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銀狐のアルジャーノン  作者: みょみょっくす
第二部 ルーザーチルドレン
24/33

盤外の使者



「ほらよ、チェックだ」

「あっテメ…またかよ」



時刻は暫く巻き戻り、午後10:30を回った頃――――。

酒場の片付けを始めようとする店主を横目に男二人はカウンターに腰掛け、持ち寄ったチェスを片手間に興じ、少量の酒に浸っていた。

狼はアルコールに侵され駒を掴む手を震えさせながらもその打ち筋は俄然鋭く、着実に犬の手を読みながらじわじわと追い詰めていた。このゲーム中三度目の『チェック』である。



「…クッソ、じゃあルークを

「残念だなぁ、ほれ…チェックメイトだ」

「だぁ~~~~チクショウ!またかよぉ~~~!」



チェックを阻止する為に動かしたルークが仇となり、射線が通ったビショップがキングを貫く。

犬は観念したように二人が飲んでいる酒の代金を計算する。

二人の間では常々、飲んだ酒代をどちらが支払うかのゲームが行われる。狼と犬の戦績は今のところ七・三で狼の優性。初めのうちは狼が犬をカモるために唆したものであったが、最近は犬の方もそれに食らいついていけるようになっていた。しかし、まだまだ安定した勝利には程遠い。



「すまねぇなマスター、最近は決着が長引いちまってよ」

「いえいえいいんですよ、これ以上長くなるようでしたら一緒に片付けを手伝ってもらうだけですから」



笑顔を絶やさずに圧力をかける店主。今朝のこともあり強く出られない二人はカウンターの端に常備されている台拭きを手に取りそそくさと自分の手元を拭く。



「しかしよぉ、オレ達は本当にこんな呑気に構えてていいのか?」

「…ん?何がだ?オレ達の仕事はあくまで"依頼を提示してそれを遂行してもらう"それだけだ。何か気になる事でもあんのかい?」

「いや、まあそうなんだが…どうにも腑に落ちねぇ。今頃カンバスタじゃシェパードが調査してるだろうしよ」

「気に掛ける程の同僚だってのかい?ソイツぁ」

「アイツだけが活動してんのが気に食わねぇんだよ、こっちはなんかやるこたぁねぇのか?」

「ヘッヘ、そうピリピリすんじゃぁねぇよ、公安じゃぁ"不測の事態に備える"ってぇ事も学ばないのかい?」

「不測の事態…ね。そういや一点気になることがあんだよ」

「ほう、オレにかい?」

「アンタしかいねぇだろがよ」



カウンターを拭く手を一旦止め、バーナードが詰め寄る。



「アンタ、なんで『偽りの黒山羊(スケープゴート)』の事を知ってたんだ」

「ヒヒッ、ソイツぁ守秘義務さ。オレもクライアントから依頼を請けてる立場なのは知ってんだろ?」

「余計なことはペラペラ喋るクセにそういうのは口が堅いよな」

「人の秘密を扱う奴が自分の秘密をバラしてちゃあ世話ねぇだろ?」

「ごもっともだ。…だが、その名前を知ってる時点でアンタの依頼主がどんな奴なのかは粗方予想が出来る。…本当にお前は、お前の依頼主はこの事件を使って"何をする"気だ?」

「…そりゃぁ、結果が出てからのお楽しみってトコだ。今この事件にゃぁ、当初の予想以上にそれぞれの思惑を持った奴らが往々に絡んできている…不確定要素が増えりゃどこに漂着するかもわからん」

「無責任なヤツだな全く…いいぜ、アンタのクライアント関係は全部終わった後に聞き出してやるよ。契約期間外なら文句はねぇだろ」

「そうしてくれると助かるねぇ…オレもおめぇも同じ船に乗っちまった仲だ、今ぐらいは仲良くしとこうや」



お互いに一杯酒を口に運び、大きく溜息を吐く。守秘性の高い会話、緊張した空気感が続く会話は議論が平行線になりやすい事をお互い理解している。大きな軋轢を生む前に引き下がる…逃げ方を知る大人だからこそ、今は深掘りしない。表情を切り替え、二人は会話を仕切り直す。



