できればヒロインが良かったです。
第1章 できればヒロインが良かったです。
目覚めると狭い部屋にいた。
「あぁ、おきたかい?」
どこかで聞いたことあるような、、。
「私の言葉がわかるかい?」
言葉?ここどこ?日本語だからわかるけど。
「は、、はい、わか、わかりま、す、」
私は、下を向きながら答えた。
すると彼は、
「そうですか、よかった。」
と、優しい声で答えた。
この人は誰なんだろう。と、思いながら彼の姿をちらりと見た。艶のある長い黒髪、整った顔立ち、同じ世界の人とは思えない。
私は勇気をだして彼に聞いた。
「あ、あの、ここはどこなんですか、?」
え?これ私の声?さっきの返事ではわからなかったけど、この声小学生位の子のようじゃない?
と、私が考え込んでいると
「ここは、江戸にあるお茶屋『春疾風』という所です。」
と、彼は微笑みながら言った。
えっ?江戸??江戸って?江戸時代とかの?
現代に江戸なんてあったっけ?江戸、江戸、え…
お茶屋、春疾風って、まさか、独身の私が密かにコツコツやってた乙女ゲームの『君の心に愛というなのお茶を注ぐ』!?あの、とてつもなくダサいけど、出てくるキャラだけは良すぎるあれ!?
で、でも、本編に、こんな長髪美男出てきてたっけ…?
あ!!!出てるわ!3週目から突如現れる隠しルートの『伊織』!
う、うそぉ、まじかぁ、いやね?私もね?転生系とか、よく読むからさ、憧れてたけどね?若干嬉しいけど!さっきから、窓に移る私を見た感じ、この子、、悪役だわぁぁぁぁあ!!なんでよぉ!そこはヒロインだろぉ。。
まだ、彼の名前を聞いてないから、確定ではないけど、私の容姿とお茶屋の名前でほぼ確定よね。でも、一応聞かなくちゃ。
「あの、お、お名前はなんて言うんでか?」
あ、かんだ。
「ふふ、私は、伊織といいます。貴方はなんと言うのですか?」
はい、確定。これはもう確定でしょ。
てか、綺麗すぎない?伊織。今、あなた、私の推しになったよ。
え、私の名前?なんだっけ、悪役の女の子の名前…えーと、思い出せん、、。
「えっと、その、、」
「名前が分からないのですか?」
ヴっ。わかりません。すみません。
「は、はい。ごめんなさい、。」
「謝らなくていいんですよ。そうですね。では、あなたの名前は『真綾』にしましょう。どうですか?」
え、それ、私の本名では、??
まぁいっか!それでも!
「は、はい!」(めちゃめちゃ笑顔)
「気に入ってもらえてよかったです」
その会話の後、彼は部屋を出ていった。
何時間たっただろう。
そんなことを考えながら、窓の外をぼーっと眺めていた。
すると、ドアがキィィと開いた音がした。