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魔神が行く異世界大蹂躙  作者: 夜桜
六章 対決SSSランカー、アキレス皇国大魔闘祭編
64/82

報酬

皆さん明けましておめでとうございます!

新年一発目の投稿です!今年も「魔神が行く異世界大蹂躙」をよろしくお願いします!

「着いたぞ。ここが宝物庫だ。皇王様から好きな物を選ばせろと言われているから、遠慮何かしないで選びな」


薄暗い廊下をガレスに着いて行く事十数分。一つの頑強そうな扉の前でガレスはそう言って歩みを止めた。


「ここか?どうみても独房とかにしか見え無いんだが……」


和人の言葉は最もであった。何故ならその扉の装飾は悪魔を象った絵が左右に彫られており、見るだけで嫌悪感を覚える眼球が上部に一つ、中部に二つ描かれてた。


「ああ、まあな。でもこの装飾にも意味があるんだよ。……お前達はこれを見てどんな風に感じた?」


「私は態々近寄りたいとは思わないな」


「僕もこれはちょっと……」


「私は見るのも嫌ですわね」


「うーんとねー……凄く気持ち悪い!」


「嫌悪感……」


ガレスの言葉にヴェル達は迷い無く答える。


「俺も大体はこいつらと同じだな……ああ、なるほどな」


和人は何かに気付いたかのように頷いた。それを見たガレスも、そう言う事だと頷き扉を開けようと動く。


「マスターよ、つまりどういう事なのだ?」


その隙にヴェルが和人に扉の装飾について問い掛ける。その後ろではカレン達も教えてくれと目で訴えて来る。


「お前等はあの扉を見て気持ち悪いとか近寄りたくないとか思ったろ?それが理由だよ」


「「「「「??」」」」」


言葉の意味が分からず首を傾げるヴェル達。それは鳥の雛みたいでとても可愛らしかった。

和人は一瞬その姿に見惚れたが、直ぐに気を取り直して続きを語る。


「つまりな、宝物庫の扉をああする事で侵入者が出た時に近寄らせないようにしているんだよ。

お前等が感じた事は他の奴等にも当て嵌まる。侵入者からしてもあんな気味の悪い扉になんて近付きたくないだろ?」


そこまで言われたところで漸く理解したようで、ヴェル達はなるほどと一斉に頷く。


「ま、そう言うこった。ほら開いたぞ。こっちに来な」


ガレスの声にそちらに目をやると、先程までのおぞましい扉が丁度開くところだった。


「ここがこの城の宝物庫だ。入っても良いぞ」


そこには金銀財宝が所狭しと置いてあり、ヴェル達は初めて見るこの光景に目を奪われ、日本にいた頃からこの手の知識があった和人でさえ自分の目で見る本物の宝物庫に内心心躍らせていた。


