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夜㉒ 小間竜騎の思い

小間が遂に…。


 天高く、空の向こう側までどこまでも突き進む、深紅の光の矢。

 しばらくすると、光の矢は徐々に勢いを失っていき、そして消えた。

 それと同時に、聖剣アテナとの融合が解除され、再び聖剣と分離する俺と龍彦。

 どうやら、今のが最後の一撃だったようだな。


 塵一つ残さず光と共に消え去っていったサタンを、俺は虚ろな目で見ていた。


 サタンが消える直前、俺には奴の言葉が微かに聞こえていた。


ワレは何の為に生まれて……」


 確かそんな事を言っていた気がする。

 そして、それと同時にサタンの記憶が断片的にだが、俺の頭に流れ込んできたのだ。

 何故、そんなものが俺の頭に流れてきたのかは知らない。

 海藤と同じように底知れぬ闇を持つ俺に、何か感じるものでもあったのだろうか。それは定かではないが。


 いずれにせよだ。

 何千年も憎しみを抱き続け、復活を遂げようとしていた大魔王が、随分と小さな事に捉われていたんだな。


 サタン。

 お前の小さな疑問に対して誰が答えを持っているのかは知らないが、代わりに俺が教えてやる。


 俺も、海藤も、ましてやお前にも生まれてきた意味など存在しない。

 俺たちはただ意味も無く生まれ、そして無意味に死んでいくのだ。

 俺たちの心を埋め尽くすどす黒い闇。

 俺たちはこの闇に従って、支配されて、ただ何かを壊していく。それだけなんだよ。

 今から俺がそれを教えてやる。


 さて。

 なんとかサタンを倒すまでは持ちこたえたがこれ以上は限界だ。

 もう自分を上手く保つことができない。

 

 万丈。

 お前はさっき終わらせると言っていたが、残念ながらまだ終わっていない。

 本当の終わりはここから始まるんだ。


 そして願わくば、お前の手でこれを終わらせてくれる事を祈る。

 お前が勇者だというのなら、目の前の悪から全てを救って見せろ。



お読みいただきありがとうございました。

次回、小間が遂に動き出す!

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