銀狐のアルジャーノン ~第一部 キャラクター紹介~
今回は作者の個人的な所感も踏まえたうえで第一部に登場した各キャラクターの紹介をしていこうと思います。
本編中では語られなかったあんなことやこんなこともたらたらと綴っていきます故、お楽しみいただければと思います。
ではどうぞ。
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アルジャーノン・ヴィンプロッソ(Algernon・Vinprosso)
年齢:22
性別:メス
身長:156㎝
体重:45㎏
元となった動物:狐
職業:傭兵
趣味:武器蒐集
好きな食べ物:カップラーメン
嫌いな食べ物:牛乳、酒、脂っこい肉
座右の銘:『今が真実過去は嘘』
作者の勝手な脳内CV.早見沙織
ポリシーガバガバ系無気力きつね
本作の主人公にして超主観的口悪女。
レンドロスに傭兵として育てられたものの、任務に関係ない殺人を犯したことでレンドロスにビビられ逃げられた可哀想な人。自分も命の危機だったんだからしょうがないだろ。
過去の記憶を殆ど失った状態で拾われたが、後に自分の名前が銀礼だったことを思い出す。しかし同時に散々な人生だったことも思い出した。今の無愛想でひねくれた性格はその影響もあるのだろうが、それと同時に児童限定で謎の面倒見の良さも兼ね備える。これは「自分みたいになってほしくない」という潜在意識によるものだろうか。
作中なにやら不可解な言動を見せていたが、これは自身の「傭兵」としてのポリシーが「獣」としての本能に引っ張られ揺らいでいる為であり、物語開始時点から既にその前兆があったから。
最終的に過去を思い出した上で「獣」の自分と決別したため、今後は「獣」の意思に引っ張られることはなくなるでしょう…なくなる予定です。
「自分の部屋にある物体を自由に手元に転送できる」という特異な能力を持ち、それを活かした奇襲、不意討ちを得意とする。能力の特性上、扱える物が多ければ多いほど戦略の幅が広がる為、各種武器への理解が必要になる。これもあり、彼女は半ば武器マニアに変貌した。
また、転送は一方通行な為様々な武器を部屋の中に保管する必要があり、調達費を抑える為にも彼女はスラムのゴミ集積所に赴いては、使い捨ての武器を漁って持ち帰っている。その様子から『武器愛好者』なる異名を付けられている。
さらにその影響と、元々掃除嫌いな性質が相俟って完全に汚部屋の住民と化している。
生まれは善狐の名門稲月家、母は密葉だが、母より産まれる遥か昔、現実世界では北欧の神狼フェンリルと交わった牝狐との間に産まれた「神獣と狐のハーフ」であり、それ故産まれながらに強い神性を宿していた。彼女が死後、狐霊界に渡ることは産まれる前より決定付けられていたようだ。
ちなみに神狼フェンリルはガズベルグの父でもあるため、彼とは異母兄妹の間柄であると言えなくもない。勿論、本人は否定している。
ミラルカ・キャロライン(Millarca・Caroline)
年齢:9
性別:メス
身長:136㎝(耳含む)
体重:32㎏
元となった動物:兎
職業:殺人鬼→傭兵
趣味:わからない
好きな食べ物:死んださかなを焼いたやつ
嫌いな食べ物:白いおだんご
座右の銘:『みんな切るまで帰れない』
作者の勝手な脳内CV.悠木碧
突然飛んでくるキラーラビット
殺人履歴10件以上を誇るグレイヴヤードの切り裂きジャック。現在は『契約書』の制約とバーナードとの交渉により眠ってる間に勝手にアルジャーノンの弟子、相棒となった。
凶悪犯であることに違いはないが、どうやら無差別殺人ではなく本人なりに何か目星を付けていた模様。またこれだけ多くの殺人を犯しながら「獣」になっていないため、何か使命や目的を持っているようだ。
拘留所から脱走後、裏町にてガズベルグの誘いを受けてアルジャーノンを狙うよう唆される。その際、1枚目の『契約書』を書かされたが、彼女は学が無いためその文面が分からなかった。
アルジャーノンとの激闘の中で彼女の内に眠る「獣」の衝動を見抜いていたこともあり、狂っているようで意外とカンは鋭いようである。
「傷を付けた場所の周囲に瞬間移動できる」という能力を持ち、アルジャーノン戦での神出鬼没の攻撃はこれによるもの。ただし「移動できるのは自身が一番最後に傷を付けた場所」という条件があるため、意外と汎用性には欠ける能力である。
