第四話 学校開放
キャラデザです。
時間ないのでちゃんとはかけてませんが、まぁこんな感じです。
もう小学生の絵とか言わせない。
……小学生のレベル上がってきてるからまだ小学生レベルか?
こんな感じの絵でよければ、1枚1500円で対応します。TwitterのDMから来てください((蹴
ちなみに色は塗りません。時間かかるので。
第四話 学校開放
学校に至るまでのゾンビの隙間を駆け抜ける。
こいつらすべてを倒して移動していたら、間に合うものも間に合わない。
それに、こいつらは一つの『巣』から生み出されている。なら、『巣』を倒してしまえばすべてが解決するのだ。まずは頭を叩き、その後、雑魚ゾンビを殲滅していく。
「多いなおい!」
いくら隙間を縫って移動しようと、やはり被弾する。
ゾンビは銃を使わないけれど、殴ったり蹴ったり、そこらへんに落ちているものを投げて着たりする。でも、ダメージはない。
「この装備がなかったら、ゾッとする」
ゲームで使っていた全身装備を身に着けているから、痛くも痒くもない。
頭、胴体、腕、手、足、靴、と全6種類の防具が設定されている。
それぞれに防御力が存在し、また様々なオプション効果も付与されている。そのおかげで、私は戦えているのだ。
「着いた」
目の前にいる大量の雑魚グール、そして、その中心に鎮座する『巣』。
鳴り響くグレネードランチャーの着弾音。音のしたほうを見れば、ここからほど近い場所にある、小さな校舎の周りにいた雑魚グールどもが弾け飛んでいた。
きっと通り魔さんだろう。
ショットガン――アトラスを構え、スキルを発動した。
「薙ぎ払え! 『火炎連弾』!」
刹那――アトラスが火を噴いた。
前方方向130度の範囲に、距離4mほどの火炎放射をするスキル『火炎連弾』。超至近距離でしか使えず、さらにマガジンにある6発の弾丸すべてを消費する。
威力は攻撃力1898ダメージ×300%に、×6発分だ。
35802ダメージを範囲内すべての敵に与えることができる、強力なスキルだ。PVPでは必須と言っていい。
雑魚グールたちを一掃し、『巣』にもダメージが入った。周囲の雑魚グールはほとんどが薙ぎ払われ、いっときの安全は確保されたも同然である。
「あとは砂で――」
武器をアトラスからミーティアに持ち替え、一擲闘魂を発動する。
ミーティアが煌めきを放つ。
スコープを覗くまでもなく、ミーティアの銃口を『巣』に押し当てた。
ズドォ――ン! ズドォ――ン!
二度に渡って射撃を行い、『巣』が弾け飛んだ。
「よし」
周りにいたすべての雑魚グールが消滅し、ほとんどの雑魚グールが消滅した。
残っているのは、80人ほどの人間だったゾンビ。
彼らも殲滅しなければ、被害が拡大する。ゾンビは感染するのだ。
「……仕方ない。狙撃しよう」
ちまちまと。
ズドォン、ズドォン、と。
愛用のミーティアで一人一人に止めを刺していく。
動きが鈍いゾンビなんて、ただの的だ。
一擲闘魂は使わない。
「こんなものかな」
見える範囲のゾンビをすべて撃ち抜いた。何発撃ったかはわからないけれど、ゲームと同じで無限にリロードできるあたり、助かった。
ひとまず、学校内の生存者を探そう。撃ち抜いた中には直樹がいなかった。つまり、生きている可能性が高いということだ。
「生きてる。絶対生きてる。……生きてるよな、直樹」
行きは屋上まで駆け上がった校舎を、ゆっくり全教室周りながら降りていく。
「ひぃ!」
「お、生存者発見~!」
男の子がいた。顔面が涙と鼻水でぐちゃぐちゃだ。
「よくここまで耐えたな。偉いぞ」
「ぇ、あ……助け……?」
「もう安全だからな。外、出るぞ」
「あ、は、はい!」
男の子はビビりながらも、私の後ろをついてくる。
そりゃそうか。隣に来るのは怖いよな。だって、スナイパーライフル持ってるし。
「生存者探してるんだけど、避難してそうな場所とかわかる?」
「は、はい! 本校舎と東館、あと放送室と職員室、あと部室棟、ですかね。もしかしたら体育館にもいるかも……」
「ん? 本校舎ってここだよな。放送室と職員室もここじゃねーの?」
「ぁ、は、はい。ここにあります。けど、本校舎の玄関が突破されたら、放送室と職員室、近いほうに避難するようにって……」
「なるほどなぁ」
話しながら、まずは職員室に向かう。
向かう途中、一階に降りる階段で10人ぐらいのゾンビ集団を発見した。
「下がって」
「は、はい!」
すかさずミーティアを構えて照準を合わせ、引き金を引いていく。
無事に対処が終わり、職員室の前まで移動した。
けれど、悲惨な状況が待っているだけだった。
「え、な、そんな……」
「あー……」
職員室に避難した人は全員がゾンビになっている。しかも、突破された窓一つだけしか出入口がないようで、鍵のかかった扉を開けられないでいる。
「じゃあ、放送室行こうか」
「はい……。清水先生……」
ぽつりと零した言葉に、愛情が乗っていた。
きっと片想いでもしていたんだろう。
