ブサイク、いい思いをする
盗賊を一息で壊滅させたレリア。馬車を取り囲んでいた盗賊たちは、物言わぬ死体として地面を赤く染めている。
その中で3人だけ、首を斬られず気絶し崩れ落ちている盗賊がいる。彼らは情報を抜き取るためにあえて生かされた者たちだ。全滅させても良かったが、突如乱入し勝手にふるまうのは軋轢のもとだ。情報も得ずに殺すか、牢に入れるかは護衛の冒険者たちと商人たちが判断するだろう。
「は、はひ~~。レリア殿早いでござるよ~~!」
「状況が状況だったからな。すでに盗賊は始末した。護衛をしていた冒険者と話をしてこよう」
息を切らしながら遅れて現場に到着する貞一。すでに盗賊は一掃されており、レリアは馬車へ向かって歩いていった。
くそ~。相変わらずレリアたんの方がカッコいいでござるよぉ・・・。拙者もカッコつけたいでござる。というか、普通に人殺してるんでござるが・・・。大丈夫なんでござろうか。人殺しで捕まったりしないでござるかね?
血だまりを作って地に伏している盗賊たち。貞一が来た時にはすでにこうなっていた。
冒険者との戦闘で死んだ者もいただろうが、首が綺麗に取れている死体はきっとレリアが殺ったのだろう。魔物の死体も血抜きが楽だと言って、よく首を斬り落としている。それを隣で見てきた貞一は、反射的に血抜きをしようと死体の足を持ち上げなくてはと動こうとしてしまう。はっと貞一は我に返り、なんてことをしようとしているのかと自分が嫌になった。
これが職業病なのでござるか!? 死体を見てもビクつくよりも『血抜きしなきゃ!』と思うような職業、嫌なのでござるが!?
随分冒険者が板についてきたなと思う反面、倫理観とはと答えの無い議題を考え出す貞一。遅れてきたのに冒険者とのやりとりもレリアにやってもらい、自分は死体を片付けることもせず妄想に浸っている。貞一がこの先カッコいいシーンを見せられる日など、来るのだろうか。
一方レリアは、仲間の介抱をしている冒険者たちをスルーし、馬車の扉を開け事情説明を行っている様子の冒険者に近づいていく。そこには依頼主もいるだろうから、話が早いと判断したためだ。
「盗賊は倒したのか!?」
「はい。荷馬車も無事です」
「本当か! よくやった!!」
「いや、私たちが倒したのではなく・・・あっ! 彼女です! 彼女が・・・」
依頼人であろう商人と話していた冒険者は、レリアを見つけると紹介しようとするが、途中で止まってしまう。あれだけ苦戦した盗賊を一方的に殲滅したのだ。どんな魔力が豊富な者だろうかと思っていたら、正体が魔力無だったのだ。想像と現実の乖離が大きすぎて、彼は固まってしまった。
不審に思った商人が、何がいるのだと馬車を降りて冒険者が見ている方向を見る。
「なんでロストがこんなところにいるのだ!! 汚らわしい!!」
商人は声を荒げると、身をのけぞるようにして全身で不快感をあらわにする。その態度から、ロストに対する忌避感の強さが垣間見えた。
「盗賊について話をしたいのだが」
「ふん、感謝しろ! ここらにいる盗賊は、私が雇った冒険者たちが殺してやったわ! お前も殺されたくなければさっさとどこかへ行け!」
「いや、ですから私たちが倒したのではなく、彼女が盗賊を倒したのです!」