この能力とウサギ特有の脚力を活かした突撃を主の戦闘スタイルとしており、一撃で確実に相手を屠る奇襲、一撃離脱戦法を得意とする。しかしその全てが「殺す」為に磨かれたものであり、「戦い」の技術はそこまででもない。初撃の初見殺しさえ凌げばなんとかなったりする。武器は大振りの包丁であり、よく手入れされてるのか切っ先は非常に鋭くなっている。
レンドロス・アルケーダ(Rendorus・Arkherd)
年齢:35
性別:オス
身長:186㎝
体重:87㎏
元となった動物:獅子
職業:傭兵
趣味:木彫り細工
好きな食べ物:肉料理全般、鍋
嫌いな食べ物:バジル系の香草
座右の銘:『マッチ一本火事のもと』
作者の勝手な脳内CV.津田健次郎
平和を夢見るこじらせ35歳
アルジャーノンの師匠にあたる大剣使いのベテラン傭兵。豪快かつ懐の広い好漢であり、人柄から傭兵以外でも彼の名を知る人は多い。
かつて育てていた弟子が「獣」に変貌していく様を間近で見届けてしまったが故それがトラウマとなっており、銀礼を預かる際にかつての弟子の名前「アルジャーノン」を彼女の呼び名としてあたえ、贖罪の念を込めて彼女を育てた。しかしお互いの思考の食い違いからアルジャーノンは「無意味な殺人」を犯してしまい、そこに一番弟子の記憶がフラッシュバック、自分から彼女を遠ざけそれを見ないように一人旅に出た。わりと無責任。
彼が言う「世界平和」とは「大きな諍いが起こらない世界」であり、それになりうる小さな火種を潰すのを傭兵家業の使命としている。争いが大きくなれば、それだけ「獣」の衝動が伝播する無意味な争いが増えるため、それを阻止するのが理想である。
…が、理想が先行しすぎてやや発想が独善的、夢想的な部分があり、見た目や言動からは想像できないくらいロマンチスト。そして何より、争いを止めるために自ら争わなければならないのが皮肉である。もしかしかたら自己犠牲的な部分に酔ってる節さえある。痛い大人。
「触れた物に炎を纏わせる」という能力を持ち、大剣に炎を纏わせて戦う姿から『烈波の赤獅子』の異名を取る。実際能力としてはそこまで特殊なものではないが、そのフィジカルと長年の経験による基礎能力の高さで全て補っている。武器としている大剣は彼の長年の相棒であるらしく、炎に包まれ続けた故に炭化が進み黒ずんでいる。所々刃こぼれや亀裂も見受けられるが手入れはしているらしくまだまだ現役。炭化のせいでよく見えないが、剣の腹の部分には不思議な象形文字が刻んであり、また亀裂の内側は石のような鉱物であることが察せられる。
趣味は木彫りの人形作り。大雑把そうに見えて意外と手先が器用。
ガズベルグ・ソリード(Gazbelg・Solido)
年齢:36
性別:オス
身長:167㎝
体重:59㎏
元となった動物:狼
職業:詐欺師、交渉人
趣味:頭の悪そうなガキに嘘を吹き込む
好きな食べ物:焼き魚、餃子、麦茶
嫌いな食べ物:野菜全般、グラタン
座右の銘:『騙された方が悪い』
作者の勝手な脳内CV.藤原啓治
スラム街のマッチポンプマスター
グレイヴヤード裏町の代表を名乗るクソ胡散臭い詐欺師。その全ての言動が胡散臭く、かつ人の感性を逆撫でする効果がある。
本編において最も何やってたか分からない人。なので順を追って解説すると
・ミラルカを唆しアルジャーノンにけしかける
・ネロを使ってバーナードの金をスリ取る
→バーナードがアルジャーノンにしか依頼できないよう仕向ける
・自分は何も知らないフリしてアルジャーノンを誘導する
・万が一の為にバッドカンパニーにアルジャーノンとミラルカの情報を横流しする
と、とにかくミラルカとアルジャーノンを鉢合わせる土台作りを裏で行っていた。
その真意は「アルジャーノンの『中身』を確認し、自分と同じ血統か否かを確認する」ことだった。最終的にスリ取った依頼金をそのまま手柄にしたり、バッドカンパニーからの情報料を得ようとしていたことも推察できる。またこの行動から、別段アルジャーノンやミラルカが「獣」になっても、果てはバッドカンパニーに処分されても構わなかったことが伺える。
最終的にアルジャーノンの自力での「獣」化阻止、モリソンの乱入やミラルカの処遇など予想外な事も起きたが、自分の目的は達成できたので満足なようだ。しかし「依頼金を全額返せ」の言葉通りバーナードからスリ取った金は「口封じ代」としてバーナードに渡されることになった。なんというマッチポンプ。