「これは……凄いな……」


「ここにはざっと閃貨数百枚分くらいの宝がある。このアナザリアでもここ程の宝が有る国は少ないだろうな」


思わずと呟いた和人の言葉を耳聡く捉えたガレスがどうだとばかりの表情で説明を始めた。


「取り敢えずマジックアイテムの類はあそこの方に纏めてある」


ガレスのドヤ顔にちょっとイラっと来たが、殴りたいと言う衝動を抑えて説明に耳を傾ける。


「確かにマジックアイテムが纏まっているな……取り敢えず見てみるか」


そう言って和人はマジックアイテムが纏められている場所に近付いて行き、その後ろをヴェル達が着いて行く。


マジックアイテムが纏められている場所に辿り着いた和人は、早速手近にあるマジックアイテム達を手に取り神眼を持って鑑定をしていく。


ーーーーーーーーーー

名:大海の魔槍


級:古代級


製作者:大海の守護者アクエリム


説:かつてアクエリムが使っていた槍。何らかの理由でアクエリムが死んだ際、人間の手に渡った。

魔力を込める事で膨大な水を発生させる事が出来る。発生させる水は込める魔力量で調整可能。

ーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーー

名:流星の盾


級:古代級


製作者:鍛治神アルケミスト


説:鍛治を司る神アルケミストが製作した盾。魔力を込める事で小規模の隕石を発生させる事が出来る。発生させる隕石の数、大きさは込める魔力量で調整可能。

ーーーーーーーーーー


「中々いい物もあるようだな」


和人は感嘆の声を出しながら手に取った大海の魔槍と流星の盾を戻し、次々と新たなマジックアイテムを手に取り鑑定していく。

鑑定し続けていると、やがと一つのマジックアイテムで手が止まる。


「これは……」


ーーーーーーーーーー

名:鳳凰の双翼


級:神級

(ユニークアイテム)


製作者:無し


説:神獣鳳凰の真の力を解放するアイテム。これだけではただの鑑賞道具だが、神獣鳳凰が使う事で活用出来る。

ーーーーーーーーーー


神獣の真の力を解放するアイテムを理解した事により鑑定でもそれらの事を読めるようになった和人は、たった今鑑定したアイテムに驚愕の視線を送っていた。


「スミレ、ちょっと来い……」


和人の表情に訝しげにしていたスミレ達だが、大人しく和人の言葉に従って近寄って来た。


「なんでしょうか?」


「これを見てみろ」


やって来たスミレに鳳凰の双翼を渡す。するとスミレも渡された物の正体に気付いたらしく驚愕の表情となる。


「これは……⁉︎」


「気付いたようだな。それがお前の鍵だ」


和人はそう言ってガレスの方を向く。


「ガレス!俺はこれを貰いたいが、可能か?」


「別に構わんぞ。皇王様は報酬には色を付けてやれと言われていたし、それに加えて何か一つ持って行け」


そう言って豪快に笑うガレスに苦笑しながらも、それならばと新たなマジックアイテムを探すために視線をマジックアイテムの山に向ける。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜


「なんだこれは……」


再びマジックアイテムを鑑定しているととあるアイテムが和人の興味を引き付けた。


ーーーーーーーーーー

名:神喰らいの神剣(休眠状態)


級:測定不能


製作者:不明


説:選ばれた者以外の者が触れると急激に魔力を吸い取られる。神が触れると魔力に加えて神力までも吸い取られる。


所有者:無し

ーーーーーーーーーー


和人はこの武器から視線を外せなかった。それはこの剣から発せられる謎の威圧感故であった。

和人は何かに操られるかのように徐にそれを抜刀する。

その直後……


「なっ⁉︎」


「くっ⁉︎」


「うっ⁉︎」


「うわぁ⁉︎」


「⁉︎」


「なんだこりゃ⁉︎」


上からヴェル、カレン、スミレ、ローズ、ミセバ、ガレスである。

彼女達がこのような反応をしてしまったのは当然だろう。

和人が抜刀した直後、和人を中心として膨大な魔力が迸り、それは物理的圧力を伴い、巨大な魔力風となって宝物庫内を吹き渡った。


「ガレス……これは何処で見付けた物だ?」


「そ、それは皇王様の三代前の皇王様が何処かで見付けて来た剣だ。かつての皇王様はその剣に魔力を吸われ瀕死の重症に陥った事があったらしい……」


和人はただ普通に発しただけであったが、その声に何とも言い難い謎の圧力が含まれていた。


「……そうか。俺はこれを貰って行くぞ。構わないだろ?」


「あ、ああ……だが大丈夫なのか?それはさっきも言った通り魔力を吸われるが……」


実際の所、ガレスは神喰らいの剣についてそこまで知ってるわけでは無い。それこそさっき言った「魔力を吸われる」と言う事しか知らないのだ。だがそんなガレスでも分かる程今の和人は異常に見えた。だがそれを言葉にしろと言われると口篭る。それこそ異常に見えたとしか言いようが無いのだから。


