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岩坂悠馬とその妹

異世界召喚の小説をメインに投稿してますが、平行してこちらの作品も投稿していこうと思います。よければ両方見ていってください!

カチカチッ カタカタカタカタ


「うーーんぐぅぅぅ!終わったあぁぁぁ。もうこんな時間か〜。よし、寝るか」


俺の名前は 岩坂いわさか悠馬ゆうま

中学3年の5月に小説を書くことを始めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「おはよう」


「あら今日は早いのね悠馬」


「いいじゃないか。遅寝遅起きの自堕落な生活より早寝早起きの生活の方が身体にいいからな」


父さん、残念だけど俺は早寝早起きでも遅寝遅起きでもなく遅寝早起きという両方の生活を取り入れているのだよ。


「そういえば悠馬、学校はいつからだ?」


「来週からだよ」


「そうか、父さん達はお前の高校生の姿を見ることが出来ないのか」


「残念そうね、お父さん」


「結局、転勤は免れなかったのか?」


「残念ながらね〜。お父さんが出世したにしても海外転勤なんてね」


「ああ。もう少し早く決まっていれば高校も海外のところに行けたのにな」


「父さん、今はテレビ通話もあるんだからさ、そこまで落ち込まなくてもいいと思うよ」


このように、母親が息子を溺愛する。や父親が娘を溺愛する。のパターンはよくあるが、この家庭は父さんが俺のことを溺愛しているのだ。



「ごちそうさま〜」


「あ、そういえば悠馬、上の階のにね、悠馬と同じ学校に行く子が来たらしいわよ」


「へぇ〜。(クソどうでもいい) 」


「あ、もう私行かなきゃいけないじゃん!」


「あ、俺も早く行かないと遅刻する!」


「「いってきまーす」」


「おう、いってらっしゃい」


はぁ。疲れた。というか眠い。



「おーい、小福、起きろ〜」


「あと、10分〜」


「さっきもそういってたよな?」


「じゃあ20分だけ〜」


「いいから起きろ!」


妹の布団を無理やり引き剥がす。


「きゃーー!痴漢よー!」


「変なこと叫ぶな!住人に聞かれたらどうするんだ」


「じゃあ、シスコン?」


「どうでもいいから起きろよ。」



こいつは岩坂いわさか小福こふく

俺の1つ下の実の妹。

成績優秀、運動は平均レベルのまあ、普通の優等生だ。



表向きには。


かなりの引きこもり症で、休日や祝日、夏休みも冬休みも春休みもほとんど外に出ないという超インドア派なのだ。

そして、かなりのゲーマーなことを俺は知っている。

何故なら俺の買ってきた最新ゲームのハードモードを次の日にはクリアしてあったことがあるからだ。



「今日の分の小説を投稿っと、よーし、書くか」


カタカタカタカタカタカタ カチッカチッ カタカタカタカタカタカタ


「カタカタカタカタ カチカチッ カタカタカタカタカタカタ カチカチッ」


「うるせえ!」


「え〜〜 兄ぃのキーボードとマウスの音を真似してるだけじゃーん」


「それがうるさいの!」


「もっと私みたいに、静か〜に、優雅〜に ゲームをすることは出来ないの?」


「お前の場合はコントローラーの音が聞こえないくらいの大音量なだけだろうが」


「というか、兄ぃ、最近夜な夜なパソコンを変な目で見てるけど、どうしたの?」


「教えなーい」


「ケチ! だから兄ぃは悠馬なんだよ!」


「悠馬は俺の名前で、悪口じゃないぞ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「じゃあ、私たち行ってくるよ」


「おう、いってらっしゃい。気をつけてな」


「じゃあ、着いたらテレビ電話するからな、絶対に出てくれよ」


「はいはい。分かったって」


「じゃあいってくるよ〜」


「気をつけてな〜」




「兄ぃ、パパとママってどこにいったの?」


「え!? もしかして、話とか聞いてなかったりする?」


「あーうん、何も聞かされてないよ」


「いや、お前が聞き流してるだけだろ!」


「いいからさ、どこにいったの?」


「父さんの海外転勤だ」


「え?」


「父さんの海外転勤だ」


「聞こえてるよ」


「父さんの海外転勤だ」


「ということは?」


「明日から両親が居ませぬ」


「やっっったーーーー!!ゲームやり放題!」


「言っておくが、学校サボったりしたらじいちゃんとばあちゃんが来るってよ」


「っっぐ。流石に手が回って居たか」


じいちゃんとばあちゃん こと俺らの祖父母だ。

祖父母のことを小福も俺もちょっと嫌っている。

だから、小福のサボり防止にはちょうど良いのだろう。


「小福はいつから学校だ?」


「明後日からだよ。兄ぃは?」


「俺は3日後からだ」


「ずる〜い。私も3日後からが良い!」


「ワガママ言うなよ〜。それともなんだ?祖父祖母召喚の代償を払って3日後にするか?」


「ぅぅそれは嫌だ」



実を言うと俺も高校に行きたくないのである。

何故なら、小説を書く時間がなくなると言うのもあるが、ライトノベルはこの田舎ではあまり受け入れられていないからだ。

俺は中学3年の5月に小説を始めて書いて、小説投稿サイトに投稿した。それから月日は流れ、ようやく軌道に乗り始めたのに、それを知った奴らはこう言うのだ。[自作ライトノベルって痛くね?]と。

最近は、自作ラノベが出版社の目にとまり、書籍化されるケースも少なくないのだが、それを批判する人は多いようだ。



「ねぇ兄ぃ」


「ん?どうした?」


「小説書いてるでしょ?」


「ッッ!? 書いて無いけどっ!」


「本当に〜?私、兄ぃの考えてること結構分かるんだよぉ」


「いや、本当に」


「そうなのか〜。ところでさ、兄ぃ、高校の部活何入るの?」


「さぁ、何があるかまだ知らないからさ、決まってないかな」


「そうなの?てっきり、『アニメ同好会』とか開いて」


「ッッ!?」


「部員の女の子とコミケに」


「ッッッッ!?」


「コスプレしながら参加するのかと思ったのになぁ」


「へ、へぇ・・・・」


「やっぱりこの小説、兄ぃが書いたでしょ?」


「・・・そうだよ」


「ん?何って?」


「そうだよ!俺が作者の山石 悠だよ!なんか文句あるか?」


「ぜ〜んぜん♪ 」


「てか、なんでわかったんだ?」


「まあまあの人気小説だから、たまに読んでたけど、主人公の喋り方が兄ぃになんとなく似てたからカマをかけただけだよ♪」


嬉しそうなのがちょっと腹立つな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「じゃあ行ってくるよ〜 小福、ちゃんと学校行けよ、んで、戸締りもちゃんとして学校に行けよ」


「分かってる分かってる。いってらっしゃ〜い」



今日から俺の高校生活が始まるんだ。

そう思いながら俺は家の外へ一歩踏み出した。

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