馬車の中で隠れていた商人は、盗賊の最後を見てはいない。彼の常識から考えれば、ロストであるレリアが盗賊を倒すなど考えることすらバカバカしいくらい、ありえないことだった。
「ロストが盗賊を倒した!? ありえんだろう! 何を言っとるんだ貴様!」
「私もそう思うのですが本当でして・・・」
話は一向にまとまらず、無理だ! でも・・・ 無理だ! でも・・・と繰り返すばかり。不毛なやり取りに、レリアは自分がいては収集が付かないなと決断する。
貞一に旅の商人と偽って話しかけた盗賊がいたように、他にも潜伏している可能性があるぞと忠告するだけだったのだが、本隊は倒したのだし問題ないだろう。そう思い、貞一のもとへ戻ろうと踵を返すレリア。
レリアにとって盗賊を誰が倒したかなどよりも、手持無沙汰で居心地悪そうにウロウロしている貞一を放置しておく方がずっと問題だった。貞一ならば話が通じなかった事情を話せばわかってくれる。
この馬車も行き先はイコ・ルマンだろう。商人のロストに対する態度は、この世界の一般的な態度だ。一緒にいてもお互い嫌な気持ちになるだけ。彼らが出発の段取りを整える前に、離れた方が賢明そうだ。
離れていくレリアを見た冒険者は、レリアが向かう先にいる豊満で彫刻のように整った顔をした、見るからに魔力が豊富そうな男を見つけた。そして、点と点が結びつくように、酒場で聞いた与太話を思い出していた。
『ロストが聖騎士をしている魔法使いが、冒険者をやっている』
どこからツッコめばいいのかわからないような、噂話だ。そんな馬鹿なと、酒のつまみにもならない、つまらないホラ話と仲間たちで馬鹿にしていた。魔法使いから身体強化の魔法を受けることが許された選ばれし騎士である聖騎士に、ロストを抜擢するなど面白いどころか不敬とさえ思える冗談だ。まだ『明日月が降ってくるぞ』と言われた方が幾分マシだ。
だが、もしその話が本当だとしたら?
「お、おい! 待て! あの男は、シコティー・・・いや、シコティー様か!?」
その話を持ってきた奴は、ロストという醜女を操る魔法使いの名前をシコティーと言っていた。もし魔法使いであるならばと、彼は敬称を付けてレリアに確認する。
決して、彼は貞一のことをシコったティッシュ、略してシコティーと馬鹿にしているわけではない。敬称を付けてより高度な悪口を言っているわけではないと、ここに明言しておこう。
「・・・あの方の名前はティーチ様だ。変な名前で呼ぶな」
「ティーチ・・・」
噂の男とは違ったか? と考え込む冒険者だが、商人は違った。商人は冒険者との食い違う意見や貞一の容姿から、盗賊を殺した立役者があの男だと直感した。当たらずしも遠からずな結論を出した商人は、貞一を優秀な冒険者と判断し即座に近づいていく。商人としての感が、この男を逃すなと告げていた。
「盗賊の魔の手から救ってくれたようで感謝いたします! 私はイコ・ルマンで商いをしている、モルソー商会の会長、モルソーという者です。以後お見知りおきを」
レリアたちと接していた態度が嘘のように、モルソーはもみ手でもするかのように貞一にすり寄っていく。モルソーは貞一を一目見ただけで、内包する圧倒的な魔力量に媚びるべき相手だと理解したのだ。
彼の商会は、イコ・ルマンの中でも有数の大店だ。そのため、モルソーはイコ・ルマンを守護する貴族にも品物を卸しており、直接話すこともある。だからこそ、魔法使いの容姿が他の者と比べてどれほど一線を画すかも知っていた。
