届いた便り【冬の詩企画】
子供の頃の思い出。ただの作文になってしまった。このままではダメだ。と思い、後半に短歌を。
これならセーフでしょうか?
ぼた雪が、丸二日降り続き
大人たちは雪掻きに大わらわ。
夜中も走る除雪車は
シャンシャンシャンシャン
静かな田舎町に
チェーンの音を鳴り響かせる。
まだだ。もう少し。
子供たちは待ち続ける。
いつまでもどこまでも
真っ白な空から落ちてくる。
真っ白な大きく柔らかいかたまり。
冷たいのに暖かい。
まだ雪の厳しさも
ロマンチックも知らない子供たち。
もう十分だ。
二階のベランダに出てその更に向こうへ。
一階の屋根の上に降り立ち辺りを見渡す。
絶景かな。当然一面白だらけ。
路肩に集められた雪の固まりが
茶色く濁っていなければ完璧なのに。
屋根の上にも積もった雪を
力一杯押していく。
この時期のかもいは何の役にも立たないけれど
今の私のスタートライン。
“せーのっ”
心の中で掛け声を掛け
背中を向けて落ちていく
ぼふっ
と、ぼた雪ベットが受け止める
天からはまだまだ止まない大粒の雪
大の字になり眺めてた。
◇◇◆◇◇◇◇◆◇◇◇◇◆◇◇◇◇◆◇◇
どこまでも 続く白さに 憧れて
寒さも忘れて 飛び込む世界
厳しさは 大人になれば 分かるから
今まだ雪と 戯れさせて
静寂を 尚更深める 雪の夜
子供の耳には 遊びの誘いが
仰ぎ見た 幼きあの日の 白い空
届いた便りは 今でも胸に
◇◇◆◇◇◇◇◆◇◇◇◇◆◇◇◇◇◆◇◇
※ぼた雪とは、粒の大きな雪。地方によって呼び方が多少違うようですが、故郷の山形では、そう呼んでいました。(ウチだけ?)
声に出す時は『ぼだゆぎ』まぁ、全ての言葉に濁点が付くような地域です。
今は、雪の降らない所に住んでいるので、ちょっと淋しい。
でも、厳しさは十分知っている。雪国は、大変です。
本作は「冬の詩企画」参加作品です。
企画の概要については下記URLをご覧ください。
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1423845/blogkey/2157614/(志茂塚ゆり活動報告)
なお、本作は下記サイトに転載します。
http://huyunosi.seesaa.net/(冬の詩企画@小説家になろう:seesaablog)




