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魔神が行く異世界大蹂躙  作者: 夜桜
四章 王都学園編
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襲撃

予定より遅くなりましたが、皆さんお久し振りです!宿敵(宿題)との聖戦(処理)を終え遂に皆さんの元に戻って来ました!これかは出来るだけ更新して行くので、どうかお付き合い下さい!

俺がこの学園で教師を始めて一週間が過ぎた。本日も戦闘指南の授業を終え、2年S組の教室に戻って来た。因みに生徒達は毎回和人とヴェルの戦闘指南を終えた後はグロッキー状態になる。


「まだまだだな」


そんな彼等の様子を傍らから眺めるのは、まさに彼等をこの状態にした張本人。


「そうだな。こんなんで音を上げるとは情けない」


そう言うのはこの状態を作り出したもう一人の張本人。


「いやいや、カズト先生とヴェルフェン先生が厳し過ぎるんですよ!何ですかあの授業は⁉︎私が冒険者をやってた頃ですら人が何メートルも吹っ飛ぶの見たこと無いですよ⁉︎」


真面目そうな見た目からは想像出来ないくらい取り乱しているのは、このクラスの担任のキャミア先生だ。もう毎回のように生徒達は何メートルも吹っ飛んでいるんだから、そこまで取り乱さなくてもいいと思うのだが……


「いやいやキャミア先生、こんなのまだまだだぜ?この程度で音を上げる様じゃ危険度Sランクの魔物にすら負けるぞ?」


「うむ、それどころか危険度Aランクの雑魚にすら勝てるか怪しいぞ?」


「いやいやいやいや、そもそも普通に暮らす分には危険度Aの魔物とかとは戦いませんよ?と言うか、危険度Aや危険度Sの魔物が雑魚扱いですか。私でも危険度Aランクの魔物を倒すのには苦労するんですよ?」


グロッキー状態の生徒達を横目に、教師陣は話に花を広げている。いや、正確には和人とヴェルが楽しんでるだけで、キャミアは驚いたり、呆れたりしているだけだ。


「そもそもカズト先生は、一体どのくらいの強さの魔物まで一人で相手出来るんですか?危険度Sランクの魔物を雑魚扱いなら、もっと強い魔物も倒せますよね?」


キャミアがふと思ったとばかりの表情でそう聞いて来た。それを聞いた和人は、ピクリと反応し、表情を鋭くさせた。……遂に来たか……

このような質問はいつかされると思っていたが、今日、遂にその日が来た。


「……ああ、まあな。今まで戦った魔物は……Sランク数え切れない。SSランク数十体。SSSランクは確か5〜6体くらいで、明らかにSSSランクより強いと思われる奴等を数え切れないくらいだな」


いつに無く真剣な表情でそう語る和人。


和人の答えを聞いてキャミアは唖然とした。

史上初のEXランク冒険者だと聞かされた時から自分より圧倒的に強い事は分かっていたが、和人の答えは明らかに自分の理解の範疇を超えていた。自分の理解の及ばぬ先にいるカズトに対し、この時得体の知れぬ恐怖と畏怖を感じた。


「そ、そんな……Sランク一体でもそこそこな規模の村一つ簡単に滅びると言われているのに……」


「俺の実力を聞いた感想はどうだ?俺が怖いか?俺が恐ろしいか?」


余りの驚きに無意識に一歩後ずさってしまっていたキャミアは、和人のその言葉で我に返った。

目の前には和人とヴェル。元Aランク冒険者のキャミアの直感で、ヴェルも和人程では無いが、それに近しい実力を持っている事が分かる。


「私とマスターは貴様では到底、想像出来ない程の力を持っておる。貴様はそれに恐怖した。どうだ?貴様は私達を排除しようとするか?」


ヴェルが威圧的にそう言うと、キャミアは冷や汗を流し、再び一歩後ずさる。


実はこの問いは、和人とヴェルがこの学園に一時的とは言え、教師となる事を決めたその日の内に二人で話し合って決めた事だ。この様な質問をされたらこの質問を返す、と。

和人とヴェルはこの世界には敵無しと言っても過言では無い程の実力を持っている。人は、否、人に限らず、ある程度の知恵がある者は自分達が到底及ばないと思われる力を持つ者を、本能的に排除しようと考える傾向がある。

これは和人が地球にいた頃に読んだ事のある本にも書いてあり、和人とヴェルはそれを確認すべく、今キャミアを追い詰めているのだ。

これでキャミアが教師陣と共に和人とヴェルを排除しようと行動するならば、和人とヴェルはすぐさまこの学園を去り、旅の続きを再開するつもりだ。その後この学園に”何が起ころうとも”、だ。

自分達を排除しようとした人達を助ける程和人達はお人好しでは無い。


「どうなんだキャミア先生?俺達に恐怖し、排除しようとするか?それとも否か?」


「わ、私は……」


キャミアはそこまで言って俯き、やがて意を決した様子で顔を上げ、決意の溢れる瞳で和人とヴェルの瞳を見つめる。


「私はカズト先生とヴェルフェン先生を危険だとは思いません。まだ出会って一週間程しか経っていませんが、これでも元Aランク冒険者です。人を見る目には自信あります。私から見てお二人は、ただ人より特別に強い力を持っているだけで、それ以外は他の人と変わりません。お二人は私達に害を与える存在では無いと思います。なのでお二人を排除しようとなんて考る訳ありません!」


「コネクト」を使って心を覗かなくてもその瞳を見れば、キャミアの言葉に嘘偽りなど無く、本当に本心からの言葉だと分かる。


「そうか……」


「……」


和人とヴェルは、キャミアの言葉を聞き、眼を閉じる。数秒後、再び目を開いた時、その顔は笑っていた。


「ならばその言葉を信じ、今だけはここを守ろう」


「私はマスターの契約者。契約主たるマスターの言う事に私は従う」


和人とヴェルの言葉に訝し気な顔を作るキャミア。その額にはヴェルに気圧された際にかいた冷や汗がまだべっとりついている。恐らくあの言葉を発するのに相当な覚悟を持っていたのだろう。


「あの、一体何を……」


一体何を言ってるんですか?と言い掛けた言葉は、途中で途切れさせられた。街の門の辺りから轟音が響き渡ったからだ。


「……来たか……」


その轟音に反応し、今までグロッキーだった生徒達もフラフラとだが起き出し、音のした門の方を見て、再び座り込む。しかし今度は疲労からでは無い。恐怖からだ。何故ならここから見えた門の外の光景が信じられない物だったからだ。

そこに写った光景は……


「くはははははっ!悪いがこの国は滅ぼさして貰うぜェ!憎き世界神の気配がするんでなァ!」


一人の強大な魔力を纏う男と、それに従うかのように背後に存在する魔物達。この世界で「絶望級」に位置する存在、そう、”邪神”の襲撃だ。

と言うことで事態は急展開を迎えました!さてさて、この後どうなるのか是非ご期待下さい!

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