ギルドでの出来事
何かグダグダになっちゃった感じがします。もしこの感じの正体を見つけた方がいらっしゃったらご指摘お願いします。
「さて、取り敢えずは事情を説明して貰おうか?お前名前なんて言うんだ?」
そう問いかけて来るおっさん改めギルドマスターのシヴァ。
「カズト・マガミ…ランクは登録仕立てでGだ。俺が魔物素材を売ろうとしたらあの……なんだっけ?忘れたから馬鹿四人組でいいや。馬鹿四人組に絡まれたからぶっ飛ばした。反省も後悔もしていない。修理費はあいつらが原因だからあいつら持ちで。以上」
「はあ〜……もういい……調書も取れたし、お前に非が無いのは目撃者全員が証明している。今回の事は完全に鬼の牙の自業自得として罰金を請求しよう。全く……普通はGランクじゃAランク一人にすら手も足も出ないんだぞ?」
なんか疲れたという表情をするシヴァ。失礼な奴だ。てかあの程度でAランクとか大丈夫かこの国……?
「なら帰る。早く依頼受けたいんでな」
「まあ待て。お前何かの素材を売りに来たんだろ?見せてみろ。俺が直接鑑定してやるから」
ああそういえばそうだった。あの馬鹿四人組のせいでスッカリ忘れてた…….
「ああ忘れてたな……デカイからどっか広い場所無いか?」
「ほう!そいつは楽しみだ!」
デカイという所で子供の様に眼を輝かせる50代張りのおっさんとか誰得だよ…まあギルドとしても巨大な魔物は収入面で助かるだろうし、この反応も頷ける……のか?
「ならこっちに来い。ギルドの修練場を解放しよう」
席を立ち俺の先を歩き出すシヴァに付いて歩いて行くこと1分程。そこは縦横100m程の正方形の広場みたいな場所だった。
「へぇ…立派なもんだ」
「だろ?このギルドの修練場は他のギルドに比べて倍近い設計になってんだよ」
誰とも無しに発した俺の呟きにシヴァは耳聡く聞き取り自慢してくる。やはり自分のギルドを褒めらるのは嬉しいのだろう。
「さてそんなことより早く魔物素材を見せてくれよ。さっきから楽しみにしてんだ」
「ああそうだったな。ホラよ」
俺は徐に空間魔法で作り上げた空間からグレアデスの死体を取り出す。
ズシーンと巨大な物が落ちる音を立てながらグレアデスの巨体が修練場に現れた。
「な⁉︎グレアデスだと⁉︎」
案の定シヴァは驚愕を顔を歪め、俺を睨み付けんとばかりに見てくる。
「お、おい!何でお前がグレアデスの死体を持ってるんだ⁉︎しかも完全に無傷での討伐だと⁉︎」
「落ち着けよシヴァのおっさん。まだあるから」
そう言って俺は再び別空間より取り出す。首から上の無いヴェルズの死体を。
ズッシーン‼︎先程とは比べ物にならない程の音を立て、ヴェルズの首無し死体が修練場に落ちる。
「エ…エンシェントドラゴンだと…?」
信じられないという顔をしたシヴァを尻目にヴェルズの頭も別空間から取り出しヴェルズの首無し死体の胴体の上に頭を置く。
「こいつら買い取って」
事もなげに言う俺に、シヴァは信じられない物を見るような視線を浴びせる。
「ギ、ギルドマスター!さっきからの音は一体……ってグレアデス⁉︎古代竜まで⁉︎これは一体何ですか⁉︎」
シヴァが壊れていると、先程の受付嬢が現れ、シヴァと同じようなる。
「はあ……二人とも戻って来い……俺が売りたい素材がこいつらだ」
そういうと受付嬢より先に壊れていたシヴァが戻って来て、俺に掴みかかって来た。
「お、おま、おま!こいつらSSランク魔物とSSSランク魔物だぞ⁉︎一体どうやって倒したんだ⁉︎」
「どうって言われてもな……グレアデスは俺の能力で。ヴェルズは……ああヴェルズは古代竜の事な。こいつは見ての通り首を切り落として殺した」
「こ、これだけの素材を全部売ると、閃貨が必要になりますよ⁉︎古代竜は首と胴の断面から見てそこ以外は無傷ですし、グレアデスに至っては完全に無傷ですよ⁉︎」
俺が説明していると後から来て壊れた受付嬢も復帰して説明してくた。
因みにこの世界での金は、
銅貨→100円
大銅貨→1000円
銀貨→10000円
大銀貨→100000円
金貨→1000000円
白金貨→10000000円
閃貨→100000000円