「しかしこれでオレぁ何連敗目だ?」

「ヒヒッ、前回から数えて5敗目だな。もう少しで記録更新だ」

「もうちょっと手加減してくんねぇかなあ」

「市民のヒーローは貧乏人を助けるのが義務だろう?潔く経済回しな」

「その言い方メッチャクチャ腹立つなぁオイ!次回から相手してやんねぇぞ!!」

「おっと、それは困るねぇ…おめぇさんがいねぇと上等な酒も飲めねぇってもんだ」

「どうせオレ以外に付き合ってくれる相手なんていねーんだろ?人付き合いってのは蔑ろにするべきじゃねぇぜ」

「仕方ねぇえなぁ…ちょっとだけだぜぇ?」



そう言うとカズベルグは数手前の状態まで盤面を戻す。丁度バーナードが押され始める少し前の状態、ガズベルグが『チェック』をかける直前の状態。



「さぁて、オレ様から見るにおめぇさんの弱点は"ここ"だ」

「アぁ?これのどこに問題があるってんだ!?既に"積み"一歩手前じゃねーか」

「"そこ"だ…おめぇさん、ここから互角、あるいは逆転まで持ち直す一手を計算に入れてねぇ」

「あん?」

「おめぇさんの欠点、それは追い詰められたら極端に視野が狭くなることだ…よぉ~く見渡してごらんなさいな」

「…っあぁ!?ウソだろっ?おめぇのキングの周りがら空きじゃねーかよ!?」

「ヒッヒッヒ、そうだ。それを勘定に入れずに保身に走る…公安勤めの悪い癖だぜぇ?」

「クソっ…職場の嫌味は関係ないだろ!ほらチェックだ!」



がら空きだったキングのもとにナイトを前進させ王手をかける。

しかしガズベルグは臆することなく次の手を進め、バーナードのキングに王手をかける。

ナイトの遥か前方で王手をかけていたルークを一気に後退させ、ナイトを打ち取る。



「ほら…こっちもチェックだ。どうだ?もう勝ったも同然だろう?」



起死回生の一手を潰され怒り心頭のバーナード。グラスを倒しそうな勢いでカウンターを叩き怒鳴り散らかす。



「………てっっっめぇ!!よくもハメやがったなァ!?」

「ハッハ、気付かねぇ方が悪いのさ!詐欺師の口車に乗ったらダメに決まってんだろぉ?」

「バカバカしい時間だなァ!何が"おめぇの弱点はここだ"だ!結局勝てねぇじゃねーかよ!」

「だぁから"そういうとこ"だぜ?おめぇさん…」

「…あぁ?まだなんかあんのかよ」



"そういうとこ"を強調して発言するガズベルグにバーナードの怒りが一瞬冷める。

合わせるようにガズベルグは自分がミスをした想定でバーナードと自分の手駒を交互に動かし、バーナードが再度『チェック』をかけるまで盤面を進ませた。

その様子を見たバーナードは驚き、目を丸くする。



「…ウソだろ?」

「これはオレが"意識を防衛に回してしまった"ことを想定した盤面だ。さっきの展開から"ここ"まで持っていくことが出来る。さっきおめぇがやったのはオレの行動を"一手"増やしたことだけだが、あの一手でオレの思考を"防衛"に回させる事が出来るとしたら…?」

「…つまり、勝てる確率が上がるってことか」

「ご明察…だが残念なことに、この意味を理解しねぇままおめぇさんは怒りに任せて"無意味"だと喚き散らした。今までそこに価値を見出してなかったってことだ」

「…違い無ぇな。たかがゲームだと侮っていたよ」

「ゲームってのはメンタルスポーツだ…相手の意識を、精神を掌握したヤツのほうが勝つ。相手の意識を誘導するってのは盤面操作の基本、それを覚えておけば今と同じように、オレの意識を"喰う"ことだって出来るってワケだ……そして、それを行う為に必要なことは…」



