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五龍とドラゴンマスター  作者: 中邑巴
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序章

序章


ドラクリェスト五つの大陸のうち、赤龍「ロータードラゴン」が住まうと言われている「フィスタル」にある小さな村「ロタム」の外れの草原で一人の少年がドラゴンと対峙していた。


「俺の名前はウィズ・アラン!俺のドラゴンになれ!」


ウィズ・アランと名乗る少年は右手にドラゴンを使役することができる腕輪を持ち、それを目の前にいる翼龍に差し出している。

だが、翼龍は気にも止めず少年が来る前から青空の下でのびのびと昼寝をしており時々少年が無理矢理腕輪を付けようとするのを自身を包む大きな翼で防いでいる。


「なんでだよ!ドラゴンを使役できないと、連れていないとほかの村や街に行けないんだ!だから頼むよ…。俺、外の世界を見たいんだ!」


ウィズは必死で訴えるが、翼龍からすればそんなことどうでもいいのだ。人間の世界のしきたりなど知ったことではないし、そもそも自分たち龍がこの世界の最初の支配者なのだからなぜ後から来た新参者に使役されなければならないのか。小さくため息をついて翼龍は体を起こし、大きな翼を広げた。今まで寝っ転がっていたせいで見えなかったが、手足にはウィズなど真っ二つにできるであろうほど大きな爪があり、顔はフィスタルに住むドラゴン特有の赤色の目に小さな角、勇ましい牙が剥き出しになっている。翼は体より大きく広げると草原に生えている頭の広い木を優に超えるほどだ。

その姿に呆然と立ちつくしているウィズを見て、翼龍はその大きな翼を羽ばたかせ、空へ舞い上がって山の方へ行ってしまった。


「あ!行っちゃった…。またドラゴンを使役できなかった…。そもそも野生のドラゴンだからダメなのかな。やっぱりお父さんとお母さんのドラゴンの子供を…ううん!それじゃダメだ!俺はドラゴンマスターになって伝説の五龍を見るって決めたじゃないか!」


ウィズは翼龍が飛び去った方を見ながら、自分の目標が今日も達成できなかったことに憤りを覚えながら、村へと足を進めるのだった。



✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱

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