黒羽四葉は人気者。
今回こそ後日談というか今回のオチ。
やっとこのセリフをきちんと言えて、僕は既に満足だ。もう後日談なんて要らな・・・ああはいはい。きちんとやりますよっと。
黒羽四葉は翌日きちんと学校にきていた。皆、黒羽四葉のことはよく観察しているようで、彼女の顔を見るなり、「どうしたの!?」と殺到していった。ほっといてやればいいのに。いや、寧ろ彼らにそうさせてしまう、彼女の人望には脱帽というべきか。
逆に彼女が、僕に話しかけてくることはこの1週間なかった。おそらくこれから一生ないのだろう。まあ、普通ならこっから虐められるルート一直線なのだが、おそらくそれも黒羽四葉によって回避されるのだろう。ありがたい限りである。
しかし、現実はそんなことは許さなかった。
黒羽四葉が、話しかけてきたのである。そこまでならまだいい。問題はその内容だ。
その内容というのが、
「この前はありがとう。」
人によっては、僕にとっては復讐としかとれない言葉だった。
まあ、無論、僕にクラス中の敵意が向けられた。
やはり黒羽四葉も、完全なる善とは言えないらしく、そうして僕の学校での肩身は、更に狭められたのだった。
『捻くれ者は静かに暮らしたい。第1話 鬼憑き四葉』完。