化け物
サブタイトルが思いつかない件……orz
今回はかなり短いです
「じゃあ俺達はもう行くから後はあんたらに任せるわ」
「はい、ですが本当にヴェルさんが倒した魔物達もいただいてしまってよろしいのでしょうか?」
あの後数分間土下座をしていた冒険者と兵士達をなんとか宥め、会話が出来るまで戻した。その際ヴェルが倒した魔物達をどうするかという話になり、和人とヴェルが二人揃っていらないと断った。雑魚の素材が幾らあったとしても、二人は一生を遊んで暮らせる程のお金を持っている為大した問題ではないのだ。
「だから良いって。別に俺達は金には困って無いっての」
「しかし……いえ、ありがとうございます」
なおも言い募ろうするが、和人に受け取る意思が無い事を理解したのか、渋々と引き下がった。
「よし、早く帰るぞヴェル」
「うむ、帰ろう」
「ちょっと待って下さい」
和人とヴェルが跳躍しようと足に魔力を流した時、ジョンが声を掛けて来た。
「あん?何だよ?」
和人が苛立ち混じりにジョンに問い返す。
「私はこの国の将軍です。今回の件の報告が必要なので、ちょっとお話を聞きたいのです」
和人がEXランク冒険者だと知り、丁寧な言葉遣いになったジョンは、そんなことを言い出した。
「ああ、そうか……まあいいや、早く帰りたいから手短に頼むぞ?」
「はい、了解しました。私が聞きたいのはこの魔物共を引き連れた化け物の事です」
ジョンは魔物の死体達を一瞥し、和人に問い掛ける。
「なんだ、把握してなかったのか。あいつは邪神、多分文献とかに載ってんじゃない?」
「なっ⁉︎」
和人がサラッと言った邪神と言う言葉に、ジョンは顔を真っ青に染めた。周囲の兵士や冒険者はそんなジョンの様子に不思議そうな顔を向けるだけだった。
「じゃ、邪神とは弱い個体でも一体で国一つ簡単に滅ぼす力を持っていると言われている筈です……和人殿、その邪神はどうなったんですか?」
ジョンは将軍地位にあると同時に、伯爵家の人間だ。この国でもそれなりに影響力を持っている。
恐らく以前にどこかで邪神についての文献を読んだ事があったのだろう。その証拠に邪神と言う言葉に反応したのはジョン一人だけだった。
「あの邪神なら俺が倒した」
国一つ簡単に滅ぼすとまで言われている邪神をいとも簡単に倒したと言う和人に驚愕の顔を向けるジョン。やはり和人の実力はどんな強者でも到底測れるものでは無いと言う事だ。
「じ、邪神をお一人で倒したのですか……?」
「そう言ったろ。あんな雑魚に俺が負ける訳無いっつーの」
「マスターとまともに戦いたいのなら、数百柱の神でも用意するがよい」
恐る恐る聞くジョンにとどめの一言を言い、ヴェルが追い打ちの言葉を言う。既にジョンの頭は理解不能な事の連続でプチパニック状態だ。
「じゃあ俺達は今度こそ帰るから」
和人とヴェルはそう言い残し、次の瞬間に吹き通った風の後に二人の影は何処にも無かった。
「ありえん……あれがEXランクか……あの者自身が化け物ではないか……」
ジョンの声が戦場となった地に静かに響き渡った。
現在リアル事情が立て込んでおりまして、こんか短い話しか投稿出来無い事を謝罪します。恐らく今月いっぱいはこんな感じになってしまうと思いますが、どうかよろしくお願い致します。




