災禍の森
今回は初戦闘です。噛ませさんを用意してありますので、お楽しみに
「ここは…?」
本日二度目のここは…?を言いながら辺りを見渡すと、周りにあるのは不気味な木々ばっかり。どうやら俺が今居るのは”アナザリア”とか言う世界の何処かの森にいるらしい。
「ここの名前は……災禍の森?また物騒な所に跳ばしてくれたなレティの奴…まあいい、危険度はSか……大した事無いな」
俺は早速「神の知識」でこの森の名前と危険度を調べる。「神の知識」によるとこの世界の評価は12段階評価で確立しており、一番下となる評価がGで、逆に一番上の評価が天災級となる。評価の表示はG,F,E,D,C,B,A,S,SS,SSS,災害,天災となっているが、実はこの上に「絶望級」というのが存在する。しかし「絶望級」は、世間一般には知られていないため、この12段階評価が確立している。つまり今俺が居る所は世間一般の危険度で言うと上から五番目の場所となる。微妙だな……
因みに「神の知識」では自分の危険度を測る事が出来るらしいので調べて見たら
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カズト マガミ 17歳
魔神(超越神)
危険度:測定不能
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となった。やっぱりなと言うか残念だなと言うか……俺ってば絶望級より上なのか……
まあ強い事に越したことは無い。気を取り直して取り敢えず街に向かうとする。ここから一番近い街は……北の方角にあるウォーレンとか言う街か。俺は目的地を決めて歩みを進めた。
「シェララララッ‼︎」
そして歩き出して約1分で魔物とエンカウント。この魔物は……「グレアデス」SSランクの魔物か。
姿は漆黒の表皮に頑丈な鱗を纏った巨大トカゲだ。大きさは4〜5mといった所だな。
この世界には竜種と言われる竜達がいるが、このトカゲは竜種に似ているだけで実際は蛇に分類される魔物らしい。蛇類なら手足生やすなよややこしい。
そんな事考えていると、グレアデスは俺に向かって毒を吐き出して来た。
「うおっきったね!」
しかしその程度の攻撃では俺にダメージはない。精々服を溶かすくらいか……
「汚ねぇなこの野郎!」
俺は「特魔眼」を発動してグレアデスを睨み付ける。
「シェララララァ⁉︎」
グレアデスは断末魔を上げた後、口から泡を吹き出し、その巨体を地面に横たわし、永遠の眠りにその身を落とした。
「やっぱり弱いな……SSでこれかよ……一応こいつこの森の食物連鎖の最上位に位置するんだがな……」
これも「神の知識」調べだ。「特神眼」でグレイセスの死体を見つめる
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名前:(無し)
種族:グレアデス(死体)
生命力:0 / 12000
魔法力:320 / 500
力:7000
守5000
速:9999
魔:600
スキル:「毒生成」・・・体内で毒を作れる。威力は個体による
技能:(無し)
称号:「最上位の捕食者」・・・その場所の食物連鎖にて最上位に位置する証明。自分より格下にプレッシャーを掛ける事が可能
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弱っ!?
いやまあ自然界では強い方なのかな?俺からしたらスライムもグレアデスも変わらない気がするけどな。戦闘方法は「神の知識」で無意識に引き出す事が出来るし。力だけあってもそれを制御する術が無いと無闇矢鱈に使えないので、この効果にはかなり助けられた。
「むむぅ……SSでこれではSSSにも期待出来ないだろうな……仕方無い災害、天災級に期待するしか無いな……あわよくば絶望級と戦えればいいが……」
まあどっちににしろ余り期待は出来ないだろうけどな。絶望級に至っては遭遇できるかすら分からないし。
自分の実力って実際どれくらいなのか知りたいんだけどな……
「てか今更だけど俺生き物殺したってのになんの罪悪感も無いな……恐らくこれも魔神になった影響なんだろうな……」
と言うかそれしか思い浮かばない。
「これならもし仮に人殺しする事になっても、躊躇いなんか無いんだろうな……「神の知識」でも自分の身を守る為の人殺しは合法ってなってるし……」
まあ今考えても分かる訳無いし、その時になったら考えよう。
