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魔神が行く異世界大蹂躙  作者: 夜桜
六章 対決SSSランカー、アキレス皇国大魔闘祭編
62/82

アキレス皇王

皆さんメリークリスマス!

何とかクリスマスに間に合いました!

「ブレイアルの街での依頼達成報酬を受け取りに来た」


リリアナとの会話の後、カレン達はSSランクに、ヴェル至ってはEXランクの冒険者となり、新たなカードを受け取った後、ブレイアルの街を後にしてここアキレス皇国にやって来ていた。


「はい、確認します」


そして受付嬢に破滅の森の調査依頼を達成した際に受け取った書類を渡す。


「……失礼ながら、「瞬速の絶対者」様ですか……?」


最早定番の表示を浮かべた受付嬢は、恐る恐る和人にそう問いかける。


「ああ、そう呼ばれている」


幸いな事にこの受付嬢は大声を出さなかったのでギルド内にいた冒険者達にその事で騒ぐ事は無かったが、その言葉を聞いた受付嬢は再び驚愕した表情になった。しかしそこは流石プロ。直ぐに表情を元に戻し、カウンターの下から一枚の紙を出した。


「こちらが皇王様との面会許可の書類です。既ににギルドマスターと皇王様のサインは頂いているので、後はこちらを持ってお城に出向いて頂ければ皇王様との面会が可能です」


「確かに受け取った。皇王との面会は今日でも可能か?」


「はい、皇王様は冒険者をとても好いております。その冒険者のカリスマとも言うべきEXランクの冒険者である貴方様が会いたいと申されれば、直ぐにでも会って下さると思いますよ」


和人は受付嬢の言葉に満足そうに頷き、直ぐにでも城に向かおうとギルドの扉へ向かう。


「うむ?もう行くのかマスター?」


「僕達の方は何時でもいいですよ」


「和人様をお待たせするわけにいきませんからね」


「アタシも早くこの街見たーい☆」


「何時でも良いです……」


そう言うヴェル達は片手にそれぞれ冒険者と思われる男性の手を捻っていた。


「イテテテテッ!悪かった!悪かったから!」


「ギブギブ!俺達が悪かったって!」


「ちょっ!それはそっちに曲がんねーよ!」


「離してくれ!本当何でもするからっ!」


「痛い痛い痛い!あ、何かだんだん気持ち良くなって来た……」


「さっきから妙に騒がしいと思ったら……一応聞く……何があった?」


和人はヴェル達に手を捻られている男達をチラリと横目で見て、一人はもう手遅れだなと思いながら尋ねる。


「いえ、和人様を待っていたらこの人達が僕達に絡んで来たので撃退しました」


「まったく……許可無く私に触れて良いのはマスターだけじゃと言うのに……」


代表してカレンとヴェルが口を開くが、その目は汚物を見るような目であり、それはスミレやミセバも同様であった。その為ローズだけが玩具で遊ぶみたいに目をキラキラさせていたのが逆に印象的であった。


「……まあいい。そんなのは捨てとけ。ローズもそんな物ポイしなさい」


「了解じゃ」


「分かりました」


「分かりましたわ」


「了解……」


「えー?このボキボキッて音が面白いのにー」


和人の指示に大人しく従うヴェル達。ローズだけは僅かに不満そうなものの、和人が飴をあげたら喜んで投げ捨てた。その際の男の表情が恍惚としていたのは見なかった事にしよう。

和人はヴェル達に手を捻られていた男達に回復魔法を掛けてやり、折れた骨とかを治してやった。

男達は自分を癒す魔法に心地良さそうにしていたが、ローズに投げ捨てられた男だけは何故か不満そうな表情をしていた。


「これはお前達の自業自得だ。これからは幾ら魅力的な女がいても警戒するんだな。綺麗な物には棘がある。この言葉を覚えとけ」


「面目ねぇ……」


「すまない、助かった」


「嬢ちゃん達も本当にすまなかったな……」


「すまん、本当に反省してる……それと兄ちゃん。傷を癒してくれてありがとよ」


「足りない!もっと俺を痛め付けてくれ!」


ヴェル達に撃退された男達は口々に和人に礼を言い、ヴェル達に謝罪をする。だが一人反省してない奴がいたので和人が蹴っ飛ばしてそいつの意識を刈り取ってやった。その際、やはりその男は恍惚としていたが……



