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第一話 プロローグ

創作に疲れました。

息抜きに書きました。

続きは未定。

とりあえず書くのは書くけど。


おもしろいとか続きが気になったりしたらブクマ評価等々していただけると嬉しいです。


それではどうぞ。




『NASAが宇宙船と思わしき物体を観測したと発表しました。NASAの計算によりますと、およそ三日後には地球に到達しうるということで、凄まじい速度を保ったまま進んでいるとのことです!』


 テレビのニュースに耳を傾けながら、PCのゲーム画面を見つめる。そこには、『三日後の正午、サービスを終了いたします』という文字。

 FPSゲームをプレイしていた私は、「あ~」と声を出しながら天井を見つめる。


「もうサ終……。早くない? まだ8年しか経ってないんだけど」


 小5からプレイし始めて、現在高校3年生。青春のすべてを注ぎ込んだこのゲーム、課金額にして30万円はくだらない。

 でもこのゲーム、課金したからと言ってキャラが強くなるわけでもない。強い武器を手に入れることはできるけれど、結局プレイヤースキルがないとやっていけない。なぜなら、頑張れば無課金でも課金装備を手に入れられるからだ。

 課金はショートカットの一つの手段なのだ。


「PVPとPVEがプレイできるゾンビゲー、これしかないんだよなあ」


 私がプレイしているゲームは、プレイヤー対プレイヤーのモードと、プレイヤー対モンスターのモードがある。

 PVEはほかのゲームにはない新しさもあるし、PVPに関しても、昨今流行りのバトロワではなく、ステージと参加人数を選んで部屋を立てて、部屋に入った人で遊ぶというものだ。

 ゲスト戦と呼ばれる、固定チームVS野良チームというものが、最近は多い。基本的に一匹狼の私はそういうものには呼ばれないが。


「うげ、明々後日、大会あるの? 非公式大会……出るか」


 サービス終了ということは、それだけプレイ人口も減っているということである。

 必然、プレイしている人はほとんどを把握している。


「えーっと、主催マジか。ゲーム内最強と名高いアマノじゃん……」


 三日後――実質二日後深夜に始まる大会に備えて、私はもう少しスナイパーライフルとショットガンの調整をすることにした。

 今日も就寝時間は深夜3時になりそうだ。



   *   *   *



 大会の日、当日。

 予めエントリーしていた私は、ディコードと呼ばれるゲーム通話アプリでチーム通話に入った。


「初めましてー」

『うわwwwマジで女じゃんwww』

『初めまして、よろしく』

「女ですが何か???」

『なんでもねーけどwww』

「言いたいことあるなら言えよ」

『えwじゃ、JKって噂もマジなん?www』

「マジ」

『はい嘘おつwwwお前みたいな芋砂がJKなわけwww』

「腹立つ~! お前殺す!」

『はいはい、じゃあまず自己紹介でもしようぜ』

『いやw知ってるだろお互いwww』

「それ。いまさら自己紹介しなくていい」

『あー……まぁそうだよな、うん。なんかごめん』


『煽りは挨拶』という名言がある通り、このゲームではまさしく、『煽りは挨拶』だ。

 キルしたら煽り、チャットをすれば煽り、話せば煽り。

 これがこのゲームのいいところだ。煽られれば腹が立つけれど、煽り返せば気持ちいい。


「盾で突撃しまくるキッズと、VPでは雑魚の連射武器――アサルトライフルを使うプギャーに、芋砂の私か。……勝てないなこれ」


 そして、想像通り、一回戦で負けた。でも、楽しかった。誰かとプレイするのは久しぶりだったからだ。


『カエデ、お前もメイン鯖来ね? いまプレイしてる奴ら全員集まってるし、別ゲーするにも他ゲーの奴らとやんの怠いだろ』

「あー、ほんとそれ。煽ったら晒されるし最悪バンとかありえなくない?」

『それなw煽り程度でバンとかやべーだろwww』

「じゃ入らせてもらう。ていうかプギャー雑魚すぎ。芋砂の私より雑魚って、もうAR持つのやめろよ」

『いや、ほんとごめん。でも単発武器当たんないんだよ』

『連射も当たってねーじゃんwww笑かすなお前www』


 そうして、私に仲間ができた。それもたくさん。

 まぁ、仲間と言えるかどうかは微妙だけど。



   *   *   *



『遂に宇宙人が地球に降り立ちます! この歴史的瞬間を見てらっしゃいますでしょうか!?』


 テレビの音声を聞き流し、私はサービス終了まで2分という文字を見つめる。

 あの大会のあと、私たちプレイヤーはいっぱい遊んだ。もうこのゲームをプレイできないから。通話は繋いで話している。最後だから。で、最後はみんなが同じチャンネルの同じ場所に集まり、集合写真を撮った。

