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魔神が行く異世界大蹂躙  作者: 夜桜
一章 魔神降臨編
5/82

テンプレはここに

自分的にはちょっと長いかなって感じます。

「ここがウォーレンか……」


俺は今ウォーレンの街の出入り口である大門の前に来ている。

当初は距離的に歩くのは厳しいなとおもったが、一々自重して過ごすのはめんどうだと判断し、自重無しの全力で走り小一時間程かけて街まで来た。自重する気は無いが自分から無意味に目立つのは避けたいので自分に認識阻害魔法を掛けてここまで来た。勿論思想魔法でだ。なので誰かに気付かれる事も無かった。そして順番待ちの人々に紛れ混むのに成功した。


「止まれ。身分証明書を見せろ」


そうこうしている内に俺の順番が来てゴツいおっさん兵士に身分証明書の提出を求められた。だが俺はこの世界の人間じゃない。身分証明書など持ってる訳が無い。


「悪いが身分証明書を紛失してしまった。これから冒険者ギルドに行って新しい物を発行して貰うつもりだったんだ」


「ならばこっちに来てくれ。仮証明を発行してやる。言っとくがこれには銀貨一枚かかるぞ?構わないか?」


「ああ問題無い。ほら銀貨一枚だ。仮証明を発行してくれ」


「ふむ確かに受け取った。ではこれが仮証明だ。1日分だから明日には意味が無くなる。なので冒険者登録したらさっさと破棄して貰って構わん」


俺はあらかじめ思想魔法で作っておいた銀貨を一枚渡し、仮証明を発行して貰った。思想魔法は知識さえあれば創造魔法すら使用可能なのだ。それして俺は「神の知識(カーディナル)」で全ての魔法知識を持っている。


(とことんチートだな…まあ楽しめればそれでいいんだが……)


「確かに受け取った。手間を取らせてすまないかったな」


「これも仕事だ。いいってことよ。じゃあ改めて、ようこそウォーレンの街へ」


おっさん兵士はそう言って再び門の方に戻って行った。


「さて、と……さっさとギルドに行って冒険者登録するか……」


絶望の中生きていた俺は、軽い現実逃避にその手の小説を読んだりしていた。だから表面上は普通でも心の内で少しワクワクしているのは内緒だ。


ウォーレンの街はそのまんま中世ヨーロッパの雰囲気で、行き交う人々の容姿はバラバラだ。ある人は金髪だったり、またある人は赤髪だったり、中には緑や青って人もいる。


「なんつーか……今更ながらファンタジーって感じるな……」


ここに来るまでにも、明らかに地球には存在しない生物である巨大トカゲや竜などを倒して来たが、自分と同じ人々の全く違う生活風景を見ると、改めてここは異世界なんだと実感させられる。


「絶望の中で糞みたいに過ごして来た俺をここに連れて来てくれたレティには感謝しないとな……」


俺は一人呟きつつも、冒険者ギルドに向かう為歩を進める。

冒険者ギルドは割と直ぐ見つかった。

まあ俺は「神の知識(カーディナル)」でこの世界の地理を全てを知っているので、この世界の街の地形も勿論全て知っている。道に迷うことはまず無いのだ。


冒険者ギルドの中はテンプレ通りの木造作りで、奥にはカウンターとそこで冒険者達の対応をする受付嬢が三人程居た。カウンターの横には掲示板があり、恐らくあれがクエストボードなのだろう。そんなもの「神の知識」で調べるまでもない。その奥では冒険者らしき人達が何人か飲み物を片手に談笑していた。

俺は手が空いていた真ん中の受付嬢の元に向かい、ここに来た要件を伝える。


「冒険者登録を頼みたい。後魔物素材の買い取りも頼む」


俺がそう言った途端、ギルド内にいた数人がこちらを向く気配があった。その視線には、舐め回す様な感じが混じっており、無意識に鳥肌が立つ。多分この後テンプレ通りに絡まれるんだろう。さてどうしてくれようか……


「はい承りました。ではこちらの書類に必要事項をご記入下さい。代筆も可能ですがどうなされますか?」


そんな気配に気付いた様子も無く受付嬢は自分の仕事をきちんとこなしてくれる。因みに年齢は俺と同じくらいで長めの黄緑色の髪を背中で一本に括っている。所謂ポニーテールというやつだ。見た目はテンプレ通りの美少女だ。レティには劣るがな。