ギルドを後にした和人達はアキレス皇国の城にやって来た。


「EXランク冒険者のカズト マガミだ。破滅の森の調査の報酬を受け取りに来た」


そう言って城の前に立っていた二人の兵士の内の一人にギルドで受け取った書類を手渡す。


「確かに確認した。今、人を呼んで来るので暫し待たれよ」


そう言って兵士はもう一人の兵士に少しの間頼むと言って奥の方へ引っ込んで行った。



待つ事数分、先程奥へと引っ込んだ兵士と共に、見るからに実力のありそうな40代位の男がやって来た。


「お前が瞬速の絶対者か?」


男はそう言って和人の眼を見据える。


「まあな」


それに和人はなんとも無いかのように答える。

実はこの時、男は和人の眼を見据えると同時にかなりの威圧を飛ばしていた。その威圧感はSSランク冒険者に勝るとも劣らない程であったが、それをなんとも無いかのように受け流す和人を見て、男も和人が本物のEXランク冒険者であると悟った。


「そうか……俺はこの国の騎士団長をしているガレス・シュナイダーだ。よろしくな」


そう言ってガレスと名乗った男は迸る威圧感を消して和人に手を差し出して来る。


「こっちも改めて名乗ろう。EXランク冒険者カズト マガミだ。カズトと呼んでくれ。

そこの兵士にも伝えた通り依頼の報酬の受け取りに来た」


和人はその手を握り返してそう応じる。


「ああ皇王様から聞いている。俺からも礼を言わせてくれ。デスピナスを倒してくれてありがとう。本当に感謝している」


ガレスは確かに強い。だがそれでも精々SSランク冒険者程度だ。災害級上位の魔物にはどう足掻いても勝てないだろう。

自分の守るべき国が脅威に立たされているのに何も出来なかった自分へ相当の苛立ちを覚えた筈だ。


「俺はただ依頼を受けただけだ。別に感謝される事じゃないさ」


「ふっ、そうか。早速だが皇王様との面会を取り付けよう。こっちに来てくれ」


そう言ってガレスは先程来た道を戻って行った。和人達もそれに続く。


「ん?そっちの可愛いお嬢さん達はお前の連れだったのか?」


それに気付いたガレスは振り向きつつそう問いかけ。


「ん?ああ伝えて無かったな。こいつらは俺の仲間だ」


「どうも、SSランク冒険者のカレンです」


「同じくスミレと申します」


「あのね、アタシもSSランクぼーけんしゃでローズって言うの!」


「ミセバ……」


和人の視線を受けて自己紹介をするカレン達。そしてカレン達の自己紹介に次いでヴェルの自己紹介でガレスは凍り付いた。


「私はヴェルフェン。一応EXランク冒険者となっておる」


「EXランク冒険者だと⁉︎それはカズトだけじゃなかったのか⁉︎」


堰を切ったように捲し立てるガレスを、頭を鷲掴みにする事で強制的に黙らせる。


「うるさい落ち付け。ヴェルがEXランクなのは事実だ。この間ブレイアルのギルドマスターであるリリアナから認定された。……ヴェル、カードを見せてやれ」


ヴェルは和人の指示に従ってカードを取り出す。


「本当だ……まさかヴェルフェンと言ったか?あんたもカズトと同等の実力を持ってるのか?」


ガレスのその質問はある意味当然だろう。SSSランクでは収まら無い完全なる人外の存在が二人もいたのだ。その疑問が出無いわけが無い。


「私がマスターと同等?まさか、そんなわけあるまい」


だがヴェルはそれを鼻で笑い飛ばす。


「マスターがその気になれば私などマスターの足元にも及ばん。寧ろマスターと争えるだけの実力者がいるなら見てたいのぅ」


ヴェルの言葉を聞いて和人の方を向くガレス。その表情は何とも言えない物であった。

当の和人はと言うと、ヴェルの言葉に眉間を抑え、余計な事をと言った視線を向けていた。


「ヴェル……俺を評価してくれてるのはありがたいが、もうちょっと言い方を考えてくれ。見ろ、ガレスの表情が面白い事になっちまってる。EXランクは俺とお前しかいないんだぞ?そのお前が俺の足元に及ばないとか、俺って何者だよってなっちまう」