レンドロスとは古くからの友人で口では散々な事を言いつつも自身と違う側面を認めたりなど、お互いに信頼はしている模様。実は一番始めに銀礼を発見したのは彼であり、その際に「表舞台を見せてやってくれ」とレンドロスに預けたのが、彼がアルジャーノンを育てるようになったきっかけである。しかし当人はそれを知らず、また裏町の方が居心地が良いらしいので本末転倒。ただ、先の出来事から「自分に食われるドブネズミよりは健全」と評価を改めている。
「契約書に書かれた内容を遵守させる」という強力な能力を持ち、これを用いることで対象の行動を自分の意のままに制限でき、一度発行した契約書が破損しない限り永続的に効果が続く。しかし能力発動には相手との合意(指印)が必要になり、また一枚の契約書で付与できる制約は三ヶ条までとなる。また、相手の行動が「意識的なもの」のみに該当されるため本能で動く「獣」には通じない。
契約書を彼が持ち続ける限りは永遠に掌の上で転がされてるも同然だが、これが抑止力となることで裏町の治安は保たれていると言ってもいい。
レンドロスの「獣」化阻止の理念とは対称的に、「獣はどこまで行っても獣」という理念を持っている。無駄に知恵を持った人間の方がより獣らしいとも語っており、それは悪名高き父や祖父を見て育ったからなのかもしれない。
父はかの有名な神狼フェンリル。神話上ではスコールとハティの二人の息子が登場しているが、実際はもう少し存在していたらしく、神話上で「語る上で必要なし」と切り捨てられた部分らしい。神話世界で大戦を起こした父や祖父を誇りに思っており、その生き様を真似て生きている節がある。
ピナコ・チチリッチ(Pinaco・Titrich)
年齢:18
性別:メス
身長:162㎝
体重:42㎏
元となった動物:鳥(種類は不明)
職業:店員
趣味:絵画、絵画観賞
好きな食べ物:モリソンさんが作るまかないご飯
嫌いな食べ物:マシュマロ、おかゆ
座右の銘:『配膳は焦らず素早く丁寧に!』
作者の勝手な脳内CV.小見川千明
脚力強めのみんなの天使
仲介酒場オール・ド・オウルで働くウェイトレスの少女。
本編中の出番が殆ど無かったため印象の薄い可哀想な娘1号。彼女の出番は第二部に持ち越された。
明るい性格で、住み込みで働いている為いつでも会えるオール・ド・オウルの看板娘。小汚いオッサン共が集う酒場の華であるものの、セクハラする奴には客だろうが容赦しない超絶バランスから放たれるキックをお見舞いする為酒場の治安は保たれている。
彼女のお話はこれから語られる為、今回はこれくらいに済ませておこう。
モリソン・オーロンブス(Morrison・Oarlumbus)
年齢:62
性別:オス
身長:164㎝
体重:56㎏
元となった動物:梟
職業:酒場店主
趣味:変わった形の食器集め
好きな食べ物:朝のコーヒー、夜の紅茶、ビーフカレー
嫌いな食べ物:チーズ
座右の銘:『人の笑顔が店の灯』
作者の勝手な脳内CV.田中秀幸
酒場マスター兼夜型徘徊ボケ老人
仲介酒場オール・ド・オウルのマスター。作中アルジャーノンには徘徊老人だの認知症だのと散々な言われようだが、別にそんなことはなく至って健康である。強いて言えば腰痛持ち。
彼の酒場のお陰で傭兵及び依頼人達はかなり助かっているようで、事実この街に傭兵文化を根付かせる一因となっている。店の営業時間はマスターの気分次第であり、丸24時間フル開店の時もあれば早朝の2~3時間で閉店することもあるとか。
酒場とは言っているものの喫茶店やバーといった趣もあり、その取り扱っている飲食レパートリーは多種多様。来る客が客な為それぞれに会わせてメニューを作るなどしていたらそうなってしまったそうな。
メニューが多いからと言っても長年磨かれたその腕前は確かなもので、大体なに作らせてもそこそこ美味いことに定評がある。食材と時間に余裕があれば多少の無茶振りにも応えてくれる。
しかし嫌味か何かは分からないが、相手の嫌いなものを「分かっているのに」出す事がある。勿論反感なんか買いたくない為出す人は選ぶ。彼なりのちょっとしたお茶目?なのかもしれない。
そんな彼の最も嫌いな事は「巣を荒らされる」事であり、自分の店の中での傷害、暴力行為は禁忌にあたる。それを「分かっていて」行う人にはわりと容赦がなく、得意の2丁拳銃を手に執拗に追い回すこともあるとか。夜道には気を付けよう。