そんな彼は、貞一を見て思ったのだ。イコ・ルマンを守護する貴族と同等、いやそれ以上の魔力をお持ちのお方だと。
魔法使いとはさすがに思っていない。しかし、冒険者であるならばすぐにでもゴールド級に駆け上がるだろう素質の持ち主だと、彼の直感が断言していた。
一人ポツンと佇んでいた貞一は急に話しかけられ、ビクリと肩を震わせる。話しかけてきた男、モルソーはスラリとした背の高い、鷲の様に鋭い眼をしたイケオジだ。いかにも仕事のできる管理職のような男がもみ手ですり寄ってくるのは、妙な威圧感がある。
「は、はぁ」
「あなた様のお名前を教えていただけないでしょうか?」
「え、ああ! 拙者はティーチでござる。カッパー級の冒険者でござるよ」
状況が全く理解できていない貞一は、思わず生返事を返してしまった。
「ティーチ様ですね。この街道を利用しているということは、目的地はイコ・ルマンではないでしょうか?」
「そ、そうでござるよ」
「おお! 素晴らしい! それならば、ぜひ私どもの護衛を引き受けてはくださらないでしょうか! ああ、ご心配なさらず! 冒険者ギルドには私から正式な依頼として取り扱うよう言い含めておきますので」
イコ・ルマンまでは1日程度で着く。その間にゴマをすり、新たなお客様にすべく全力を尽くそうとするモルソー。
「依頼でござるか? う~ん。ちょっとパーティメンバーと相談してくるでござるよ」
しかし、貞一の回答は保留。モルソーは二つ返事で了承をいただけると思っていただけに、思わず目をぱちくりしてしまう。
それもそうだろう。冒険者ギルドを通す正式な依頼であれば、達成すれば冒険者としての評価も得られるし、依頼金ももらえる。同じ目的地で、かつ明日には辿りつく街までだ。断る方がおかしい好条件であったのだから。
そして、更にモルソーは驚愕する。最高クラスの魔力量を持つであろう貞一が、なんと真逆も真逆の存在、魔力無の女と口を聞いているのだ。
状況から察するに、彼のパーティーメンバーとは、ありえない、非常にあり得ないことだとは思うが、あのロストのことだろう。そして、貞一は『相談する』と言っていた。つまり、雑用係の召使ではなく、依頼を受けるかどうか相談し合うほど対等な関係ということをモルソーは読み取った。
呆けること暫し。脳が状況を整理し、モルソーはこれから自分が取るべき方針を決め、行動する。
「ティーチ様、護衛は引き受けていただけそうですか?」
ずいっと二人が話す輪に入り、回答を促すモルソー。
「いいんじゃないか? 他の冒険者からもイコ・ルマンの魔境について聞くことができるだろう」
「そ、そうでござるか?」
「決まりましたね! なら、ティーチ様はぜひ馬車へ! 窮屈かもしれませんがどうぞどうぞ!!」
レリアの返答を是とし、モルソーは強引に馬車へ貞一を連れていく。貞一は押しが強い人間に弱いため、簡単に馬車へ押し込まれてしまった。
「レリア殿は!?」
「さすがにロストはご遠慮ください。ビーツ! 盗賊たちは片付いた! 急いで積み荷の確認をして来い! 出発するぞ!」
モルソーは部下らしき馬車の御者に声をかけると、あれよあれよと話が進み、気づけば馬車が出発してしまった。
こ、これが仕事ができる男と言うやつでござるか!? 行動が早すぎるでござるよーーー!!
