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ぱちさんとマグロのお船

作者: 小波琥晴

その日子猫のぱちさんはお昼ご飯をのんびり食べ公園でうつらうつらしているところを慈善事業のおじさんに声をかけられました。

「オオカミの子供お前は足が速かったよな。」

おじさんはにこにこしながら話しかけてきます。

ぱちさんは

「オオカミの子供じゃないよ子猫だよ。あしは野良犬から逃げられるくらい早いよ。」

そう言っておじさんに笑い返します。

「足が速いならマグロをつかまえに行こう。夜また迎えに来るからここで待ち合わせだよ、マグロが取れたらおいしいご飯がたくさん食べられるよ。夜までのお駄賃だ」

おじさんはそう言ってぱちさんにお小遣いをくれました。

ぱちさんは夜までよい子で過ごし、おなかをすかして公園でおじさんを待っていました。

「おぅオオカミの子供、準備はいいかい?」

おじさんはそう言って鞄からいろんなマグロの似顔絵を出して見せてくれます。

「マグロは周回する魚だから同じ所によく集まるよ。待っていたらたくさん採れるよ。よくこのマグロの顔を覚えておくんだよ。」

そう言っておじさんはにこにこしています。

ぱちさんはおじさんの見せてくれた似顔絵をよく覚えながらおじさんの後をついていきます。

おじさんについていったところは薄暗いお化けが出そうなところです。

こんなところにマグロがいるなんて想像できません。

「ここだよオオカミの子供、似顔絵をよく覚えたね。おじさんはあっちから行くからオオカミの子供は逃げてきたマグロを捕まえるんだよ。」

そう言っておじさんは姿を消しました。

15分くらい待ったのでしょうか。

おじさんがあっちと言った方からなにかが走ってくる音が聞こえます。

ぱちさんはあまりのことに全身の毛が逆立ちしっぽが膨らむ思いです。

おじさんにもらった似顔絵のマグロが一匹走っています。

ぱちさんは全力で後を追います。

息が切れるかとおもうほど走ってようやくマグロを一匹つかまえました。

おじさんは後ろでにこにこしながら見ています。

「オオカミの子供良くつかまえた。そのマグロはとても悪いマグロで何度も逃げているんだよ。」

そう言ってマグロを縛って顔に袋をかぶしてやります。

すぐにおじさんの仲間がやってきて車にマグロを積み込みます。

ぱちさんはよくわからないけれどとっても怖いと思いました。

おじさんはにこにこしながら、次の場所に行こうとしています。

ぱちさんはあわててついていきます。

次の場所では、おじさんはマグロをのぞき込んで聞きました。

「おなかがすいているんだろ。昔のことは忘れてやり直せばいい。」

そう言っておじさんはマグロに手を乗せます。どんよりとした目をしたそれはうなずいておじさんについてきます。

すぐにおじさんの仲間がやってきてそのマグロも車に乗りました。

その後もいろんな場所でマグロをたくさんつかまえました。

おじさんはとても楽しそうにぱちさんに言いました。

「よくがんばったね、オオカミの子供。今日はたくさんマグロが取れたからおいしいご飯を食べに行こう。」

ぱちさんはおじさんについて行く前におじさんに聞きました。

「マグロはどこに行くの?」

おじさんはにこにこしながら答えます。

「オオカミの子供、彼らはマグロのお船に乗って遠くに行くんだ。楽しい楽しいお船だよ」

そう言ってぱちさんの方に手をやります。

「お前はそんな船に乗ることはないよ。おじさんはお前のことが大好きなんだオオカミの子供」

ぱちさんはおいしいおすしをたくさん食べさせてもらって幸せになりました。

めでたしめでたし

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