そう言いつつガズベルグは自身とバーナードの駒を初期状態へと整列させる。



「…さて、ここで問題だ。今この盤面で最も重要な駒はどれだ…」

「最も重要…?」

「そうだ。自分、相手を含めて何に最も価値があるか、だ。時間をかけてもいいぜぇ?」

「………」



バーナードは考える。

キングを取られたら負けのゲームである。だからキングが最重要

しかし攻撃面で言えばクイーンが最強である。彼女をどう動かすかで戦況は変わる

ルーク、ビショップ…最重要ではないものの、攻めも守りも彼らを起点に動かす

変則的な伏兵という意味ではナイトも欠かせない

そして最前列に並ぶポーンは個々では弱くとも盤面を構築するキーマンだ

勝利条件は相手のキングを倒すことだ。ならば相手のキングが最も価値があると言っても過言ではない

しかしこの問題の出題者は相当なひねくれ者だ、そう簡単な答えじゃない

ならば自分の駒ではなく、相手のキングでもない…



「…ポーンだ、相手のポーン」

「ほぉう、どうしてそう思った…?」

「必ず一手目はどちらもポーンを動かす。そこから相手がどう動くのか、どう展開していくのかを逆算できる!それにオレは対応する、どうだ…っ?」



自信満々に答えたバーナードを薄ら笑みを浮かべてじっと見るガズベルグ。

次第に彼の方が小刻みに震えていき、喉の奥から微かに空気を取り込む音が聞こえてきた。



「ヒッ…ヒッ…ヒッ…プクッ、クヒャーーハハハハハハハハ!!」



腹を抱え、足をばたつかせ、左手を腹に当て、右手でバーナードを指差しながらゲラゲラと笑う。

バーナードは必死に絞り出した回答を馬鹿にされ、屈辱的な表情を浮かべる。



「………」

「ヒャッハハハハハハハ!…ハー…ハー…いやぁ~残念だが不正解だぜクヒヒッ…!」

「…もういいからよ、答えはなんだよ」

「ヒッヒッ、正解はなぁ」



そう言ってガズベルグは、盤面に並んだ駒を全てなぎ倒す。



「…この中にはいねぇんだ」

「なっ…!?おいどういうことだよ!この"盤面の中で"つったじゃねぇかよっ!!」

「おいおい~、"この盤面"がこのちっちぇえチェッカーボートの中だとはオレは一言も言ってないぜぇ~?」

「…っ!てめ

「ま~ぁだ分かんねぇのかい?ここで言う最も重要な駒ってぇのはなぁ、おめぇさんが相手してるこの"オレ"…延いてはこの軍を誰にも手の出せない所から動かす"軍師"だ」

「卑怯だろそんな答え!」

「卑怯でも何でもないさ。さっきも言っただろう、ゲームってのはメンタルスポーツ…自分対相手の、軍師対軍師の勝負だ…盤外戦術ってのはなぁ、盤の外側を"盤"と意識して初めて成り立つものなんだぜぇ…?」



さらにガズベルグは続ける。



「まず対戦中にオレが一番意識すんのは相手の表情だ…何に対して難色を示しているのか、何に対して平然としているのか、そういった機微を捉えていきゃぁ、相手の得手不得手、思考レベル、そう言ったもんが読み取れるのさ…何なら、最初はこちらから仕掛けなくていい。少し泳がせてその傾向を見るだけで、どういった手が弱点なのか、それが分かる。あとはそれを突いてゲームを進めるだけ…おめぇさんはマジで顔に出やすくて助かったぜぇ…?」

「チッ、素人には出来ねぇようなアドバイス寄越しやがって…」

「おいおい馬鹿言っちゃいけねぇよ、盤外戦術ほど"素人向け"な作戦は無ぇ。なにせ"ゲームのルールが適応されない"んだからなぁ」



そう言ってガズベルグは、水の入った手元のグラスをドンと突き出す。



「例えば、だ…ここの一杯の水にクスリをぶち込んで相手に提供したとしよう。コイツを飲んだ相手はたちどころに睡魔に襲われ昏倒…どうだ?頭を使わず相手の最重要の駒を落とし、あとは好きなように盤面を弄って勝利だ!」

