洞窟
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半ば強引感でてます…。すみません…。
ロータードラゴンが済むと言われるローターマウンテンの洞窟の中は赤苔や赤いきのこが生えている。たまにある横穴は恐らくドラゴン達の住処なのだろうか、中からドラゴンの寝息が聞こえる。
ウィズはゆっくりと奥へと進むが、少し進んだところで頭の中で声が響き、ぴたっと足を止め、岩肌が赤苔で覆われた天井を見た。
『わ……を……も…つよく……せ』
(我を求む者、強い意志を示せ)
途切れ途切れだが、そう聞こえたウィズは誰と周りをキョロキョロ見回したが特に誰がいるわけでもなく、ドラゴンが近くにいるわけでもなかった。
ウィズは不思議に思ったものの、先へと進むことにした。
しばらく一本道が続いたが、十分ほど経った時、道が二手に分かれている場所へ着いた。
ウィズが立つ場所は少し広く、後ろを振り返れば先程来た道が、前を見ると右へ進む道と左へ進む道がある。
ウィズは小さな頃からドラゴンマスターになることを夢見ていた。だからこそたくさんの書物を読み解き、知識を身につけていた。
伝説のドラゴンは己の意思ではなく、人間の強い思いに反応し、自身の元へ導く。
一呼吸おいて、ウィズは右側の道へ足を動かした。
この選択が正しいものか、それはロータードラゴンのみが知ることになるだろう。
✱✱✱
「何も無い…。ドラゴンたちもいない…」
進みながら洞窟のドラゴンたちが姿を現していないことに気づいた。
洞窟のドラゴンは人間嫌いな種族が多く、人間が縄張りに入ると襲ってくると幼い頃にシルベスやサリヌアに聞いたことがあった。だが、ドラゴンたちの住処やそこにいる気配はするのにウィズの前に一度も姿を表していない。
気にしていたら時間が経ってしまうと思ったウィズは気にせず先へ進むことにした。
そしてまた少し歩いた時、今度は三本の分かれ道にたどり着いた。
そこは最初の分かれ道とは少し異なっていて、真ん中は火をモチーフにしている赤い木の板が打ち付けられていて、左側は水をモチーフにしている青い木の板が、右側には木をモチーフにしている緑色の木の板がそれぞれ打ち付けられている。
恐らく、ここへ来た最初の者が道標としてつけたのだろうが、全ての分かれ道に付けているとどの道へ進んでいいものやら。
ウィズはここでは何も考えず、水をモチーフにしている木の板が打ち付けられている道へと進んだ。
ウィズが足を踏み入れた瞬間、突然地面がなくなり穴が現れ、ウィズは悲鳴と共に穴の底へと落ちていった。