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36/103

夜① 相性

3回戦出場者


海藤咲夜かいどうさくや  A-12

砂肝汐里すなぎもしおり  C-03

出部栖でぶすマキナ  D-04

空木勇馬からきゆうま  B-01

桃木ももき瞑亜めあ D-13

小間竜騎こまりゅうき  E-02

くれないクレア  A-03

天上てんじょうミコト  A-13

万丈龍之介ばんじょうりゅうのすけ  D-10

鳥皮好実とりかわこのみ  B-04



「では以上を持ちまして、2回戦を終了致します! 皆さま、お疲れさまでした!」


 バトルロイヤル2回戦の終了を宣言する女神。すると突然、プレイヤーたちの目前に、ここに来るときに通った白いドアが出現した。


「それでは只今から夜のフェーズに入ります。3回戦は次の昼のフェーズからになります。それまでゆっくりとお休み下さい」


 ぞろぞろと白いドアを通ろうとするプレイヤーたち。最初の時と比べると本当に減ったもんだ。元々54人もいたのに、今や10人しかいない。

 ……っと、そうだ。こいつらに話しておかなきゃいけないことがあった。


「あープレイヤーの皆さん。戻る前にちょっといいか?」


「な~にこかんちゃん。わたし早く部屋戻って寝たいんだけど~」


「そんなに時間取らねぇから。つか「こかん」じゃなくて「こま」な」


 俺は桃木の言葉を訂正して、こほんと咳払いする。


「この中に「勇者カイン」がいたら、夜のフェーズに俺の部屋に来てくれ。「勇者カイン」が来るまでは部屋にいるつもりだから、どのタイミングでも構わない」

 

「はー? 何言っとんねん小間君。中二病かいな?」


「聞いて損した~」


 そう言って去っていく桃木と空木に続いて、他のプレイヤーも皆、白いドアの向こうに消えていった。

 よし、俺も自室に戻るとしよう。


「あーすげぇ久々に戻ってきた気がする」


 白いドアを通ると、昨晩、俺たちが休んでいた高級ホテルの様な空間に繋がっていた。しかし、相変わらずどこを見てを一級品な装飾だな。ぼーっと眺めながらそんなことを思っていると……


 バチィッ!!

 ……と、俺の股間の竜が何らかの攻撃をオートガードした。どうやら誰かが俺に攻撃を仕掛けたらしい。


「ククッ。相変わらず便利な竜だなァ。そいつがなければ、今頃クビちょんぱだったのになァ」


「海藤……」


 どうやら俺に攻撃を仕掛けたのは海藤だったらしい。

 思えば、昨日このドアを一緒に通ったのも海藤だったな。まぁ昨日のあいつとは全く別人だが。


「なんか用か? 疲れてるから早く休みたいんだが」


「まだテメェに聞いてないことがある。オマエ、どうやって「黒結界ダークドーム」から出た?」


「あぁそれか」


 そう言えば話してなかったな。


「俺は何もしていない。あの結界をどうにかしてくれたのはミコトだ」


「ミコト? あァオマエの仲間の女のどれかか」


 どれかって……全く認識していないな。


「あいつの異能とお前の結界、どうやら相性が悪かったみたいだぜ?」


「相性……そうか、あの女の黄金の不死鳥の力か」


「そうだ」


 俺は異能や魔術について細かいことはほとんど知らないが、なんとなく分かってきたこともある。

 異能や魔術には「属性」があり、それぞれ相性が存在していること。

 海藤の「黒結界ダークドーム」を仮に「闇属性」とすると、ミコトが操る黄金の炎は「光属性」だった。

 このことに気が付けたのは、事前に黒騎士と戦っていたことが大きい。あいつの弱点が黄金の炎だったことが「黒結界ダークドーム」を破るヒントとなった。まぁ黒騎士と「黒結界ダークドーム」ってなんとなく闇属性っぽいじゃん、という適当な理由から強引に結び付けただけだったが、結果的に合ってたぽいのでその場は良しとした。


「ミコトの黄金の炎をフルに使って、一時的にデブスと砂肝にかけられた魔術と「黒結界ダークドーム」を無効化し、その隙にデブスと砂肝から離れ、結界から出ることに成功したって訳だ」


 ちなみに、俺の竜でも異能と魔術を無効化できるが、いかんせん効果範囲が狭い為、結界から出るには至れなかった。


「ハッ。わざわざご苦労さんだなァ。そんなことしなくても、女2人を殺せば済む話だったのによォ」


「俺もそうしたかったんだが、クレアの奴が邪魔でな。それに……砂肝とデブスを生かした方が、お前らチーム1の点数を下げられるからな。つっても、お前らがあんなに点数を稼いでるとは思わなかったが」


「ククッそうかい」


 海藤な不敵な笑みを浮かべながら、俺の横を通り過ぎていった。

 満足したようで何よりだ。


「小間ァ!」


 俺も自室に戻ろうかと思った瞬間、海藤に再び呼び止められる。


「楽しみにしてなァ。オマエのことはただじゃ殺さねェ。ゆーっくり、ゆーっくりと、飽きるまで痛めつけて、オマエの断末魔を聞きながら原形も留めねェ肉片にして殺してやるからなァ……あはへはァ……」


 海藤は気色悪い笑みを浮かべながら、一方的にそう言い残して去っていった。


「……はぁ。多少は慣れてきたが、やはり本性を出したあいつと喋るのは疲れるな」


 流石はサイコキラーにして元魔王と言うべきか。その威圧感と冷たい殺気は伊達じゃない。話しているだけで神経がすり減っていくのを感じる。


「本当に倒せんのか……あんな奴」


 生前、俺もある程度は人間の闇みたいなものに触れてきたが、あいつは次元が違う。話しているだけで分かる。あいつは所謂「人間の闇」そのものだ。元々同じ人間だったとはとても思えない。どんな生き方してりゃ、あんなバケモノが生まれるんだか……。海藤は俺のことを同類なんて言っていたが、とても共感できないな。


「厄介な奴に目を付けられたもんだ」


 人数は大幅に減ったものの、今後のバトルロイヤルがさらに荒れていくことを感じ取った俺は、鬱屈しながら自室へ入ったのだった。



お読みいただきありがとうございました。

次回、小間の部屋に来客が。

この来客が勇者なのか、それとも…

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