「っ…悪趣味だ!オレがそんなこと出来る訳ねぇだろが!」

「なら他にも、おめぇさんにお誂え向きな方法もあるぜぇ?例えばぁ!」



ガズベルグはおもむろに立ち上がり、バーナードの腰に巻かれていたガンホルダーに手をかける。



「…『悪徳詐欺師に金銭をむしり取られている』、そう言って罪をおっ被せてその銃で相手を撃ち抜く…とかなぁ?」

「…正気で言ってんのかアンタ」

「正気も正気よぉ、それをすればおめぇさんはこのゲームに簡単に勝てるんだぜ?」

「たかがゲームで勝つために人を撃つようなマネする訳ねぇだろ!保安官だぞオレは!」

「ヒッヒッ、まあそこはおめぇさんの自由だ。オレもやられたらたまったもんじゃねぇ」



引き気味に抵抗を示すバーナードを尻目に残りの酒をグビグビとかっ食らうガズベルグ。一飲みした狼はプハァと一息つきながら口を拭い、そして自分の席へと着席する。



「…だがよぉ、一つ忘れんじゃねぇぞ。おめぇさんは好き好んでやらねぇかもしれねぇが、世の中にゃぁそれを躊躇いなくやってくる奴もいる。出し抜かれる時ってのはだいたい、自分の常識っちゅう"盤面外"から手を出された時だ」

「…ご忠告、感謝するよ。変な流れ弾に当たらんよう、せめて相手の顔色だけは伺っておくとするぜ」

「ヒッヒ、お互い敵は多いモン同士だ…そこらへんで野垂れ死にされたら困るのさ」

「オマエが困ることなんて、精々都合のいい財布がいなくなる程度だろ」

「うまい酒を飲み交わす相手がいなくなるなんて、結構寂しいことじゃぁねぇか」



そう言って二人は残りの酒を飲み干しそそくさと退散準備に取り掛かる。会話の最中、今にも眉間を打ち抜きそうなマスターの圧を感じたからだ。知らぬ間に掃除が終わっていない個所は二人が座っている一角だけとなっていた。流石に長く留まりすぎたようだ。



