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昼① 3回戦開幕!

いわゆる箸休め回です。


「こーまっ! も~起きなさいよ~」


「竜騎君。起きてください」


「こまぁ。はやく起きないと遅刻するよぉ」


「……小間竜騎。さっさと起きる」


「小間さん。起きないと失格になってしまいますよ」


 ……なんかデジャヴだな、この状況。


 俺、小間竜騎は真っ白な空間に横たわっていた。

 そして俺の周囲には、紅クレア、天上ミコト、砂肝汐里、鳥皮好実、女神の5人がおり、俺を起こすために声を掛けてきた。

 はぁ、またこの夢か。どうせまたデブスが走ってきて「あたしが6人目の花嫁よぉ~ん! ヴふふん!」なんて言ってくるんだろ。全く、流石にワンパターンすぎるぜ。


「デブスはどこだ? どうせいるんだろ? 出て来いよ」


「何言ってるのよ小間」


「マキナさんはいませんよ」


 おや? どうやら前に見た夢とは展開が違うみたいだ。


「まぁいないなら全然いいや。せめて夢の中だけでも存分に楽しもうぜ」


 俺はいつの間にか出現していたベッドで一緒に寝るように皆を促し、一足先にベッドへ潜り込もうとする。

 しかし……


「あれ? 誰か寝てる」


 布団をかぶっているので顔は分からないが、頭だけが布団から出ていた。

 しかし綺麗な金髪だな。髪もさらさらだ。でも、ミコト以外にあんな綺麗な金髪の女の子いたっけ?


「まぁいいか! せめて目覚めるまで美少女を堪能するとしますか!」


 俺は勢いよく布団をめくり、ベッドに潜り込む。

 背を向けているので、金髪の女性の顔はまだ分からないが、随分と綺麗な背中だな。

 いや、綺麗というか……女にしては随分ごついな。引き締まった背筋に割とたくましい腕。

 それにごつごつした体のラインといい、とても女性のものとは思えなかった。


「……誰だ、お前」


 俺は隣で寝そべっている金髪の女性(?)に声を掛ける。

 すると、金髪が寝返りを打ってこちらを振り向いてきた。


「アーハハハハハァッ!! 小間ァ! 地獄に葬ってやるから覚悟しやがれェェッ!!」


 そこには、鬼の形相で高笑いする全裸の海藤咲夜の姿があった。



--------------------



「ふぁあああああああああああああっっ!!!」


 俺は、自分の断末魔の叫びと共に悪夢から目覚めた。


「おえ……。なんつー悪夢だ……。デブスの方がまだマシだわ。女だし……。海藤あの野郎……マジでぶちのめしてやる」


 完全に八つ当たりだが、妥当海藤を決意する俺。

 それにしても、マジで最悪の夢だった。


「こんな状態で3回戦を迎えなきゃいけないとはな……ん?」


 ふと横を見ると、布団がやけに膨らんでいるように見えた。


「……まさかな」


 俺は布団を勢いよくめくる。


「がごおおおおおお……ふんごおおおおおお……」


 そこには、チューバの様な重低音のいびきをかきながら爆睡している出部栖でぶすマキナの姿があった。


「いや……なんでいるんだよこいつ。今日は一緒に寝てねぇだろ」


 気持ちよさそうに眠るデブスを黙殺し、俺はベッドから出ようとしたが、突如デブスのぶっとい腕に掴まれてしまい、身動きが取れなくなってしまう。


「……なんだよ、デブス」


「ここにいて、坊とお遊びしろ」


 急に何を言い出すのかと思えば、どこぞの神隠し映画のでかい坊やみたいな事を言い出した。

 てか、言われてみれば結構似てんな。実写版?


「おんもに行くと病気になるんだぞ」


「……手を放せ」


「行ったら泣いちゃうぞ。こんな手すぐ折っちゃうぞ」


「いってぇ! わ、分かった! 3回戦終わったら遊んでやるから!」


「ダメ今遊ぶの!」


「いつまでやってんだクソボケがっ!!」


 俺は布団を思い切りめくりあげ、デブスに叩きつける。


「もぉ~だぁりんったら冗談通じないんだからぁん。ヴふん♡」


「なんでお前が俺のベッドで寝てんだよ」


「夜寂しくなっちゃってぇ、だぁりんの部屋の鍵が開いてたから、入ってきちゃった♡ ヴふん」


 皆さん戸締りには注意しましょう。マジで。


「夢では海藤に襲われ……現実ではドブで味付けしたべ〇マックスみたいな女に襲われ……マジでロクなことがねぇ……」


「あら酷いこと言うじゃなぁい。ヴふん♡」


 意に介していない様子のデブス。

 すると、部屋全体に癒し効果抜群の女神の声が響き渡った。


『皆さん。3日目、昼のフェーズ開始30分前です。今から30分以内に昨晩の白いドアを通った先で待機していて下さい』


 昨日と全く同じフォーマットのアナウンスで連絡事項を伝える女神。


「そんじゃ行きますかねぇ」


 俺は上着に袖を通し、部屋を出る。


「さぁ! 行きましょうかねぇん! ヴふん!」


「なんで当たり前のようについてきてんの……お前」


「あらぁん! つれないわね! いいから行くわよん!」


 デブスは俺の手を引っ張りながら廊下を歩き続け、そして白いドアを通った。


 白いドアの向こう側。

 そこには、2回戦とは真逆の光景が広がっていた。

 さながら、真昼間の都会のど真ん中に連れてこられたようだ。


 そして目の前には、2回戦を勝ち進んだプレイヤーたち、そしてこのバトルロイヤルの主催者である女神が会話一つせずに突っ立っていた。

 どうやら、俺たちで最後らしいな。


「全員揃いましたね。ではこれより、バトルロイヤル3回戦を開始します!」


 よく通る声で高らかにそう宣言した女神。

 いよいよこのバトルロイヤルも残り10人。

 人数こそ大幅に減りはしたが、今まで以上に熾烈を極めた戦いが始まる……そんな予感がした。



お読みいただきありがとうございました。

次回、ついに3回戦開始です。その内容とは……?

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