となる。このように銅貨〜金貨の範囲以外は次の硬貨になるまでは10倍刻みになっている。つまり銅貨は百円、大銅貨は千円、銀貨は一万円、大銀貨は十万円、金貨は百万円、白金貨は一千万円、閃貨は一億円となる。
「ああ……このレベルの素材でこの状態は閃貨2枚に白金貨5枚といったところか……おいリルカ!ギルドの金庫から掻き集めてでも持って来い!足りなかったら他の街のギルドに連絡取ってでも金を用意しろ!こいつぁ市場が荒れるぜ!この事は他言無用だぞ!カズトお前はもう一度俺と来い!」
「は、はい!」
受付嬢の娘はリルカと言うのか…新発見だな。で俺は今またシヴァに引き摺られてさっきの部屋まで連れてかれた。ここは応接室らしい。
「ったく驚いたぜまったくよ。あのレベルの素材があの状態なのを見たのはギルマスになって以来初だぜ……ホント何者なんだお前?」
シヴァは楽しそうな表情をしながらそう問いかけて来る。どうやら悪い気は無いようだ。俺は少し安堵した。
「別に……俺は俺さ。それ以上でもそれ以下でも無い」
「ガハハハハッ!こいつぁ一本取られた!確かにお前はお前だわな!」
シヴァは本当に楽しそうに笑う。その笑顔は50代みたいな見た目とは裏腹に子供が無邪気に笑うようだった。
「失礼しますギルドマスター。一応全額用意出来ましたが、そのおかげでギルドの金庫はスッカラカンです」
シヴァが一通り笑い終え、落ち着いてる途中にリルカが入って来て、金額が用意出来た事を伝えてくれた。
「おおなんとか足りたか。安心しろあの素材を市場に出せば元は取れる」
「 だといいんですが……カズト様、こちらがお金となります。今後ともよろしくお願いします」
「ああ。まあいつになるかは分からんがな」
リルカから金袋を受け取り、俺は部屋を出てこうとしたが、シヴァに呼び止められた。
「ちょっと待てカズト。ああリルカは下がっていいぞ。仕事に戻ってくれ」
「なんだよ?まだ何かあんのか?」
リルカが隣で一礼してから退出して行ったのを確認したシヴァは、徐に今回この場に呼んだ理由を語った。
「カズト単刀直入に言うぞ。お前のギルドランクを特例ランクアップにてSSSに上げる。この世界の6人目のSSSランカーとしてな」
「・・・は?何言ってんだお前?」
思わず聞き返してしまう。
「だからSSSランクに昇格させるといったんだ。いいか?今から説明するから良く聞け」
シヴァは真面目な顔でそう言葉を紡ぐ。それに俺も真剣差を感じ取り、再び席に着いて続きを促す。
「お前がやったのはこの世界で出来る者が居なかった偉業だ。あの「覇王」でも古代竜のソロ討伐は不可能だ。そもそも古代竜はSSSランカーがパーティを組み漸く倒せるって存在だ。それをお前はソロで、しかもあんな綺麗な状態で倒した。これがどういう事か分かるか?」
「俺はSSSランカーの枠じゃ収まらない存在。そんな俺の存在は戦争等が起こった時真っ先に狙われる。だから俺には地位が必要。敵に狙われ難くする為に。……そんな所か?」
俺は自分の思った内容をシヴァに伝える。
俺の言葉を聞いたシヴァは鷹揚に頷き、続きを説明し出す。
「その通りだ。理解が早くて助かる。だから俺は新たなランクを冒険者ギルドに導入する為にこれから王都に行く。だからそれまではランクSSSで我慢しといてくれ」
「成る程な……了解した。その案を受け入れよう。俺をSSSにしてくれ」
シヴァが本当に俺の事を心配しくれてるのは十分に伝わった。こいつは今日会ったばかりの俺の為に王都まで行ってくれると言っているのだ。
王都までの道程はそんな長く無いが、楽でも無い。
「だがいいのか?王都までの道程はそんな長くは無いが、楽でも無いだろ?」
「ガハハハハッ!心配してくれるのか?だがそれには及ばない。これでも俺は元SSランク冒険者だ!ここから王都までの道程くらい余裕で往復出来らぁ!」
豪快な笑いをするシヴァを見て、俺も自然の頬が緩む。こいつの性格は自然と安心出来る。願わくばこいつを殺さないといけない状況が来無い事を願おう……
こうして俺とシヴァとの談話は終わり、俺は改たなギルドカードを受け取り応接室を後にする。
シヴァはいいやつ。カズトの言う人を殺す状況とは?