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詩、あるいは詞

お人形さん

作者: 志賀飛介

僕はきっと人間として産まれてくるべきじゃなかった


こんなことを言うと、人形をなめるなと言われてしまいそうだが


僕はお人形として生まれてくるべきだったのかも知れない




人間なんて生き物に産まれてくるんじゃなかったな

コミュニケーションなんてクソ食らえだ


生まれ変わったらお人形さんにでもなりてえよ

そしたらこんなに悩むことはねえ


だって


言われた言葉飲むだけでいいし

されるがままに動けばいいし

黙って座ってりゃ迷惑も掛けねえし


オレは


ヒーローごっこの敵役もやるし

おままごとだってばっちこいだ

汚れるのも別に構いやしねえ


あとは


愚痴でも何でも聞いてやるし

恨み辛みも受け止めてやるし

両腕ちぎられても文句言わねえし


そして


いらなくなったら捨てればいい

それぐらいの価値で十分だ

さあ、焼却炉はどっちだ?


早く燃やせよ


人間なんて生き物に産まれてくるんじゃなかったな

コミュニケーションなんてクソ食らえだ


生まれ変わったらお人形さんにでもなりてえよ

そしたらもう何も考えなくていい





こんな詩なんてクソ食らえだ

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