第2話 テスト
〜〜大学〜〜
「なぁなぁ、明日テストあるって知ってた?」
「え?!マジで、言ってる?」
講義が終わると、友人の酒田港が話しかけてきた。
「大マジよ!さっき偶々教授の後つけてたんだけどさ〜」
「偶々の言葉の範囲を超えた行動すんな!」
「まぁまぁ──バレなきゃ犯罪じゃないから……それで盗み聞きしたら、抜き打ちがあるんだってよ!」
「テストか〜ダルい……」
「俺も勉強してないから安心しろ!」
そう言って、港は、俺に肩を組んでくる。
本当にバカだが、これでもイケメンだし、運動全般得意だから、女にもモテるし優しい奴だ。
「ま、俺勉強してるけどね〜」
「はぁ?!この裏切りモンが!」
〜〜帰り道〜〜
「あっ……」
大学からの帰り。港に絞められたせいで、少し痛みが残る首を撫でていると、俯いた愛菜ちゃんの姿があった。
もしかしたら、朝怒らせてしまったのを引き摺っているのかもしれない。
そう思い意を決して、愛菜ちゃんに声をかける。
「えっと……大丈夫?」
「その声?お、お兄さん……?!」
「え?!うん。そうだよ」
思っていた反応と違い、俺も驚いてしまった。まずは、大人として朝のことを謝らないと……
「えっと……愛菜ちゃ──」
「ちょうど良かった!愛菜を助けて〜!」
「ど、どういうこと?」
愛菜ちゃんの言葉に遮られ、謝ることが出来なかったが、その遮られた言葉に、疑問を投げかける。
すると、愛菜ちゃんは、実は──と話始めた。
『今日の授業は終わり!明日は、数学のテストだから忘れないようにね!』
「──って。先生が言ってたの……でも、愛菜完全に忘れてて、しかも1番苦手な数学だったから……」
「だから、あんなに俯いてたのか……」
「そう!だから〜お兄さんには〜愛菜に勉強を教える権利をあげま〜〜す!はいパチパチ〜!」
いきなり、声がいつもの調子に戻る。その変わりようは、さっきまで、弱々しく喋っていた子と、本当に同一人物なのか疑いたくなるほどだ。
「うーん……上手く教えられる自信はないけど──良いよ!じゃあ、場所はどうする?愛菜ちゃんの家?」
「やっt……あ、愛菜の家?!え、えっと〜そ、そういうのは……まだ、早いって言うか……や、やっぱりお兄さんって変態さんなんだね!!」
「え?!い、いやそんな……」
家なら、せっかくの謝るチャンスだと思ったのに──また、何故か怒らせてしまった。
「まっ、まぁ?!愛菜はお、大人だし〜?別に家で勉強しても〜?良いけどね〜?フュ〜フュ〜」
「あぁ、じゃあ行こっか……」
吹けてないのに、口笛してるのがとても可愛いけど。それに比べて、こんな年下に気を遣わせるなんて……恥ずかしすぎるだろ俺……
「ちょ、ちょっとだけ、ここに居て!」
「え?あぁ、分かった」
そう言って、顔を隠すと家の方へと、突っ走っていった。
「この光景……朝にも見た気がする」
〜〜佐々木家〜〜
「どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう!!!」
「一回落ち着きなさいよ……」
「だって、お母さん!」
「安心しなさい。バレなきゃ犯罪じゃないんだから、お母さんは出かけるけど、別に好きにヤッて良いわよ」
「なっ?!ヤッ………………」
「あら、倒れちゃった………はぁ、孫を見るのは、まだまだ先かしら……」
「愛菜は、まだ中学生なんだから、当たり前でしょ……お母さん」
「年齢なんて、恋愛に関係ないわ!」
「その言葉は、成人した人限定!」
「なら、あんたが見せてくれれば良いのに……」
「残念だけど、私は男に興味ないから。私の恋愛対象は、女の人だけなの」
「はぁ、残念ね〜。あっ、そういえば、愛菜は男の子を待たせてるのよ!」
「え?あ〜忘れてたわ」
「早く愛菜を起こして!私たちは出かけるわよ!」
「はいはい……」




