俺、何かを隠される
前回・・・神様、俺の所有物になる
俺はレントさんを連れて食事場所へ足を向ける、レントさんの足が少し速いような気がするが別段気にすることもないと思い無視していると扉の前に着くとレントさんが前に出て扉を開ける。
部屋に入って周りを見てみるとまだ父さんが来ていない。
珍しいな父さんが俺よりも遅いなんて、何かあったのか?
「今日はご主人様のお帰りが遅くなられるようなので先に食事をしておいてくれと聞いております」
「父さんに何かあったの?」
「いえ、そのようなことは無いのですが・・・」
レントさんが目を泳がせている所を見ると恐らく何かよからぬ事が父さんを襲っているのだろう・・・が俺がどうこう言ったってここからはレントさんは絶対に何も言ってくれないということが分かっている。
執事長であるレントさんは父さんが言ってはいけないと言うと絶対に言わないそれこそ息子である俺や妻である母さんが聞いたって絶対に教えてくれない。
「そう、ならいいんですけども心配ですね、じゃあイグジスト先にご飯を食べてしまいましょう」
なるほど、これは母さんも関わっているな、じゃあ多分大丈夫か。
「そうだね、先に食べてしまいましょう」
相変わらず豪華という感じではなく素朴といった感じのものを家では出されている。
まぁ、俺も豪華なものよりもこういう感じのものの方が好きだからうれしい。
ご飯を食べた後、俺は無駄に広い浴場へ行きつかっている。
「はぁ、いい風呂だーー、こんなこと言うとおっさんくさいって言われるかもしれないな、でも元日本人としてこういうのはシャワーだけっていうのなんか違うんだよなー」
こうして思いが声に出ているほどまでに風呂というのはいい。
前世の働いている時はまず家に帰る事も少なかったが帰ったとしても風呂には入らずにシャワーや濡れタオルで体を拭くことが多かった。
この家に生まれて本当に良かったと何度思わせてもらっているんだろうか。
前世ではそんなことを思うことなんてただの1回もなかった。
風呂をしっかり堪能してから出て俺の部屋へ向かっている途中でレントさんと母さんの話声が聞こえた。
「奥様、あの事はイグジスト様にお伝えしなくてもよろしいのでしょうか?」
あの事?今日のあのレントさんの態度もしかして父さんに関係しているのか?なぜ俺に話さないようにしているんだ?謎がどんどん出てくるがそれを気付いてない母さんたちは話を続けていく。
「そうは言っても、あの子にはまだ重すぎるしもしかしたらあの人だって今頃は」
「そのようなことは絶対にありませんあの御方が帰ってくると言ったのですから絶対に帰ってきます少なくとも私はそう信じています」
「私だって信じているわよでも相手はあの遥か昔に封印された化け物なのよいくら信じていても心配なものは心配よ」
「私たちが行わなければならない事はイグジスト様にこのこと伝えない事と悟らせない事でございますね」
「ええ、あの子は勘が妙なところで鋭いから、今日も若干気付いていた節があったから焦ったわよ」
「その節は大変申し訳ございませんでした、あそこで奥様の手助けが無ければばれていたかもしれません」
「いいわよじゃあ、あの事は私たちだけの中でとどめるように周りにもあまり話さないで」
「了解いたしました」
母さんたちが出てくるまでに俺は俺の部屋に戻った。
さて、さっきの話をどうするか、とりあえず保留にしておこう。
わからなかったことが分かったからか眠くなってきた。寝よう。
「多分それは、お風呂を入った後だからだと思うけど」
シヴァが気配を消して話しかけてきた。話しかけられるまで気付かないってどうなってんだよ。
「よう、どうかしたか?」
「何でもありません、今日のあなたのお母さんの話、気になっているかと思ったから来ました」
「気になっているけど、別に母さん達が俺に話すべきではないって判断したんだろ、じゃあ俺はそれに従って聞かないでおく、なに?そんなに言いたい話なのか?」
「そういうわけでは、無いのだけど・・・」
「そうかじゃあ、俺は寝るから、シヴァはどうする?」
シヴァは何か言いたげだが眠いから無視した。
「私は、消えておく、呼べば出てくるから、その時は呼んで」
「へいへい、お休み」
「ええ、お休みイグジスト」
ここで、シヴァに話を聞かなかったことを俺は後で死ぬ程後悔することなる。
重要な分岐点まであと・・・5日
次回・・・シヴァとお散歩