「とにかくこの森を出ないとな……っと、その前にあいつを回収しないと……」
俺は「思想魔法」にて、空間魔法を発動し、空間魔法で作った空間にグレアデスの死体を放り込む。
「さて、出発するか」
俺は意気揚々と森の出口に向かい歩みを進めた。
一時間後
今俺の周りにあるのは木に木にさらに木だ。正直同じような道だから飽きる。こりゃ「神の知識」が無かったら迷うな絶対。因みにグレアデス以来魔物の襲撃にはあっていない。
「うーん……「神の知識」によるとそろそろ出口のようなんだけど……ん?」
もうすぐ出口って所で俺の頭上から巨大な影が降りて来た。
『くくく……この森に人間が来るのは何年降りかな?』
降って来た影の正体は………
「SSS級の上位魔物、古代竜……サイズ的に見てまだ老竜には届いて無いが、幼竜にしてはデカイ10mくらいか ……?てことは精々、若竜ってところか。大方この森の長ってところだろ」
『くくく、知ってたか……若いのに中々優秀な人間だ。いかにも私はこの災禍の森の主、古代竜のヴェルズだ』
「ふーん……で?何の用だった訳?俺はこの森をとっとと出たいんだけど」
この若竜からは脅威を全く感じ無い。どうせなら老竜との力比べをしたい。
『……この私をここまでコケにした人間は初めてだ。小僧、貴様、生きてこの森を出られるとでも思っているのか?』
「ああ」
俺は迷いなく頷く。いや、だって古代竜って言っても若竜じゃな〜……古代竜は老竜がSSS認定されてるだけだし、若竜程度じゃあSSの最上位が良いところだろう。またはギリギリSSSに届く、とかな。
『小僧……私を随分と舐めてくれるな……八つ裂きにしてやる!』
そう言って襲いかかってくるヴェルズ。普通の人間ならそれだけでも一撃仕留められるだろう。だが生憎俺は普通の人間じゃない。てか多分もう人間ですら無い。
「うおっ、こわっ」
俺はヴェルズの一撃を軽く避ける。思わず声を出してしまったけどよく見たらぶっちゃけそんな怖く無かった。
ヴェルズはまさか人間ごときに避けられるとは思っていなかったのか、怒りを露わにして追撃してくる。そしてそれら全てを避ける俺。
『ちょこまかと煩わしい人間め!』
「いやもう十分。俺とお前じゃ肉体のスペックが完全に違い過ぎるんだよ。よく経験が大事とか言うけど、元々のスペック差だけで経験だけでは絶対に覆せ無いくらいの差があるんだからどうしようもないよな」
『舐めるなーーー!』
激昂して叫びながらヴェルズはブレスを放ってくる。襲い来るブレスに対して俺は溜め息を吐きながら片手で受け止める。そして受け止めたブレスを片手で難なく握り潰しす。
『なっ!?』
驚愕で目を見開くヴェルズ。俺はヴェルズに冷たい目をやり、そのまま「思想魔法」で作り上げた日本に伝わる神剣……否、神刀アメノハバキリ(形を再現しただけのレプリカ)で、ヴェルズの首を神速で切り落とす。その衝撃で近くの木々が消し飛んだが、木なら他にもたくさんあるので、その程度の被害はどうでもいい。
数瞬後、ヴェルズは自分が切られた事を認識する前にその意識を永遠の闇に落とした。
「やっぱこの程度か……古代竜の癖に弱っちいのな」
そう呟きヴェルズの死体を思想魔法で再現した空間魔法で作り上げた空間に放り込む。
「さて、と。さっさと街に向かうとするかね」
俺は今の戦闘で消し飛んだ大木の先から見える光に向かって歩きだす。そして遂に災禍の森を抜けた。そこで俺が目にした物は、
「なんて広大な草原なんだ……」
どこまでも続く様に見える草原だった。
「この世界ならレティの言った神々を殺しさいすれば俺はもうこの世界に絶望する事なく平穏に過ごせるのかな……」
誰も居ない草原に和人の呟きが静かに響き渡る……
はい、前書きで言った噛ませ役はヴェルズさんでしたね。え?グレアデス?あれは戦闘では無いですね 笑
おまけ
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名前:ヴェルズ 523歳
種族:古代竜
生命力:24000 / 24000
魔法力:3000 / 3000
力:12000
守り10000
速:15000
魔:8000
スキル:「竜種魔法」・・・竜種が使用可能な全ての魔法を使用できる。(威力は個体差による)
技能:(無し)
称号:「絶対強者」・・・自分の住処にて、食物連鎖の頂点に立つ者の証明。住処に限り、ある程度の生物を使役する事が可能