ミラルカやハーティンの場合、彼女らが初入店だったこともあり手加減を加えている。また、狙撃しようとするハーティンを阻止したのは旅立つ前のレンドロスに「アルジャーノンを見守っててくれ」と頼まれていたからであり、その約束を果たすためである。一方ミラルカは店で騒ぎを起こしたことから、今後ウェイトレスとして暫く働かされる運命にある。ハーティンは逃げた。
経歴は不明だが、2丁拳銃の扱いに長けており、また夜目が効くことから暗所にて恐ろしい命中制度を誇る。しかしその実力を知るのは限られたごく少数のみである。
バーナード・グッドマン(Barnard・Goodman)
年齢:28
性別:オス
身長:172㎝
体重:62㎏
元となった動物:犬(犬種は不明)
職業:保安官
趣味:ガーデニング
好きな食べ物:ビール、パエリヤ、担々麺
嫌いな食べ物:チョコレート、カニミソ
座右の銘:『正義の為なら手段は選ばず』
作者の勝手な脳内CV.高木渉
困ったことにコイツが犬のおまわりさん
グレイヴヤードのアルジャーノン達がいる地区を取り締まる保安官。これまたアルジャーノンから駄犬やら忠犬やら不躾やらと散々な言われようだが、致し方なし。
良質かつ的確な依頼と、妥当な報酬を持ってきてくれることに定評がある有能依頼人。彼のお陰で傭兵諸君はそこそこいい飯が食えている。
保安官という町の治安を守る役職に就いてはいるものの、この町のカースト的に保安官は底辺に位置する上、上層部もなかなかな腐敗具合な為彼自身も辟易しており、保安官に頼ることなく治安を維持するにはどうしたものかと考えた末、取り締められる側の傭兵を逆手に取ることに決めた。心根は本気で治安維持を考えているものの、「傭兵を使ってやってる」という上からな考えを持っているためあまり誉められたものではない。また、お金には簡単に靡く。クズである。
純傭兵とは別の世界の住人であり、傭兵としての矜恃は持ち合わせないのでそういったものには疎く、犯罪を犯罪と割り切って捉えている。それも相俟ってか、傭兵同士の会話にはついていけないことがしばしばある。
「触れた物を任意のタイミングで破裂させる」という意外と強い能力を持っているが、本人はそれをあまり使おうとはしない。
趣味はガーデニング。似合わない趣味であるがこれは女ウケを狙ったため。ラベンダーが好み。
また、アルジャーノンに対して少なからず好意を寄せているが、これが実ることは今後永遠に無いと思われる。
ネロ・クロノワール(Nero・Kuronoir)
年齢:16
性別:メス
身長:142㎝
体重:44㎏
元となった動物:猫
職業:なし(スリ常習犯)
趣味:貯金
好きな食べ物:飴玉、チョコレート、クリームシチュー
嫌いな食べ物:お酒、鶏肉、カビの生えた食パン
座右の銘:『幸は待たずに奪い取れ』
作者の勝手な脳内CV.加隈亜衣
神出鬼没のスリ馬鹿少女
裏町を中心に活動するスリの少女。本編で活動する機会が殆んど無かったため印象の薄い可哀想な娘2号。
開幕でバーナードの金を盗み取り、彼がアルジャーノン以外に依頼を頼めないようにした帳本人だが、それを立案したのはガズベルグである。スリの技術と手癖の悪さは一流であるが、単純にバカであり機転が効くほうではない。ガズベルグとつるんでいるのも「美味い密をすする」為であり、それをいいことにガズベルグからもこき使われている。
元々はスラムのゴミ集積所を寝床にする子供達の一人であったが、能力の覚醒と金の重要性に気付き、その手癖の悪さを極めていった。他の子供達からは「おねーちゃん」として慕われている。ちなみに他の子供達同様学は無いため文字の読み書きは苦手。
「目を閉じている間だけ身体を透過させる」という一風変わった能力を持ち、これを使って人混みに紛れスリを働く。しかし本人も回りが見えず、また透過しているものの実体はあるため普通に接触できる。これを有効に使うには他の人のサポートが必要不可欠である。
彼女の出番も二部で本格的になるため、今回はこんなところで。
ハーティン・ブリッツ(Heartin・Blitz)
年齢:27
性別:オス
身長:174㎝
体重:62㎏
元となった動物:鷹
職業:傭兵
趣味:ご当地缶バッジ蒐集、ナンパ
好きな食べ物:ステーキ、バーベキュー、ハンバーガー
