新たな仲間
やはり書いてると自分に違和感を感じてしまう……何かありましたら是非是非ご指摘下さい。
「おかえりなさいマスター……むっ?」
ファルシオンとレディアが和人に忠誠を誓う事を明言した後、三人は泊まっている宿屋に戻って来た。そこで留守番をしていたヴェルが和人の帰還に反応するが、和人と共に現れたレディアに反応を示す。
因みにファルシオンはレディアとの対面で、思った以上精神を削られたらしく、帰還と同時に、自分の神器であるネックレスに戻って行った。
「よお帰ったぞヴェル。こいつはレディア。世界神の一柱で、闇を司る神だ。俺はこいつをレティって呼んでる」
和人の紹介にペコリと礼をするレディア。
レディアには事前にヴェルの存在を説明していたのでややこしい事にはならない……筈だった。
「マスター?この女はマスターの何ですか?」
そう、和人はヴェルにレディアの事を説明するのを忘れていたのだ。
「え?何って言われても……うーん……強いて言うなら恩人、かな?」
「恩人?」
「ああ、そう言えばお前には言って無かったな。俺は元々この世界の人間じゃない。いや、そもそも俺はもう人間じゃないか……とにかく元の世界に絶望していた俺をこの世界に連れて来てくれたのがこのレティなんだ。
俺はこの世界を気に入っている。だから恩人って訳だ」
和人の説明に、ヴェルは驚いたような表情をして、何かを考える素振りを見せた後、何かを思い出したような表情で顔を上げた。
「ああ、確か数ヶ月前に時空の乱れを感じたな。あれがマスターがこの世界に来た時に起きた現象だったのか。てっきり何時も通り神々が私を探しに来たのかと思っとったわ」
「神々が探しに?」
納得の表情で話すヴェルを見て、レティが不思議そうに首を傾げる。
「ああ、その事はまだ言って無かったな。言っても構わないかヴェル?」
「うむ。そう言う事なら私から言う事は無いぞ。これから仲間になるし、何よりマスターの恩人だからな」
どうやら言っても問題無いようなので、ヴェルの事をレティに説明してやる事にした。
「ヴェルの本名はヴェルフェンって言って、太古の昔に神々に戦争を仕掛けた張本人なんだ」
「……えっ⁉︎って事はヴェルフェンさんってあの神竜なんですか⁉︎」
余りの衝撃の事実に、一瞬思考が停止したレティ。やはりこの事は衝撃が大きかったんだろう。末だに顔が驚愕のまま固まっている。
「うむ、神竜は私一人しか存在しないからな。お主の考えてる神竜は恐らく私だな」
ようやく意識が戻ったのか、ハッとした表情をするレディア。
(そんな〜ヴェルフェンさんがあの神竜様だったなんて〜……別に私や私の知り合いが戦争に参加したわけじゃないから別にこれと言って思うところは無いけど……あの容姿は完璧過ぎじゃないの〜……でもカズト様は渡さないんだから!)
「ま、とにかく今後は世界神達を見付ける旅の仲間だ。仲良くな」
レディアの思考など知る由も無く、和人はそう締めくくる。
「うむ」
「は、はい!」
ヴェルはいつも通り、レディアは慌てながらも返事を返す。
「うむ!ならこれにて顔合わせ終わり!さて、レディアはもう戻っても構わないぞ。これからよろしくな」
「はい、これからよろしくお願いします!ではお言葉に甘えて失礼します!」
レディアは幾分か落ち着きを取り戻したようで、そう返事をして和人の手に嵌る黒薔薇を型取ったブレスレットに入っていった。この黒薔薇を型取ったブレスレットこそが闇の世界神レディアの神器なのだ。
「さて、新たな仲間も増えたし、明日は久々に何か依頼を受けるか!」
「マスターのご意向のままに」
ヴェルはそう言い和人に跪く。最初の頃の和人はそれに多少戸惑っていたが、今は有る程度慣れたのか、ヴェルのその態度に軽く頷き、顔に笑みを浮かべヴェルを撫でる。それに気持ち良さそうな表情をするヴェル。
レディアがこの中に入るのは容易では無いだろう。
これにて四章完結です。
番外編のアンケートですが、集計結果番外編を書くことにしました。正直あまり票が入らなくて残念でしたが、協力して頂いた方々の為に頑張ります。




