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私、決めました



「フェルナン、あなたを脅していたのは、アハト様らしいですよ」

とアローナはフェルナンに言った。


 アハトが、あっ、何故、それをっ、という顔をする。


 いや、フェルナンが、命を狙われているかもしれない、いとこと王との間で板挟みになって、苦しんでいるようだったから教えたのだ。


「そうだったのですかっ」

と驚くフェルナンにアハトは慌てて、


「いやいや。

 私は結局、なにもしてはいないですからね、あなたの大事ないとこ殿には。


 いつか、なにかしろ。

 さもないと、いつかなにかするかもしれないぞと脅しただけです」

と言う。


 ふんわりだなあ、と思いながら、


「その脅迫、意味あるんですか」

とアローナが問うと、アハトは、


「棚ぼたで、もしかしたら、誰かがなにかするかもしれないではないですか。

 フェルナン様とか、フェルナン様の周りの人とか」

と訴えてくる。


「なんですか、それ。

 やるなら、もっとしっかりやらないと!」

とアローナはつい言っていた。




 新しい王妃に、脅迫するのなら、ちゃんと脅迫しろと叱られてしまった……、

と思いながら、アハトは広間を覗く。


 ジンは王の使者として他の国に派遣されていたものの言葉を聞いていた。


 ぼんやり側に立っていると、仕事を終えたジンが振り向き、訊いてくる。


「どうした、アハト」


「ジン様。

 恐ろしい嫁をもらわれましたな」

と言うと、


 恐ろしい?

と言った感じで首を傾げている。


 まあ、見た目は、ぼんやりして可愛い娘だが。


 いざというとき、恐ろしい気がする、とアハトは思っていた。


 前王につくか、この若き王につくか。


 いまだ迷っていたのだが。


 今日、決まったな。


 ……私はアローナ姫につくことにしよう。


 そうアハトは思っていた。




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