「…マスター、じゃあそろそオレらは



バタンッ

ガズベルグが退散の挨拶を済ませようとした瞬間、店の扉が勢いよく開く。

現れたのはダストボックスの子供の一人、スクエルだった。ただならぬ空気を感じたバーナードはネクタイを締め直し、酔い切った顔を瞬時に強張らせる。



「…なんだガキンチョ、今日はもう店じまいらしいぜ」

「はぁ…はぁ…アルねーちゃんは?ここにはいないのか…?」

「残念だがオレ達は知らねぇ。非常事態のようだが、なにがあった?」

「はぁ…ネロねーちゃんが攫われた。知らない男の人に連れられて…っ!」

「…ったく、今日二回目かよ…!おい少年、ネロが連れ去られた場所は分かるか!」

「トラッシュラインに連れてくって聞こえた。そろそろ最終便が出るころだよっ!」

「オーケー分かった、直ちに向かう!マスター、お代はここに置いとくぞ」



ポケットから乱雑に代金を取り出しカウンターに叩きつけ、仕事の態勢に入る。よれていた髪をかき上げ、ガンホルダーのベルトを強く締める。

一方、ガズベルグは薄ら笑みを浮かべてその光景を眺める。



「ヒッヒ、いいじゃねぇかよガキの一人くらい…」

「良くねぇよ、オレは腐っても保安官だ。どんな奴でも市民を、治安を守るのが仕事だろうが」

「じゃ、この件は保安官様に一任しよう、どっちにしろオレは役不足だろ?」

「好きにしてな。…それに、これが"例の件"に絡むことなら想定外の事態だ」

「早速出し抜かれちまったなぁ」

「ったく、とんだ盤外戦術だぜ…じゃあ一仕事行ってくる!」

「せいぜい野垂れ死ぬなよ…ヒヒッ」



ジャケットを羽織り、革靴の具合を正したバーナードはそのまま店を飛び出していった。

扉がギコギコと前後に振れる音の中、狼、梟、そしてリスの少年が残される。



「…あなたも悪い人ですね」

「あん?」

「"袖"ですよ。先程の試合、ポーンを動かしながら、袖でビショップを一マスずらしていました」

「なぁんだよ、さっきのイカサマを見てて黙ってたのかい?アンタも意地が悪いねぇ」

「水を差すのは野暮だと思ったんですよ。それにさっきの"盤外戦術"の話、人の顔色を見てるなんて真っ赤な嘘です」

「おいおいマスター人聞きの悪い…顔色はちゃぁんと見てるんだぜ」

「貴方は戦術なんて読んでいません。ただバーナードさんが"イカサマに気付かないか"を見ていたんです…違いませんよね?」

「ハッハ、流石マスター目が鋭いねぇ」

「お客様の小さな機微も見逃さないのが店長の務めですから」

「物は言いようだな、昔の癖が抜けきってねぇだけじゃねぇか」

「ホッホ…さて、お代は頂いておきますね」

「遅くまですまなかったなぁマスター…さて、丁度いいところに来たなガキンチョ」



モリソンがカウンターに置かれた代金を手に取るのと同時に、ガズベルグも立ち上がる。遠目でその様子を見ていただけのスクエルに目を合わせる。



「例のブツは用意できたのかい?」

「うん、言うとおりにした」

「利口だ…今度おじさんがスパゲティをおごってやろう」






―――――





ガタゴトと揺れる車内、並んで座る二匹の黒猫が見える位置…彼らから二座席後方反対側に犬は陣取っていた。

彼の目的は二匹の黒猫、一匹は捕縛し、一匹は保護すること。

しかし周囲は乗客も多く、事を荒立てれば何が起きるかも分からない。最悪の場合、二匹のうちの一匹に危害が及ぶ恐れがある。

男は慎重に二人を見張り続けていた。どこかで必ずアクションを起こせるタイミングが巡ってくる。最悪の場合、下車するタイミングで捕縛できるであろう。

先程まで酒に浸り飲み仲間に文句をぶつけていた男だが、彼は腐っても保安官である。

町の安全、一般市民の安全は守る…その信念が確実に、連行犯へと王手をかけていた。




ヴィィー、ヴィィー




ポケットの中でバイブレーションが鳴る。今は仕事の最中だ。張り込んだ以上、片時も目を放してはいけない筈だった。しかしその情に駆られた彼は一度目を放す。煩わしい振動を止めるため、ポケットの中に手をやり、その振動を止める―――たったそれだけの"間"だっだ。



「…おい、アンタが噂の"強盗団"か?」



聞き馴染んだ声が犬の耳に入る。周囲がざわついている。直ぐに顔を上げるとそこには黒猫達の姿は見えない。

―――代わりに彼らを遮るように立つ、蒼銀髪の狐と、小柄な兎が目に入る。



「(はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?)」



思わず顔が驚愕に引き攣る。心の中で叫ぶ。

出し抜かれる時は大抵、自分の常識の"外"から手を出された時なのだ。


お久しぶりです、みょみょっくすです

気が向いたので久しぶりに、5か月ぶりくらいに最新話を更新致しました。

今回はバーナードが列車に乗り込んだ経緯の話となりますので、ぶっちゃけお話に進展はあんまりない状況となります。

しかし今回でついに列車に乗り込んだアルジャーノン組、ネロ組、バーナードがまとまった状況となりますし、ガズベルグは何やらまた企んでいるようですね。次回投稿でまた一波乱起きそうな予感です。


余談ですが、ガズベルグが喋る回はやたら筆の乗りが良い気がします。自分にはああいったセリフ回しのキャラが性に合ってるみたいです。


次回投稿もまだ目途は付いていませんが、引き続き気長に待ってて頂けると幸いです。こちらもマイペースに進めて参ります。では今回はこの辺で。

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