「それについては特に問題は無いな。ならこれを頂いて行くぞ」


そう言って和人は宝物庫の出口に向かって歩き出した。それをヴェル達は慌てて追い掛ける。


「待て。お前達は1週間後に行われる魔闘祭には出ないのか?」


「魔闘祭?何だそれは」


ガレスの言葉に歩みを止めて振り返る和人。その姿にはもうさっきまでの異様な気配は無くなっており、ガレス無意識にホッと息を吐いた。


「魔闘祭ってのはアキレス皇国主催の武闘大会の事だ。試合には特殊な結界が張られてその中で受けたダメージは結界の外に出れば無効化されるんだ。致死のダメージを受けると自動的に結界の外に出されるからうっかり相手を殺してしまっても大丈夫なんだ」


これまたテンプレな……と思った和人だったがその事は声に出さずガレスの言葉に耳を傾ける。


「まあ詳しくは大会の会場で説明してくれるからカットするが、今回はSSSランク冒険者全員が参加するらしいぞ。お前達も出てみてはどうだ?

一応優勝者と準優勝者には賞金が出るが」


「ほぅ……面白そうじゃないか。出てみるかヴェル、カレン、スミレ、ローズ、ミセバ」


「「「「「出る!」」」」」


ガレスの説明を聞いた和人は、ヴェル達に楽しそうに声を掛ける。その言葉を聞いて、さっきまでの和人の気配に少し思う所があったヴェル達は何時もの和人の気配と言葉に嬉しそうに返事をする。


「了解した。お前達が予選に出たら本戦出場者が激減しちまうから、俺から皇王様に言ってシード枠を用意して貰っとく」


「ああ、よろしく頼む。なら俺達はもう戻るな」


そう言って今度こそ宝物庫を出て行く和人達の背を見送ったガレスは、今度の魔闘祭は楽しそうになりそうだと内心心踊らせ、アギエルに和人達のシード枠を作って貰えるように頼みに行った。

この事を聞いたアギエルは、


「面白そうだ!作ってやろう!」


の二つ返事で許可をした。

次回はSSSランカー全員集合です。和人は出ません。


武器の級の説明

・ノーマル………普通の武器屋等で売ってる物。新人冒険者でも買える程度の値段。性能は微妙。


・ハイノーマル………普通の武器屋等で売ってる物。冒険者としてそこそこの実績があれば買える程度の値段。性能はノーマルより多少マシ。


・グレート…………普通の武器屋等で売ってる物。中堅冒険者なら買える程度の値段。性能はそこそこ良い。


・ハイグレート…………普通の武器屋等で売ってる物。中堅冒険者としてかなりの実績があれば買える程度の値段。性能は良い。


・レア…………普通の武器屋等で売ってる物で最も高い物。上級冒険者になって漸く買える程度の値段。性能はかなり良い。


・ハイレア…………ダンジョンの上層で入手出来る物。ダンジョンに潜れる実力があれば入手出来る。性能は物によってはマジックアアイテムと呼ばれる程。


・ユニーク…………ダンジョンの中層で入手出来る物。ダンジョンの中層に潜れて、かつ運が良ければ入手出来る。性能は下位の物でもマジックアイテムと呼ばれる程。


・古代級…………ダンジョンの深層で入手出来る物。ダンジョンを攻略出来る程度の実力があれば入手出来る。また、知能が高い最上位の魔物が作る事もある。性能は素人が適当に振り回しても岩や地面を簡単に割れる程。


・神級…………ダンジョンのボスが守る部屋からたまに入手出来る物。ダンジョンボスを倒せる実力があれば入手出来る物。また、神が作って地上に落とす事がある。性能は選ばれた者しか扱う事が出来無い物とあるが、扱えれば一国を落とす事も可能。


・測定不能…………何処で入手出来るかは不明。どうやれば入手出来るかは不明。ただし今の所和人以外は触る事も出来無い。性能は世界を相手にしても圧勝出来る程。


武器の級の説明はこのようになっています。和人が入手した「神喰らいの神剣」の説明は次の和人視点の時に

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