嫌いな食べ物:うどん、蕎麦、お汁粉
座右の銘:『気ままに生き、気ままに死ぬ』
作者の勝手な脳内CV.中村悠一
コーヒー飲まずに消えた狙撃主
アルジャーノン達がいる地域とは別のところから来た「流れの傭兵」。
この街に来たのは偶然であり、その際にバッドカンパニーの舎弟と接触、アルジャーノンとミラルカの情報を仕入れた上で活動を始めた。彼にとっては二人とも赤の他人の為、わりと冷静に射殺しようとしていた。しかしモリソンの邪魔が入り、黙って静観することに。
軽薄な言動の裏でいろいろ考えるしたたかなタイプであり、損得を動機として動く。ある意味この作品の中で一番傭兵らしい傭兵だが、他がおかしいだけである。
その一部始終を見たあとはモリソンによるお説教が待っている筈であったが、適当な事を言って誤魔化したようだ。 まだ依頼は継続中であり、いずれアルジャーノン達の前に現れることが示唆される。
アルジャーノンの事は当所ターゲットとしか認識していなかったが、自ら「獣」化を阻止したことから見方を変え、ミラルカ共々「今後に期待」としており、暫くの間は静観するようである。また顔がタイプらしく、改めて口説くタイミングを窺っている。
長距離狙撃を得意とし、スナイパーライフルを得物としているようだが、それ以外の能力や素性は不明である。
稲月密葉
年齢:不明(肉体年齢20代後半~30代前半)
性別:メス
身長:154㎝
体重:45㎏
元となった動物:狐
職業:主婦
趣味:裁縫
好きな食べ物:白米、お味噌汁
嫌いな食べ物:肉料理、甘味
座右の銘:『知らぬが仏』
作者の勝手な脳内CV.桑島法子
開幕育児放棄宣言
子供が産まれる前から育児ノイローゼに苛まれる不遇の母。アルジャーノンもとい銀礼の母親である。
善狐の名門に産まれ順当に善狐になった、どこにでもいるごく普通の善狐。ただ一つ他の人と違うのは・・・なんと産まれてくる子供が神獣とのハーフだったこと!という、わりと理不尽な偶然により人生を狂わされた可哀想な人。不意の交通事故よりも運が無いとしか言いようがない。
しかし子育ては子育てとしてしっかり行っていたようで、肝の座ったその性格で他の狐から虐められる銀礼を守り、彼女の唯一の拠り所として彼女を導いていた。最終的にはしっかり母としての自覚を持ち、彼女への愛も少なからず抱いていたようであるが…現実は非情である。
実は彼女、本当は鳥居の前で銀礼の帰りを待っていたようである。しかし戻ってきた愛娘は巨大な獣となって襲いかかり…結局、アルジャーノンに母の愛は伝わらなかったようである。
九天
年齢:不明(肉体年齢10代後半~20代後半)
性別:メス
身長:176㎝
体重:不明
元となった動物:狐
職業:稲荷神
趣味:傍観
好きな食べ物:とうに忘れた。
嫌いな食べ物:それを聞いてどうする?
座右の銘:『時の流れは無情なり』
作者の勝手な脳内CV.大原さやか
神様ってのはロクなやついないよな
「きゅうてん」でも「ここてん」でもなく「くてん」と読む。狐霊界のトップ、稲荷神として他の狐霊達の見本となり、目指すべき場所である。
あらゆる時間を同時に認識できる力を持ち、それらを使ってバラバラになっている時間を順列通りに列べるのが仕事である。故に稲月親子がこうなることも全部分かっていた。さらに銀礼を唆して稲月家を壊滅に追い込み、歴史から抹消することに成功した。
稲月家を滅ぼした理由は「気に入らなかったから」。以前から特段力も才能もない善狐を傍らに置くのに腹を立てていたが、次に産まれる子供が忌子と聞いてそれを稲月家壊滅のトリガーにすることを決意した。銀礼については一目見た時から彼女の成り立ちを認識しており、穏やかに語りかけていたが内心は極度の怒りで満ちていたようだ。
優秀な善狐、純粋な善狐を好む彼女にとって、忌子、しかも狼の神獣との混ざりものなど以ての外であり、その価値は汚物と同じであった。彼女が変化する切っ掛けとなった「母のいない偽の鳥居」を見せ、彼女に憎悪を抱かせ暴走させた。
なお、アルジャーノンの脳内に響く「殺せ、銀礼」とは彼女の言葉である。獣となり稲月家を襲った銀礼に連れ合い、背後からこの言霊を囁いていた。グレイヴヤードに堕とされた後でもその言霊は健在であったが、「獣」との決別によりその囁きは聞こえなくなったそうだ。
――――――次回、用語解説集を予定。




