自己紹介
昨日は作者が体調を崩してしまい、更新出来ませんでした。楽しみにしていた方々本当にすいませんでした。一応指摘のあった誤字訂正はしたのですが、そこで力尽きました。やはり急激な気温の変化は恐ろしいですね。皆さんも体調不良にはお気を付け下さい。
ミロガス大魔道学園。俺とヴェルは今日から数週間と短い間だがここで教師として戦闘関連の物事を教える事となった。
「じゃあ私が先に教室に入って君達の事を呼ぶから、そしたら入って来て貰えるかな?」
俺達にそう言うのは、この2年S組の担任であるキャミア先生だ。キャミア先生は真面目そうな印象を受ける女性教師であり、意外にも元Aランク冒険者だ。元冒険者と言う事でか、俺達の紹介の時にキャラが分からなくなるくらいはしゃいでいたのは記憶に新しい。
因みにこの学園のクラス分けはランダムだが、それはG〜Aクラスまでで、このSクラスは、前年度の成績優秀者から30人が選ばれる、所謂エリート生達が在籍するクラスだ。
「はい皆さん席に着いて下さい。今日は新しい先生を二人を紹介します」
そうこうしている内に、キャミア先生が生徒達を着席させ、俺達が来る事を伝えた。中からえー⁉︎とか、おお‼︎とか言っている生徒達の声が聞こえる。
「はい、では入って来て貰いましょう。カズト マガミ先生とヴェルフェン先生です」
キャミア先生に呼ばれたので、俺とヴェルは教室の扉を開けて中に入った。
ミロガス大魔道学園の教室は、何と言うか、外国の学校を彷彿させた。白い長テーブルに数人が座り、教室の前には巨大な黒板がある。そんな風景の中、生徒達が俺達に注目している。殆どの生徒が目に見える形で驚いているのが分かる。多分自分達と大して変わらないような奴が教師だと言うことに驚いているのだろう。
「今説明にあったカズト マガミだ。一応冒険者をやっている。これから数週間だけだがお前達に戦闘関連の事を教える事になっているので、よろしく頼む」
「同じくこれから数週間マスターと共にお主等に戦闘関連の事を教える事になっておるヴェルフェンだ。私も一応マスターと共に冒険者をやっておる。短い間だがよろしく頼むぞ」
無難に自己紹介をすると、数人の男子生徒がヴェルに見惚れているのが分かる。何故か女子生徒数名が俺に熱っぽい視線を送って来ているが、そんなに黒髪黒眼が珍しいのだろうか?
そんな女子生徒達にヴェルが僅かに警戒していたが、まあ問題無いだろう。
「はい、このカズト先生とヴェル先生が皆さんに戦闘関連の指導をしてくれる方達です。今日は初対面なので質問とかがありましたらどんどん聞いてあげて下さい。構いませんよね?」
キャミア先生の質問に小さく頷き、生徒達に向き直る。
「何か聞きたい事があったら何でも聞いてくれても構わないぞ」
「マスターが良いなら私も特に問題は無い」
後ろまで聞こえるように少し大きめの声を出して聞くと、ちらほらと手を上げる生徒達がいた。
「失礼ですが、先生方の年齢は幾つ何ですか?」
まあこの質問は予想してた。
「俺は17歳だな。お前達とあまり変わらないと思うぞ」
「私は……モガモガ」
ヴェルが素直に答えようとしてたので口を塞いだ。ヴェルの年齢は明らかにエルフよりも大きい。
「先生?」
「ああ、すまない。ヴェルも俺と同じで17歳だ。……お前の年齢は明らかに大きいんだよ。人間じゃないのがバレちまうだろ?」
最後の方はヴェルにだけ聞こえるように小さく喋り、ヴェルが頷くのを確認してから口を塞いでた手を離してやった。
「先生達はどのような関係ですか?」
次の質問もまあありがちの質問だった。
「俺とヴェルは仲間だな。一緒に依頼受けたりしている」
「えっ?恋び……モガモガ」
また余計な事を言いそうになったヴェルの口を塞ぎ、小さい声でヴェルにだけ聞こえるように喋った。
「馬鹿!そう言う事を言うと生徒達が面倒な反応するだろ⁉︎」
「モガモガ (了解した)」
分かったようなので口を塞いでたのを離してやった。離す際にもう余計な事を言わないように、と釘を刺すのを忘れ無い。
「他にはあるか?」
「先生方は冒険者と言うことですが、ランクは幾つなんですか?」
「ああ、俺のランクは「すいません!生徒会で遅れました!」……?」
俺が質問に答えようとした時、誰かが凄い勢いで教室の扉を開けて飛び込んで来た。
「き、貴様等は⁉︎」
教室に入って来た誰かは、どうやら女子生徒のようだ。俺達を見ると直ぐ様腰に刺してある鞭を抜き放ち、そのまま振り下ろして来た。
「何だこいつは?」
振り下ろされた鞭を手に絡め、こちらに引き寄せ、その細い腕を取り後ろに回し、関節技を決める。
「ぐ、くぅ……」
痛みで苦悶の声を上げる女子生徒を眺めていると、キャミア先生が慌てたようにこの女子生徒を離すように言って来る。
「カ、カズト先生!彼女はこのクラスの生徒で、この学園の生徒会長のルビア・ブレイメンさんですよ!」
「そ、そうだ!私はブレイメン侯爵家の長女で、このミロガス大魔道学園の生徒会長である、ルビア・ブレイメンだ!忘れたとは言わせないぞ!」
「……誰だっけ?」
「……誰だったかの?」
俺とヴェルは互いに顔を見合わせ、首を傾げた。
「き、貴様等ーーー!許さん!絶対許さんぞ!と言うか何故貴様等がここにいる!」
「お、落ち着いてルビアさん!彼等は暫くの間ここで戦闘関連の指導をしてくれる先生です!」
キャミア先生が必死に宥める事数分。漸く落ち着いたルビア。まだ俺達を睨んでいるが無視する。
「ふぅ……すみません落ち着きました。でもあいつらが教師と言うのは認められません」
「お前にそんな権限無いだろ?これは学園長であるサミネから直々に頼まれた事だ。どうしても嫌なら学園長に直談判しろ」
落ち着いたのはいいが認められ無いとかほざいたので、正論をぶつけて見る。
「ぐっ……しかしだな……」
「あーあー分かった分かった。とにかく席に着け。次は俺達が担当する戦闘指南だ。男女で別れるぞ。男は俺。女はヴェルがそれぞれ担当する」
まだ納得出来無いのか言い淀むルビア。そろそろ面倒になって来たので話をここで終わらし、次の授業の準備をさせる。次は戦闘指南。俺達が教える事になった項目だ。さて、この学園の中でも優秀なこいつらの実力はどのくらいかな?
次回は主人公達の初授業の予定です。
ここらで説明しますと、和人は自分の容姿は平凡だと思っていますが、実はそれなりに整っている容姿です。地球にいた頃は世間と自分に絶望してたので、無意識に卑下してたと言う事ですね。




