお前の寝台になんの意味があるのだ」

と言ってきた。


 そのとき、すったもんだ揉めたあと、箱の上に投げていたあのセクシーな衣装がジンの目に入ったようだった。


「ちゃんと手も出さずに、全身が痛くなるような床の上で寝ていたのだ。

 せめて、その服、着て見せてくれないか」


 いや、何故ですか……と思うアローナにジンは、

「そのくらいのご褒美はあってもいいだろうっ」

と強く主張してくる。


 なんだかわからない迫力に押され、アローナは仕方なく、物陰に行き、昼間こういうものを着る方が恥ずかしいのですが、と思いながら、ゴソゴソと着替えてみた。




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