「むぅ……マスターの素晴らしさを分かって貰おうと思ったのに……」


和人の言葉に少し拗ねたような口調でそう言うヴェル。

だがその表情はとても可愛いらしく、見慣れてる筈の和人さえも一瞬見惚れてしまう。


「とにかく、こいつらは俺の仲間だ。それで何も問題無いだろ?」


それを誤魔化すかのように和人はガレスにそう聞く。


「あ、ああ……ったく、俺もSSランク程度の実力はあると自負しているが、こうも俺以上の実力者が大量にいると、何か自信が無くなってくらぁ……」


ガレスは何故か遠い目になってそう呟く。


「そんな事より早く連れてってくれよ。時間ってのは貴重だぜ?」


そんなガレスをざっくりと斬り捨てて先を促す和人。そんな和人の様子に軽く肩を竦めてやれやれと言った表情でガレスは歩みを進める。


「ここで暫く待っていてくれ。今から皇王様の所へ行ってお前達の事を伝えてくる」


「了解だ。ヴェル、カレン、スミレ、ローズ、ミセバ、適当なところに座ってていいぞ」


ガレスは、和人達を応接室のような場所に連れて来た後、そう言って部屋を後にする。それを確認した和人は、ヴェル達に適当に座るように指示をする。


「……適当な所と言ったんだがな……」


だが皆は和人の周りに集まり、それぞれ和人の後ろや隣、膝に座る。


「ここが良いのじゃマスター」


「和人様の横が僕達の居場所ですからね!」


「あらあら、カレンだけズルいですよ?私も同伴させて頂きます」


「アタシここー♪和人様の膝ってすっごい落ち着くんだー♪」


「ここ……」


「まったく……」


口では渋っている和人だが、それでも皆を跳ね除け無いのは、カレンにキスされた後にヴェルにカレン達全員の思いを教えられたからだろう。

ヴェルから一夫多妻制の許可を得ていると言え、今まで一夫一妻制の日本で生まれ育った和人からしたら、それは簡単には許容出来る事ではない。その為カレン達全員を抱くと言う事はしないが、このようなスキンシップを取ることは許可している。

この時、レティの事も話に出てはいたのだが、基本的に和人の手に着いているブレスレットから出る事はあまり無いので、主なスキンシップはこのようにヴェルやカレン達だけである。本人曰く、「ブレスレット形態の時は和人様の体の一部となっているので、感覚は共有出来る」との事だ。


「待たせたな……って何をしているんだお前達は?」


待つこと数十分、ガレスが戻って来た。その際美女、美少女達にべったりとされている和人を見て思わずと言った感じで顔が引き攣る。


「ああ……何時もの事だ気にするな……それより皇王との面会は可能なのか?」


「何時もの事って時点でかなりおかしいと思うが……俺も嫁が居なかったらお前の事ぶん殴ってやってたよ……」


そう言って溜め息を吐くガレスに和人は罰の悪そうな顔をする。


「はぁ……何か気が抜けちまったぜ……取り敢えずこっちに来てくれ。皇王様がお会いになってくれるそうだ」


そう言ってガレスは和人達に着いてこいとばかりの仕草をする。それに従い和人達もガレスの後を着いて、城内の無駄に豪華な廊下を進んで行く。


「ここが皇王様のいらっしゃる謁見の間だ。皇王様はかなりアバウトな方だが紛れもなくこの国を治めてるお方だ。くれぐれも粗相の無いようにな」


暫く歩くと、一つの巨大な扉に辿り着き、そこでガレスにそう伝えられる。


「すまん、自信無い」


和人はそれに悪びれる様子もなくそう告げる。それを聞いたガレスは一瞬目を丸くさせるも、お前はそう言う奴だったなとばかりの表情になって、まあ出来るだけで良いからなと告げた。


「失礼します!皇王様、EXランク冒険者のカズト マガミとその仲間をお連れしました!」


ガレスは巨大な扉を力強くノックしながらそう言うと、その言葉に答えるかのように巨大な扉がゆっくりと開いていく。

それを確認したガレスは部屋の中に入って行き、和人達もそれに続く。


「よく来たな。お主が史上初のEXランク冒険者のカズト マガミか?」


中に入ると、左右には立派な鎧を付けた人間達がズラリと並んでおり、奥にはこの国の重鎮だと思われる老人達がいた。その真ん中で一際立派な椅子に座り、立派な衣服を纏った40〜50代の初老の男性が和人達に向かってそう口を開く。


「俺はこの国の王、アギエル・フォン・アキレスだ。良くぞ来てくれた、歓迎しよう」


アキレス皇国皇王、アギエル・フォン・アキレスはそう言って和人達を迎える。

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