貞一の心の断末魔に誰一人耳を傾けることはせず、モルソー商会一行はイコ・ルマンへ向け出発するのであった。
◇
「ティーチ様ったら面白いのね! それで、その後はどうなったんですか??」
「デュルフフフ、そうでござるか? その後はでござるね」
盗賊と戦闘をしてから一夜明け、もうそろそろイコ・ルマンの街へ着くという時刻。旅路はいたって快適で、モルソー商会一行は二度目の襲撃を受けることは無かった。
「突っ込んでくる魔物たちを、拙者の魔法で跡形もなく消しとばしてやったんでござるよ!」
「まぁ! さすが魔法使い様! ああ、私も一度でいいからティーチ様の魔法を見てみたいわ!」
「ふっ、拙者の魔法は危険すぎる故、魔物相手じゃないと使えないんでござるよ」
レリアは護衛をしていた他の冒険者たちと共に、馬車の周りの警備にあたっている。モルソーは二つの冒険者パーティを雇っていたのだが、盗賊の襲撃により死者2名、重傷者1名、けが人多数となっていた。
死者が出たが、出発を後らせることは無い。死者は昨夜野営をした際に、弔われた。冒険者の彼らに、護衛中に感傷に浸る暇などない。これ以上の犠牲を出さないよう、最大限警戒することが彼らができる唯一の仕事なのだ。
仲間を思い涙を流すのは、イコ・ルマンへ着いて護衛任務が完了した後だ。誰も彼もが沈痛な顔を浮かべ、自分たちの弱さに歯噛みし周囲を警戒している。
「ティーチ様のお腹は本当に素敵な張りをしてますわね」
「そんなことないでござるよ~! ただ太っているだけでござる」
「それが素敵なんですわ!」
レリアは護衛しつつも、冒険者たちからしっかりと情報収集をしていた。二組のうち、一つがイコ・ルマンで活動している冒険者だったため、有意義な情報を聞くことができた。
彼らもロストであるレリアを嫌悪し、近づくだけで嫌な顔をしていた。しかし、自分たちを窮地から救ってくれた借りがあるため、邪険にはせず質問に答えてくれる。フレンドリーではなく距離もとられているが、無視をされるわけでもないためレリアとしては全く問題ない。
「ソミラはすっかりティーチ様にお熱のようだな」
「お父様!? 余計なこと言わないでください!」
「ティーチ様もどうなんだい? 親バカかもしれんが、ソミラはよくできた娘でね。ティーチ様もソミラのことは悪く思ってないんじゃないかい?」
「ドプフォww いわゆるストレートな質問でござるね!? そんなことをいわれましても、拙者は・・・デュフフフwww」
さて、いい加減この醜悪な男についても触れておこう。
レリアは一人で護衛を粛々とこなし情報収集まで行っている傍ら、貞一はというと接待を受けていた。接待。まさにその言葉がふさわしいと言えよう。
モルソーによって馬車の中に連れ込まれた時は、気まづくて胃が痛い思いをしていた。イコ・ルマンに着くのは明日。つまり、最低でも一日は初対面の男と狭い馬車で過ごさなければならないのだ。
話すネタも無ければ、聞きたいことも特にない。いや、イコ・ルマンについての情報を聞けと言いたいのだが、密室で知らない人と会話をしなければいけないことに絶望していた貞一の脳みそは、そこまで回っていなかった。
しかし、実際はどうだろうか。馬車の中にはモルソーだけでなく、ソミラというモルソーの娘も一緒に乗っていた。モルソーがイケオジだからか、娘のソミラもキレイな女性であった。お洒落なカフェでバイトでもしていそうな可愛い店員さんのような娘だ。
そんな二人が、貞一をもてなしていた。
モルソーは一代で商会を大きくしただけあり、口が回る。話す内容はウィットに富んでおり、聞いていて飽きもせず、コミュ障の貞一とも楽しく話題を広げることができるほどの話力であった。ソミラは貞一にグイグイと迫り、さりげないボディタッチを混ぜながら貞一の話を全肯定してくれる。すごいすごいと貞一を褒める姿は、キャバ嬢の様にも感じられた。
この二人。顔が整っているということは、この世界ではブスブサイクということだ。
はたから見れば、ブサイクなやり手商人がイケメン冒険者に媚びを売り、ブスな女がキャーキャー言いながらすり寄っているように見えている。しかしここは逆転世界。普通の男ならばブスが妙に触ってくるためキツイ思いをするところ、貞一はむしろ鼻の下をデロンデロンに伸ばしながらまんざらでもなく受け入れている。