「いや自分で書けるから代筆は結構だ。・・・っとこれで良いのか?」


この世界の文字の読み書きは「神の知識」で問題無く書けるからな。


「はい結構です。・・・カズト マガミ様ですね。それでは登録して来るので、少々お待ち下さい」


そう言って受付嬢の少女は奥に引っ込み、数分後に戻って来た。


「はい登録完了です。これがカズト様のギルドカードです。名前とギルドランクがこちらに記入されますので、身分証の変わりにもなります。これを紛失された場合は再発行に金貨10枚を頂きますので、くれぐれも紛失なさらないようにお願

い致します。以上で登録は完了ですが、冒険者ギルドの説明必要でしょうか?」


「ああ頼む」


本当は「神の知識」で全て知れるのだが、ここはやっぱり本場の説明を聞いてみたい。俺の勝手な都合だが、受付嬢の少女もそれが仕事だし構わないだろう。それに最初の方はともかく、後々の方まで「神の知識」に頼るのは嫌だしね。


「では説明させて頂きます。まず冒険者ギルドとは、冒険者の皆様に仕事を斡旋させて頂き、その報酬の一割を仲介料として頂き成り立つ組織です。依頼に表示されている金額は既に一割差し引いている金額なので、冒険者の皆様は依頼書に書かれている金額をそのまま受け取る事になります。稀にギルドを通さ無いで依頼を受ける場合もありますが、その際に起きたトラブルはこちらでは一切の責任を負いませんので、良く考えてからご判断下さい。

次に冒険者ランクについてですが、冒険者ランクはGを最下級としてF、E、D、C、B、A、S、SS、SSSの10段階評価となっており、カズト様は登録したてなのでGとなっています。G〜Fは主に街中での仕事で、Eからは討伐依頼で街の外に出たりします。依頼は基本自分より一つ上の依頼までなら受けられます。

最後に、冒険者同士の揉め事に関してですが、余程の理由で無い限りギルドは介入致しませんので、お気を付け下さい。以上で冒険者ギルドの説明を終わります。何かご質問等はありますか?」


「じゃあ遠慮無く。ランクはどうやったら上がるんだ?」


「ランクは基本的に自分のランクの依頼をある程度達成すると昇格します。それと自分のランクより上の依頼達成しても昇格可能です。後者の場合は前者よりも少ない達成数で昇格可能ですがその分難しいです。また、特例で上がる事も可能ですが、その特例は大体が厳しく危険なのでオススメはしません。

他にありますか?」


ふむ…ルールとランクアップ方法は大体テンプレ通りだな……


「じゃあもう一つ質問だ。高ランカーは大体何人くらいいるんだ?」


「高ランカーですか?そうですねぇ…Aランクはそれなりに居ますが、Sランクになると大体数百人程度ですね。SSは更に減って、それこそ数十人って所です。SSSに至っては今は世界に5人しかいません。炎系統の魔法を極めた事で「炎の魔道王(フレイムロード)」の二つ名を持っているフレイ・アルサムさんに、雷の様な速さとパワーで「雷帝」の二つ名を持っているレイ・ボルトさん、風のごとき速度で敵を切り刻み「暴風」の二つ名を持つケリアル・ゼフィルスさん、剣と魔法を巧みに操り「魔剣舞姫(ソードダンサー)」の二つ名を持つユタネ・ブレイズさん、そして最後にSSS最強と言われ、「覇王」の二つ名を持つケディラ・フォーゼルさんです。因みにこの中ではユタネ・ブレイズさんが唯一の女性ですね。

