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ヘテロフォニー  作者: 千成いなせ
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どちら様ですか?

早朝、職員室を訪ねると水門先生が一人佇んでいた。

どうやら他の先生は今はいないようだ。


「失礼します、あれ、先生一人だけですか?」

「この時間は他の先生方はそれぞれ仕事してるからな。それにその方がお前も都合がいいだろう」

「それで用件はなんでしょうか?」

「ああ、二ヵ月の留学とはいえ教科書が無いと不便だと思ったんでな」

「貸して頂けるんですか?」

「流石に、私も授業で使うから貸せないが準備室に予備のがあるからそれを使うといい」

「そうですね。有難く使わさせてもらいます」

「準備室の場所は分かるか?」

「昨日、緋浜さんに案内してもらったので大丈夫です」

「鍵は朝礼の終わりにでも渡してくれればいい」


そう言って鍵を渡された。


 

 

水門先生に鍵を借り準備室に向かう。

昨日案内されたので迷わずに辿り着く事が出来た。

授業で使う教科書の一覧は予めメモしていたので探していく。

きっちんと科目や学年ごとに整頓されているので思ったよりも楽に探す事が出来た。

一通り教材が揃った所で準備室を出ようとした時、扉が開く音がした。

準備室の中に入って来たのは、ゆるふわ髪の女の子だった。


「どちら様ですか?」

ゆるふわ少女は不思議そうにこちらを見ている。


「わ、私は汐音りのんです。ここには教科書の予備を取にきたんです。」

「もしかして噂の転入生の方ですか?」

「そうですけど噂とは?」

「何でも美人さんが転校してきたとか、一度見てみたいと思ってましたの」

どうやらたった一日で噂が広まってしまったようだ。恐るべし女子校。

「ああ、そうでした。まだこちらの自己紹介がまだでしたね。私は渡井(わたらい)來実(くるみ)と申します」

「それで渡井さんはどうしてここに?」

「実は教科書を忘れてきてしまったのでこちらに予備を取りにきたんです」


渡井さんは恥ずかしそうに答えた。


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