第8話(1) ここにいていいんです!
~リュリュン3日目~
僕は朝一番で【リープ】で畔に飛びました。スピカちゃんに会うためです。しかし、そこにいたのは……
「……おー……めぐるー……」
「すっ……スピカちゃん!?」
そこにいたのは一糸まとわぬ姿で水面に立っているスピカちゃんだった!
「なっ……なんで裸なんですか!?」
「……ごはん……と……みずあびー……」
「ごはんなら持ってきましたから早く上がって服着てください!」
「……はーい……」
ぱちゃっぱちゃっと水面を走る音が聞こえる……
これで本題が話せる……びちゃっ!
「!?」
「……ごはん……ありがとー……」
見るとスピカちゃんが裸のまま抱きついていた!
スピカ=フェイクファー
種族 ハーフエルフ族
年 18歳
ジョブ なし
ギルドランク なし
所属チーム なし
B98 W55 H76
身長 146
スピカちゃん小柄なのに凶悪な2つのものを持っている。ボロ布を被っているときには全くわからないのに詐欺だっ! ……それは置いておいて
「いっいいから服きてください!」
「……めぐる……照れてる……ぶい……」
なんか少し笑顔な気がする。着替えが終わりまたごはんを渡す。相変わらず、頬一杯に頬張るリスのような食べ方だ。
「スピカちゃん、おいしい?」
「……なかなか……」
「そっか……食べながら聞いて欲しいです。スピカちゃんってハーフエルフですよね?」
「!?」
食べる手が止まり震えだす……
「スピカちゃん! 僕は別になんとも思ってないから!」
「……ほんと?」
「はい。」
「……災い……」
「じゃあ起こしてみてください」
「……無理……」
「ですよね。だって僕は信じてないです。」
「……でも……教会に火……」
「村人の誰かがやったんですよね? 悪いのはそいつだし」
「……へん……めぐる……ハーフエルフ……って知っても変わらない……」
「そうかな? 変なのはこの世界の固定観念だと思いますけど」
「……こてー……かねん……?」
「あー、みんなの当たり前って思ってることが変って意味です」
「……わたしは……ハーフエルフ……」
隠れている髪をかき上げた。隠れていない方の瞳の色は青。隠れていた方はエルフ特有の木々のような綺麗な緑。そして耳を見せたエルフほど長くないし、人間よりも長く形が違う。ルリさんに事前に聞いた情報と同じだ。
「……めぐる……嫌いにならない……?」
「なんで? 瞳はどちらの色も綺麗だし、耳もスピカちゃんにあったかわいい耳だと思いますよ」
「……うれしい……」
「スピカちゃん……本題だけどこの場所を離れることはできないかな? 実はギルドに討伐依頼を村人が出していてこのままここにいると危険なんだ」
「……むり……」
「なんでですか!? 殺されちゃうかも知れないんですよ!?」
「……きて……」
畔の少し先に行った所には一面の花畑があった……凄い綺麗な光景だ……
「……ここ……」
スピカちゃんが指差した先には石が2つ並んでいた。……これはもしかして
「……おはか……ぱぱ……ままの……」
「これが離れられない理由ですね……」
「……うん……」
「でも、殺されちゃうかもしれないんですよ!」
「……ここでならいいかなって……」
頑なでテコでも動かすことができない。自分の無力さにも苛立ちながら
「そうですか……もういいです。したいようにしてください。僕は帰ります」
「……うん……ありがとー……めぐる……最後にあえて……」
「【リープ】」
「……良かったよ……すき……」
僕は最後まで聞かずに教会に戻った。ルリさんには結果のみ伝えてそのまま眠ってしまった。
~リュリュン4日目~
窓の外を見るとギルドの人間が3人いた。そこに群がる村人の中には教会のベンさんやミラさんもいた。おそらくスピカちゃんの話をしているのだろう。僕はスピカちゃんを忘れようと考えていた。
「めぐる……」
「ルリさん。どうしました」
「ひどい顔ね」
「そうだね」
ぱぁんっ! えっ…頬があつい
「私はあなたを主と決めた。あなたはスピカにしたいようにすればいいと行ったそうね。私も主のしたいようにしたらいいと思った」
「……したいようにしていいんだね?」
「はい。【オラクル】のあなたに着いていくと決めたときに覚悟はできているので……ハーフエルフが1人や2人増えてもめぐるの【超越位階】よりめんどくさくないもの」
「ルリさん。1日早くここを出ます。小柄の女の子用の服を用意しておいてください」
「……ああっ! わかった! 任せてくれ!」
ルリさんが部屋を扉出して行った……あっ! 大切なことを伝えないと!僕は窓を開けて外にでたルリさんに叫んだ!
「ルリさん!」
「礼なら不要だぞ!」
嬉しそうにルリさんは答える。
「いや! 小柄って伝えたけどおっぱいはめちゃめちゃ大きいからそれにあった服をお願いいたしますね! 【リープ】」
「なっ!? バカーーーーーーーっ!」
つづく