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魔神が行く異世界大蹂躙  作者: 夜桜
二章 魔界征服編
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災いの予感

誤字脱字がありましたらお教え下さい。また、読み難い等のご指摘もありました場合も教え下さい。頑張って直します。

「ギルドマスターに会いたい。帰って来ているか?」


ウォーレンの街に帰って来た俺は、脇目も振らず冒険者ギルドに向かった。途中人間形態のヴェルを見て絡んで来た馬鹿がいたが速攻でぶっ飛ばし、気にするでも無くギルドに入った。


「ギルドマスターはいらっしゃいますが、申し訳ありません、誰これ構わず会わせられる程暇な方では無いのです……」


申し訳なさそうに語る受付嬢は、初めて見る娘だった。恐らく俺が魔界に居た一ヶ月で新しい入った娘だろう。どうやらリルカや俺を担当した受付嬢は今日は居ない様だ。


「おっとこりゃ失礼。ほら、ギルドカードだ。最初から出してりゃ良かったな。すまなかった」


俺からギルドカードを受け取った受付嬢は、最初は訝し気にしていたものの、ギルドランクを見て目を点にする。


「す、SSSランク⁉︎その黒髪黒眼ってもしかして貴方は「瞬速の絶対者」様ですか⁉︎」


以前の受付嬢と同じで、大声で言ってしまい、ギルド中の視線を集めが、俺はそれを全て無視して再度新人受付嬢にギルマスに通して欲しいと頼み込んだ。

それにしても一回しか依頼を受けていないのに、結構広まったもんだな俺の名前・・・いや、黒髪黒眼が珍しいのか?分からん。まあどうでもいいか。


「は、はい!直ちに確認して来ます!少々お待ちを!」


そう言い残して奥に引っ込んだ新人受付嬢を見て、少し掛かりそうだと判断し、先に他のカウンターでヴェルの登録を頼む事にした。


「悪いけど俺の連れの登録頼むわ。あの娘が帰って来るまでちょっと暇だからな」


「は、はい!直ちに!」


SSSランカーとの会話に緊張したのか、裏返った声で対応する受付嬢に苦笑しつつ、ヴェルに登録事項を記入させた。

ヴェルは俺よりも何千年も長くこの世界に居たため、きちんと文字を書くことができた。因みに俺は魔界に居た一ヶ月で完璧に覚えた。人の名前を覚えるのは苦手だけど、こうゆうのを覚えるのは得意なんだ俺。


そうこうしているうちに、シヴァに確認を取って来た受付嬢が戻って来た。


「カズト様、ギルドマスターがお呼びです、こちらにいらっしゃって下さい」


幾分落ち着きを取り戻した様だが、まだ緊張している感が隠し切れていない様子の新人受付嬢に着いて行き、以前来た事のある応接室の前にやって来た。この時聞いた話だが、応接室とギルマスの執務室は内で繋がっているらしい。まあどうでもいいか。


