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魔神が行く異世界大蹂躙  作者: 夜桜
四章 王都学園編
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サミネの頼み

「目が覚めたかマスター⁉︎」


「急に気を失っちゃうんだもんビックリしたよ…」


気が付いたら目の前に泣きそうな顔のヴェルと、心配そうな顔をしているサミネがいた。


「あー…うん悪いな、心配かけた」


まだ少しボーッとするが、我慢出来る範囲だ。


「でも本当にどうしたんだマスター?あの鍵を見たら急に気を失ったのだぞ?まさか光の神が⁉︎」


「落ち着け落ち着け。今から説明する」


殺気を放ち出したヴェルを慌てて宥め、ファルシオンから聞いた事を説明する。


「なんと…主神の使いとはな…私もかつて戦ったが、中々厄介な奴等だったぞ」


説明を聞いたヴェルが、昔を思い出すとばかりに遠い目をするのを横目に、サミネに語りかける。ファルシオンから彼女の頼みを聞いてくれと頼まれていたからだ。


「とまあこんな感じの内容をファルシオンと話した。言っとくがこの事は他言無用だぞ?もし誰かに知られるような事があればそいつ諸共殺すからな。」


「分かったわよ…私も死にたく無いし誰にも言わない。約束するわ」


俺は満足気に頷くと、本題のファルシオンが言ってた頼みに入る。


「で?ファルシオンが言ってた頼みってのは何だ?」


「あっ!そうそう、貴方冒険者なんでしょ?ちょっとランク教えてくれないかしら?」


何でだ?と首を傾げながらもギルドカードをサミネに見せる。ヴェルはまだ昔を思い出しているのか、こちらの会話には気付いて無いので今は放置だ。


「どれどれ……EXランク⁉︎」


ギルドカードを見たサミネの反応は今では見慣れた反応であった。そのため和人はめんどくさそうな顔をするも何も言わ無い。以前だったらうるせェ程度は言ってただろう。


「ああ、EXランク冒険者で、他の奴等には「瞬速の絶対者」とか言う恥ずかしい呼び名で呼ばれている、カズト マガミだ。ついでに教えると、ヴェルもなったばっかりだがSSSランクだ。まあヴェルには恥ずかしい二つ名とかは付いてないけどな」


俺の補足に更に驚きの声をあげるサミネ。そこで漸くヴェルが正気に戻ったようで、ん?何だ?とばかりの表情をしている。


「これなら頼めそう……私の頼みっていうのは少しの間でいいからこの学園の教師をやって欲しいの。主に戦闘関連の授業を受け持って欲しいのよ。今度の長期休暇まででいいから」


サミネの頼みに俺は目を見開いた。


(教師だと⁉︎俺は人に物事を教えるのは苦手なんだけど……いや、でもファルシオンには頼みを聞くと言っちまったし……まあやるだけやってみるか……無理でもファルシオンが俺に頼みを聞いてくれとか言って来たのが悪いんだの言い訳出来るし)


「正直、人に物事を教えるのは得意じゃないんだが……それでも構わないか?」


「ええ、構わないわ。とにかく現役冒険者の、しかも史上初のEXランク冒険者「瞬速の絶対者」さんが教えてくれるだけでも子供達の為になるはずよ」


サミネはそう言って苦笑した。隣ではヴェルが話について行けて無くて、頭に?を浮かべている。


「あーヴェル?つまりな、俺達は少しの間この学園で教師として戦闘関連の事を教えるんだ。分かったか?」


「ふむ……私は人に物事を教えるのは余り得意じゃないだが、大丈夫か?」


「安心しろ。俺もそうだから」


心配そうなヴェルを安心させ、再度サミネと向かい合い、改めてこの頼みを引き受ける事を告げた。


「と言う事で、自身は無いけどファルシオンと約束しちまったしその頼み引き受けよう。今度の長期休暇まででいいんだろ?まあそれくらいなら大して時間は取られ無いだろうし、構わないぞ」


「うむ、マスターが良いなら私も特に問題無い」


「ありがとう!じゃあ早速明日からお願い!」



俺とヴェルが許可を出すと、サミネはパーっと花が咲くような笑みを見せ、凄い勢いで手を上下に振って来た。地味に痛い。


「わ、分かったから離してくれ。でも最初に言っとくが、教え方は俺達のやり方でやらせて貰う。そこに文句とかは付けるなよ?」


「勿論よ!と言うか、寧ろEXランク冒険者とSSSランク冒険者が直々に教えてくれるなら、それが一番良いわ。私達は知識では知ってても、本当に戦いをした事がある人は、本当に僅かだけなのよ」



念の為に確認を取ってみるが、思ったより好意的に受け取って貰えたのは予想外だった。

今のはワガママと言われても仕方無い事柄だったので、少し驚いてしまった。


「ならば良い。分かった明日から来ればいいんだな?なら俺達は今日はこれで帰らして貰う。この後お前は俺達の事を他の教師達に説明したりと忙しいだろうし、俺達がいたら邪魔だろうからな。帰るぞヴェル」


「うむ、了解だマスター」


「ええ、感謝するわ。じゃあ明日からよろしくねカズト君。ヴェルさん」


最後にそう言って俺とヴェルはミロガス大魔道学園を後にした。明日から長期休暇までの数週間俺とヴェルはこの学園の教師として働く。正直面倒で仕方無いが、俺は約束は守る男なのさ。

次回から主人公教師です。以前ぶっ飛ばしたブレイメイ侯爵家のお嬢様も登場するかも?

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