 サーバーが重い。最後だから、普段ログインしてなかった人もログインしているのだろう。フレンドの中にも、そういう人が何人かいる。


『世界各地で同時に宇宙船を着陸させた宇宙人――いったいどのような姿をしているのでしょうか!? 残念ながら、日本上空には出現しませんでしたが、島国には現れておらず、大陸国家の一部にのみ姿を現しています!』


 あと1分を切る。

 秒数カウントダウンに切り替わり、みんなが少しトーンダウンしていく。やはり、思うところがあるのだろう。

 5、4、3、2、1――『サーバーと切断されました』と表示された画面。私はその画面を、5分か、10分か、ただただ見つめていた。


『扉が開きました! 世界初の宇宙人との出会い――え?』


 テレビが気になり、目をパソコン画面からテレビへと移す。


『こ、これは、なんということでしょう。どう見ても化物にしか見えないのですが……』


 カメラがアップになり、鮮明にゾンビが見える。


「ゴリウスじゃん、笑う。――え? ゴリウス? なんで?」


 サ終したばかりのゲームに出てくる、ヘッド級ゾンビだ。ヘッド級というのは、他ゲーでいう序盤の大ボス、中盤の中ボス、終盤の小ボスだ。

 しかし、化物だとしても、周りにいる米軍は銃を撃っていない。構えてはいるけれど。


『おいテレビ見たか? あれゴリウスだよなwなんでいるんだよお前www』

『ちょ、おいお前ら! TAB押してみろ! やべえってこれ!』

『『『『『TAB?』』』』』


 言われた通り、キーボードを見ずに私も押してみた。ゲームで使うキーは息を吸うように押せるのだ。

 すると、目の前にインベントリが出現する。


「はい? なにこれ」


 ゲームのデータそのままだ。PVPモードとPVEモードのそれぞれの装備がある。防具も、武器も。そして、アイテム欄には課金アイテムや普通のアイテム、注射器も多数入っている。なんなら、インベントリから倉庫にアクセスできるようだ。


「え、やば」

『やべえw装備できたんだけどwww』

『え、マジ!?』

『さすがにそれはないだろw……できちゃああああ!?www』


 え、これ装備していいの? 銃刀法違反じゃない? てかこのインベントリは何?


「よくわからん!」


『宇宙人が歩いています。手には何も持っていないように見えますが……』


 テレビの音声が遠くに聞こえる。

 私は装備の確認で精いっぱいだ。


「ていうか、ほんとに全部ゲームと一緒じゃん。待って待って。どうしよ」


『宇宙人がアメリカ大使ほか数人と向き合いました! 歴史的瞬間です! 遂に、遂に地球人は宇宙人と出会うことができました!』


「とりあえず私も着てみようかな。うーん……」


 私の目にはスナイパーが映っていた。愛用している課金武器のスナイパーライフル、その名は、まだない。みんなはミーティアと呼んでいる。

 なんとなく、現実に出現させる方法はわかる。

 でも、銃だ。引き金を引けば、もちろん弾が出る。


「っ……」


 なんて考えている間に、なぜか目の前に存在していた。どういうことだろうか。きっと、無意識に出したのだろう。


「やば、重く見えてそうでもない? かっこいい!」


『宇宙人が腕を上げました! これはどういう――え?』


「ん?」


 テレビに目を向けると、アメリカ大使とその他数人が死んでいた。ゴリウスに吹き飛ばされて。

 そりゃそうだ。ゾンビは喋らない。


『きゃぁぁぁああああ!!』


 テレビでは米軍がゴリウスに対して発砲し、倒した映像が映った。アナウンサーはしゃがみこんでお漏らしをしている。

 さらに、宇宙船からは4体のゴリウス、6体のタイタン、そしてただの雑魚グールが数え切れないほど出てきた。


 米軍が必死の抵抗を行うも、タイタンの持つ盾に阻まれて銃が効いていない。


「タイタンなんて雑魚じゃん早く倒せよ……」


 タイタンは普通の人間の2倍ほどの大きさで、ゴリウスは3倍ほどの大きさだ。そして雑魚グールは人間と同じサイズ。

 そんな大きなタイタンを覆い尽くす盾を破壊するのは難しい。でも、タイタンには明確な弱点がある。


『おいおいおい! タイタンはハメればいいんだよ! 盾に張り付けば動かなくなるんだ!』

『てか待てよゴリウスも雑魚だぜ? ヘッショダメえぐいんだし米軍何してんだ早く仕留めろ』

『あぁぁぁあああ……』


 そして、タイタンの盾は戦車でも抜けず、ひたすらに弾薬を消費する結果となった。タイタンの盾による突撃のダメージは凄まじく、戦車をひっくり返すほどである。

 もちろん、米軍、その他テレビ局や観客もすべてが死んだ。死んで、ゾンビになった。


「ええ……」




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