「失礼しますギルドマスター、SSSランク冒険者カズト マガミ様をお連れしました」


「うむご苦労。下がって良いぞ」


中から聞こえて来たのは、あの懐かしい厳つい声だった。間違い無くシヴァだ。

新人受付嬢はシヴァに言われた通り一礼してからカウンターの方に戻って行った。


「よう、久振りだなシヴァ。相変わらず厳ついなお前は」


「久しいなカズト。お前も相変わらず礼儀の無い奴だ。そちらの女性はお前の連れか?」


扉を開けた先に居たのは、一ヶ月前より少し髭の生えたシヴァ・フレアデスその人だった。

適当に挨拶を交わした後、俺はシヴァの座っているソファの前に腰掛けた。ヴェルは何故か俺の後ろに立っている。


「ああ、こいつはヴェル。こう見えてヴェルは俺と互角に戦える程には強いんだぜ?」


「どうも」


俺の紹介に軽く会釈をし挨拶をしたヴェルは、再び姿勢を直して俺の後ろに立つ。

ヴェルの紹介にシヴァは驚いた様な表情を作った。


「こいつは驚いた。ならこの嬢ちゃんもSSSランク以上の実力を持っているのか?いやはやお前と出会ってからは驚きっぱなしだなガッハッハッ!」


豪快に笑っていたシヴァは、急に真面目な顔になり、今回の本題を切り出す。


「さて、お巫山戯はここまでにして本題に入ろう……単刀直入に言う。カズトお前は史上初のEXランクになって貰う」


そう言い切ったシヴァの瞳は、この事がどれだけ異例かを如実に表していた。ヴェルは「流石我がマスター」と言わんばかりの顔をしているが・・・


「EXランク、か……どんな物か詳しく聞いても良いか?」


「勿論だ。EXランクは貴族で言う伯爵級の権限を持ち、戦争や緊急依頼の際、それに行くか行かないか自由に選択が可能になる。勿論行かないとなるとギルドや国からの信頼は落ちるかもしれないが、とにかく自由度が増すと言うことだ。後、EXランクの依頼と言う物が受けれる様になった。今まではSSSランカー数名に同時に出される指名依頼だったが、それがEXランカーの依頼として受ける事が出来る様になる。勿論これも指名依頼とかもあるがな。後は大体SSSランクと同じだ。どうだ?理解したか?」


シヴァの説明を頭の中で繰り返し、全てを記憶した。つまり、SSSと違いEXは自由度が高いってのが違いか。そこまで大して変わる訳では無いな。


「OK理解した。次はこっちの話を聞いて貰いたいが・・・構わないか?」


「うん?何だ言ってみろ」


流石はギルマスと言った所か・・・こんな急な話題転換にも眉一つ動かす事無く反応するとは・・・まあその方が話がスムーズでいいがな。


「俺の話ってのはこいつ…ヴェルの事だ」


「ほう?そっちの嬢ちゃんか……いいぜ何でも言ってみろ。可能な限り聞いてやる」


ヴェルは事前に説明しといた訳では無いのに、落ち着いていた。まあここは神竜としての余裕だろうけどな。


「そうか・・・なら言うぞ。こいつをSSSランクにして欲しい。EXランク冒険者である俺からの推薦だ」


「なに?どうゆうことだ?」


案の定、俺の頼みに反応して来た。まあこれが普通の反応だろう。何せいきなり過去とはいえ、最上級ランクにしてくれと頼むんだからな。


「だから言葉通りの意味だ。こいつをSSSランクにしてくれ。さっきも言ったがこいつは俺と同等の実力を持っている。そんな人材を低ランクに置いておくと、ギルドにとっての損失だぜ?」


俺の言葉に考え込むシヴァ。やはりそう簡単には行かないのだろうか……と、思った瞬間、


「構わないぞ?お前が認めているんならば、実力は文句無い。とゆうより、そこの嬢ちゃんからはかつてのお前から感じた強者の香りがする。間違い無くその嬢ちゃん…えーっと…ヴェルだっけ?は強者だよ。俺としてもそんな人才を放っておく訳には行かないしな」


案外あっさり承認された。意外のシヴァって適当なのか?それとも本当に実力を見抜けるのか?先ず間違い無く後者だろう。シヴァはかなり賢い。それこそ、知力勝負なら俺より上だろう。


「うん?どうしたそんな難しい顔して」


「そんなあっさり承認されるとは思って無かったんだよ…正直言い出した俺が驚いているんだ」


「ガッハッハッ!これは一本取れたかな?以前はこっちが取られたから、これでおあいこだな!」


勝ち誇った顔がむかついたので、一発殴ろうと思ったが寸前で思い留まり、一つため息を吐き、ヴェルを見る。


「とゆうことでヴェル。お前はこれからSSSランカーだ。ま、実力的にはEXでも問題無いけど、ここは我慢してくれ」


「うむ、了解だマスター。私は別に気にしないからマスターも気にしなくてよい」


「ん?マスター?何の事だ?」


やべっシヴァに聞かれたし⁉︎これじゃあ美少女を奴隷にして、マスターと呼ばせている鬼畜野郎に見えちまう⁉︎とにかく話をズラさなければ!