レリアという相棒が仕事をしている中、この男は別の女にちやほやされて楽しんでいるのだ。魔法使いというのは厄介ごとの種になるからできるだけ秘密にしておこうと、レリアと相談していたにもかかわらず、速攻で自慢げにばらすあたり、救いようのない男である。
しかし、貞一もただ屑プレイをしていたわけではない。
「そろそろイコ・ルマンに着きそうですな」
「モルソー殿。イコ・ルマンでの宿でござるが・・・」
「わかっていますよ。ロストも宿泊できるよう手配しておきますとも」
貞一はモルソーにお願いし、ロストであってもちゃんとした宿に泊まれるように手配してもらう約束を、取り付けていた。幸い、モルソーはイコ・ルマンでは顔が利くようで、宿の手配は問題ないと請け負ってくれたのだ。
不良が捨て猫を拾って好感度が爆増するのと同じように、宿の手配をしておけば自分の今までの蛮行が許されると思っている貞一。レリアが睨まれながらも必死に魔境について情報収集をしている傍ら、腕を抱かれデュフデュフ言いながらお酌を受けていた事実は決して消えない。決して消えないからな貞一。
「くどいようですが、本当にロストとのパーティを続けるんですか?」
「そうでござるよ。レリア殿は強いでござるからね。二人で頑張っていくでござる」
モルソーがじっと貞一の目を見て問いかける。貞一が魔法使いであること、そしてロストであるレリアとパーティを組んでいることに、モルソーは大変驚いた。そして、ロストがいかに下賤であり不完全な生き物かということも延々と聞かされた。魔力が無いため仲間としても使い物にならず、ロストがいるせいで足を引っ張られることの方が多いだろうと。
魔力は魔物から身を守る術として神から与えられた、尊き力。それを一片も持ち合わせていないロストというのは、神から見放された人以下の存在だと。
厄介なのは、モルソーもソミラも悪いことを言っているという認識がないとこだ。善意であなたに言っていますというスタンスなのだ。まるで、キャバ嬢の営業メールを本気にしている男に対し、そいつは辞めたほうがいいよと周囲が止めようとしているように。
だからこそ、貞一も怒るに怒れず、微妙な顔をして大丈夫でござるよと、何が大丈夫なのかはわからないが、やんわりとパーティを続けると伝えている。
「会長! イコ・ルマンが見えてきましたよ!」
御者が大きな声でモルソーたちに到着を知らせてくれる。
「おお! ここがイコ・ルマンの街でござるか!」
馬車の窓から身を乗り出して見てみれば、街道の先に街が見えていた。しかし、ネスク・テガロを見た時の様に感動するかというと、そうでもない。というのも、ぱっと見たかぎり、ネスク・テガロの街並みとそう変わらないのだ。
それもそのはずで、街の運営は王都から派遣されてきた管理官が行っている。彼らは地形や土地の気候に合わせたり、その土地の歴史を汲んだ街づくりをしている。ネスク・テガロとイコ・ルマンでは、気候も大きく変わらなければ、歴史も同じようなもの。結果、街並みも似たり寄ったりになるのは当然の結果と言えた。新宿で育った者が渋谷や東京駅を見て感動が薄いのと同じだ。どこも人が多く背の高いビルが立ち並ぶという景色は、そう変わらない。
「ティーチ様はネスク・テガロで活動してたんですよね。それでしたら、鍛冶屋の多さにきっと驚かれるでしょう。イコ・ルマンは鍛冶師たちの街ですからね」
イコ・ルマンの魔境は、ゴーレムばかりが出てくる特殊な魔境だ。ゴーレムは魔鋼をエネルギー源にしているため、イコ・ルマンでは魔鋼が街を潤している。
魔鋼とは、装備や魔道具に使われる素材だ。この街では魔鋼を使った武器製作をする鍛冶師たちが大勢いて、この街で造られた装備品は冒険者にとっては高級ブランドの様に、持つだけでステータスになるようなものなのだ。
モルソー殿はレリアたんに対してちょっとアレでござるが、大きな商会の会長と知り合えたのはきっとでかいでござるよ! 宿の心配もないでござるし、この街で絶対に白混じりの魔鋼を見つけてみせるでござる!
必死にそれっぽいことを考えながら、窓の外を見る体で身体を寄せてくるソミラの柔らかさに全神経を集中している貞一は、そのうち大きな罰でも当たってほしいと思うところだ。