SSSランクになると貴族と同等の権限を貰えるので冒険者の皆様方の憧れになってますね」


フレイにレイにケリアルにユタネにケディラか……いつか会いたいものだ。



「なるほど助かった。じゃあ次は素材の買い取「よお兄ちゃん。ちょっといいか?」……何の用だ?」


俺が素材の買い取りを頼もうとすると、先程俺が新規登録と言った時反応した数人の男共が絡んで来た。


「おいコラ。年上に舐めた口聞くんじゃねぇぞ餓鬼が」


「俺らちょーっと金に困っててさー今回の事は水に流すから有り金全部俺達に恵んでくんない?」


「おっと変な気を起こすなよ?俺等はAランクパーティの鬼の牙だぜ?」


「大人しく出すもの出して貰おうか。そうすりゃ怪我させ無いでやるよ」


はい、予想通りのテンプレ展開ですね。なんなんだこの馬鹿共は……。

俺は受付嬢の方をチラリと向くが、受付嬢の少女は首を横に振り自分の仕事に戻ってしまう。これはギルドは関与しないって事か……

周りを見回しても囃し立てたり、我関せずを貫き通す奴等ばかりだ。


「へへへっ周りに助けを求めても無駄だぜ?俺等に勝てる奴なんかここにはいねーからな」


俺の様子を見たリーダーっぽい男がそう言うと、他の三人も下卑た笑いをしながら俺を見てくる。


「はぁ……お前等に渡す金なんて持ち合わせてない。そもそもAランクなら自力で稼げ馬鹿」


俺の言葉に絡んで来た四人はポカーンとなり、徐々に顔に怒りを浮かべ、激昂した馬鹿の一人が俺に殴りかかって来た。自分で煽っておいてなんだが、沸点低っ!?


「新入りのクソガキが!大人舐めたらどうなるか思い知らせてやるよ!」


そう言いながら殴りかかって来た男の拳を片手で受け止め、そのまま馬鹿を垂直に持ち上げる。

馬鹿は何が起こったか分からずに俺に持ち上げられるがままになった。

それを見た他の馬鹿達も一斉に俺に襲いかかって来たが、もう片方の手でリーダーっぽい馬鹿の首を捕らえ、殴りかかったまま俺に持ち上げられた馬鹿を俺に襲いかかって来てる他の二人の片方に叩きつけた。その際ギルドの床に直径1m余りのクレーターが出来、その中心で二人の馬鹿は気絶した。そして最後の一人は、気絶した二人を見て顔を青ざめさせ、許しを乞うて来たが、問答無用で蹴り飛ばしてやった。馬鹿はギルドの壁を突き破り向かいの建物に減り込んで動かなくなった。最後に首を捕らえたリーダーっぽい馬鹿を見たが、そちらも泡吹いて気絶していた。一応誰も死んで無いから大丈夫だろう。


「さて、と……馬鹿は片付けたし、早速だが素材の買い取りをしてくれ。ああ、修理代はあの馬鹿4人に払わせてくれ絡んで来たのは向こうだしな」


俺はポカーンとしている受付嬢の少女にそう伝えるが、心ここにあらずといった感じで声が聞こえているか分からない。

周りを見れば、他の受付嬢二人も、周りで囃し立ててた冒険者や、我関せずを貫いていた冒険者までもが皆一様にポカーンとしている。そんな沈黙を破ったのが奥から出てきた50代くらいのおっさんだった。


「おいおい凄い音が聞こえたから来て見たら、こりゃまた派手にやったな」


おっさんの声に我を取り戻した受付嬢や冒険者は、次いでお互い近くの人と顔を見合わせて、次の瞬間・・・・・


「「「うおおおおーー‼︎」」」


「兄ちゃん強いな!」


「なんだよこれ床にクレーター出来てるし、壁は吹っ飛んでるし……」


「兄ちゃんやるなー!」


「鬼の牙生きてるか?これ」


「小僧ちょっと来い」


次々と俺を讃えだした。

俺は少し面喰らったが、次の瞬間にはおっさんに連れられて奥に引き摺られて行った。いや、抵抗しようと思えば出来るけど、おっさんからは敵意は感じられないので、されるがままになった。


暫く引き摺られると、一際デカイ扉が現れ、おっさんはそこに入ると、机を挟んで二つあるソファーに俺を座らせ、自分も反対に座った。


「ったく、めんどうな事してくれたなお前さん……俺はウォーレンの冒険者ギルドのギルドマスターだ。名前はシヴァと言う。シヴァ・フレアデスだ。まあ好きに呼べ」


なんとおっさんはギルドマスターだった


はい、ギルマスの登場ですね。次回はどうなるのか?お楽しみに

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