シーン02「ウサギは寂しいと死んじゃうんだよ(嘘)」その9
「どうしたのかしら。アリスちゃん風邪でもひいたの?」
翌朝、恒例のお迎えがないので母親が心配する。
「ああ。今日はなんか用があるから先に行ったらしいよ」
あらそうなの、と言ってから母親はこら、と息子に苦言を呈する。
「そういう時は、あんたが早起きして彼女に合わせてあげなさいよ。いい? 気遣いのできるかできないかでモテるかどうかが決まるんだからね?」
さいですか。
その後も色々と訓示を垂れ、最終的に若かりし頃の父との馴れ初めに話が及んだので充は自宅を離脱することにした。これ以上精神攻撃を食らってたまるか。
「今日もいい天気だな……と」
ここのところ晴天が続いている。もうすぐ六月なのに、梅雨の気配は全く感じられない。
充は、妙に物足りない……いや、はっきり言ってしまうと寂しさを感じていた。
出会ってまだ数日……信じられないような気もするけど一週間も経っていないのに。
自分の隣に、無表情か殺気に満ちた表情か二択の美少女が居ないというのが妙に寂しかったのだ。
案の定、クラスメイトからもアリスはどうした、と散々聞かれた。面倒になったので、異世界に戻ってメディカルチェックを受けている、とそのまま言ってやったら「そうなんだ」と受け入れられてしまった。やっぱりみなさん、理解ありすぎじゃないですかね?
そして、翌日は土曜日、アリスが来てから初の週末。
アリスは姿を見せず、連絡もなく、何だか久しぶりのような気がする休日の一日はあっさりと過ぎ、日曜日になった。