「き、気にするな!別に深い意味は無い!とゆーか早く新しいギルドカード寄越せ!」


「む?何か腑に落ちないが、まあいい、ホレッ、これがお前さんの新しいギルドカードだ。ヴェルの嬢ちゃんのは作って無かったから今から作るから待ってな」


そう言ってヴェルは何かを書類に書き込み始めた。

俺は何らか書き込んでいるシヴァを一瞥し、自分の新たなギルドカードを見た。


色はプラチナで、SSSだった頃の金色(ゴールド)より美しい見た目だった。

今更だがギルドカードにはランク別の色が存在する。

一番下のGの銅色を始め、F=青銅色、E=茶色、D=黄色、C=黄緑色、B=青色、A=赤色、S=黒色、SS=銀色、SSS=金色、そして現在の俺のランクのEXがプラチナとなっている。


「よし、出来たぞ!ヴェルの嬢ちゃんもこれでSSSランクだ!俺の担当する街から二人も大物が出た事を誇りに思うぞ!」


お前の力じゃねぇだろう!と言うツッコミは無粋だろうか?とにかく50代のおっさんの無邪気な笑顔なんか誰も見たく無いんで、さっさと抑えて欲しい。


「話はこれで終わりか?なら俺達はさっさと帰らして貰うが……」


とにかく俺は眠いのだ。ほんの数時間前に神竜ヴェルフェンとやりあったばかりなので、疲れはまだ完全に抜けて無い。それはヴェルの方も同じだろう。いや寧ろヴェルの方が疲労は深刻だと思う。何せ俺の(この世界で出せる)全力の魔法をその身に受けたのだ。あの時のヴェルフェンの姿は見るも無残だった。やった本人でさえちょっと引いたからな。

今こそ傷は完璧に癒えているが、精神的疲労は計り知れ無いだろう。事実俺は今猛烈に眠い。


「まあ待て。最後に伝えておく事がある」


「伝えておく事?」


俺が首を傾げると、シヴァは先程と同じ様な真剣な顔をして語った。その表情から読み取るに、余り良い事では無いのだろう。


「ああ…俺が王都に行った時、偶然帝国の現皇帝が来ていてな…是非お前に会いたいと言って来たんだ…正直あの皇帝のいい話はあまり聞かん……しかし帝国の皇帝自らの言葉なため、俺達は従わざるえないんだ……何せこの王国は帝国との同盟とは名ばかりの支配を受けているんだからな……すまないが行ってくれるか?勿論こちらからの指名依頼として発行するので報酬は出さして貰うが……」


申し訳無さそうに語るシヴァの体は、僅かに震えていた。シヴァはシヴァで帝国の言いなりになるのに激しい抵抗があるのだろう。

皇帝が会いたい?そんなもの答えは決まっている。


「はぁ…しゃーない、ちょっくら帝国行ってくっから待ってろ。勿論その分報酬は貰うぞ?」


俺の言葉に歓喜を表にするシヴァ。


「そ、そうか!行ってくr…「ただし!」・・・どうした?」


「ただし、その結果次第では俺は帝国を滅ぼす。それだけは頭に入れておけ…行くぞヴェル!さっさと帝国とやらに向かうぞ」


「マスターの御心のままに…」


その言葉を残し俺とヴェルは応接室を後にした。


「どうか馬鹿な真似だけはしないでくれよ帝国……」


後に残ったシヴァは、今後起こりうる最悪の可能性考え、そう呟くのであった……

これにて二章完結です。何か途中から魔界の話じゃなくなっているけど、お気に入りなさらずに!

次章から帝国編になります!本格的な章名はまた考えますが、とにかく次章は帝国系の話です!どうかお楽しみに\(^o^)/

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