ボーっと歩いていく男の子から目を外し、唯一割れて進入路になってしまった窓からグレネードを放り入れる。
数秒後――職員室が内側から爆発を起こした。
「!? え!? 何!? え!?」
「ただのグレネードだよ。放送室、こっちであってる?」
「え、いや、え? そっちですけど……?」
「そう」
男の子の混乱をよそに、私は歩いた。
すると、男の子も慌ててあとを追ってくる。
男の子は無言で、私も特に話すことなんてないし、無言だ。
そして、到着した放送室も職員室と同じだった。
「グレネード入れるよ」
「はい」
男の子が放送室から離れ、投げ入れたあと私も男の子のあとを歩く。
「その、その服? と銃と、あとグレネードって、どうやって手に入れたんですか?」
「え? いやー、それは言えないかなあ」
「お願いします。僕もゾンビを殺したいんです! 僕にも銃があれば! きっと銃さえあれば清水先生を救えたかもしれないんです!」
「ごめんね。これは渡せない」
男の子が顔を伏せ、涙を流す。
自然と歩みが止まって、私はそのまま男の子を置いていくことにした。
本校舎周辺のゾンビはすべて倒しきったし、男の子が東館と呼んでいた場所から大勢の人がグラウンドに出てきている。
「はー、渡せるわけないじゃん。こんなの渡せるの、プレイヤーしかいないって」
彼らは野球のヘルメットをかぶったり、バットを構えたり、ボールを握ったりしている。その後ろにいるのはスクール水着を来た女の子たちだ。
野球部と水泳部だ。
この中に、直樹はいるだろうか。
「お、いた! 無事でよかったぁ……」
集団の先頭を歩いていた、ドロドロになり怪我も目立つおっさんが声を荒げた。
「そこで止まれ!」
ビクリと体が反応し、硬直する。
「お前は何者だ! 先ほどの爆発といい、ゾンビどもの消滅といい、何か関係あるのか!?」
そりゃそうだ。
突然現れた、銃を持つ女子大生――あれ?
そういえば装備はすべて装着しているはず。てことは――完全に不審者では?
「黙ってないで何か言ったらどうだ! それとも宇宙人か!」
そして、直樹と目が合った。
ああ、そうだ。直樹はこの姿を知っている。
半年前、家でコスプレをする変な姉、になったからだ。
でも、直樹は首をかしげるばかりで、私に気付いていない。
……でもちょっと待って。もし直樹の姉であることがわかったら、この装備たちは絶対取り上げられるだろう。なぜって、ゾンビを殲滅させることができるほどの力を、日本が野放しにするはずがない。
「やあ、お疲れ」
「あ」
通り魔さんが戻ってきた。
あのときに渡した使っていない全身装備を身に着け、グレネードランチャーと盾を装備し、右手にはスマホを構えている。
録画でもしてるの?
「お前たちは何者だと聞いているんだ!」
「俺たちか? 俺たちは、そうだなぁ」
チラリと私を見る。スマホも一緒に向けられた。
これ、私が言うの? 私が言わなくちゃいけないのか!?
「私は……私たちは、プレイヤー。このゾンビたちを殲滅するために来た、プレイヤーだ」
プレイヤー? と誰かが、誰もが、口にする。
「つまり、俺たちに危害を加えるつもりはない、そういうことだな?」
「その通りだ」
「そうか。……そうか」
先頭にいたおっさんが、倒れる。ばたんと、前のめりに。
「「「英雄先生!?」」」
えいゆう?
「先生! 起きてください! 起きて! なんで、こんなところで……」
英雄先生、そう呼ばれているおっさんの体に、小さな異変を見つけた。
インベントリから注射器を取り出す。体力回復剤でいいかな?
「どいて」
「な、お前が何かしたんじゃないのか!?」
「そうだそうだ! お前が英雄先生を!」
「……ちが、う。こいつは何も、しちゃ、いねえ。クソッ」
英雄先生の腹部からは血がじわじわと流れており、止まる気配はない。
そんな腹部に、私は注射器を突き刺した。
「ぐおぉぉぉおおお……」
注射を完了し、注射器を抜く。すると、みるみるうちに流血が治まった。そして、英雄先生の顔に血色が戻る。
「ぉぉおおお? なんだこりゃ。生きてんのか、俺」
「生きてる。特別な回復剤を使った。これからも生徒の指導に励むといい」
「な、なっ……感謝する! あんたは俺の、一生の恩人だ!」
「気にしなくていい。それから――英雄先生、あなたになら、これを渡してもいい」
インベントリからハンドガンを取り出す。弾薬無限だけど、威力は最低クラス。雑魚グールを倒すのに2発も撃つ必要がある。
けれど、貫通力は400を超えている。
「それは私たちが使う武器の中でも最弱――でも、それはヘッド級にも攻撃を通すことができる。時間稼ぎをすれば、私たちの仲間が駆け付け、ヘッド級を見事打ち倒すだろう」
「へぇ、いいのか? プレイヤーじゃないのに」
「いいの! 特別!」
「そう。まぁ、お前がそういうならいいけどよ」
通り魔さんがスマホを下ろし、この場を去ろうとする。
そのあとを、私は慌てて付いて行った。