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閑話 1 望月楓 前編

幼少期編  

閑話を読まなくても本編に影響は有りませんので、少々重い話などが嫌いな方は飛ばす事をオススメします( `・ω・´)

 私は至って普通の女の子だった。

 運動が得意というわけでも無ければ、天才でも何でもない。

 特別容姿が整っているというわけでも無い普通の平凡な女の子。




 私は、そんな探せば何人でも見つかりそうな女の子だった。




 私は小さい頃、内気な性格をしていた。

 そんな性格だったので、同年代の男の子は勿論、女の子にも積極的に話したり出来ず、胸を張って友達と言える人なんて一人もいなかった。




 そんな内気な私が、あの子に依存するようになるのはそう時間を必要としなかった。




 ――――幼馴染みだった鷺ノ宮伊織君だ。




 偶々、私の母親と伊織君の母親が知り合いで家が近かった。

 そんな事あって幼い頃に知り合った一つ歳が下の男の子。




 初めは怖かった。

 女の子と話す事もまともに出来ないのに男の子と話せるわけが無い。

 どうせこの子も私のびくびくした態度が嫌になるだろう。



 そんな事を思いながら私は伊織に初めて会った……いや、常に一人でいる私を見るに見かねて母親に無理やり会わせさせられた。




 雰囲気は今まで見てきた男の子と一緒だった。 

 一目見て心惹かれたとかそんな事も全く無かった。



 いつも見掛ける男の子よりも顔が少し綺麗だった男の子。

 伊織君に対して思ったのはそれくらいだ。




 そんな印象を抱いた私の伊織に向かって言い放った第一声は、早く家に帰りたい、だった。母親に今日は女の子と会う、と言われて会ってみれば顔を合わせた次の瞬間に家に帰りたいと言われたのだ。伊織君の私に対する印象は最悪だっただろう。




 私の母親と伊織君の母親は、私の言葉を聞いて2人共苦笑いをしていたが私の母親は私の言葉を聞いても家に帰してはくれる事はなく、そのまま伊織君と遊ぶ事になった。



 伊織君は殆ど口を開かない私に何度も飽きる事なく話し掛ける。

 その時の私の顔は鏡を見ていなかったから知る事は出来なかったが、多分仏頂面をしていたと思う。



 そんな私にあれをしよう? これをしよう? と何度もずっとニコニコさせながら誘ってくる伊織君。




 はっきり言って不気味だった。

 私に今まで話し掛けたりしてきた女の子や男の子は決まって私が伊織君にしたような態度を取ると、つまらない、等と言い放ってから何処かへ行ったり、一人で遊び始める。



 だが、対して伊織君はずっとニコニコしながら飽きもせずに私に構っている。

私にとっては伊織君の行為全てが不気味だった。

そして




 ―――――とても鬱陶しかった。




 そんな私の気持ちとは裏腹に、私の母親は凄く嬉しそうにしていた。

いつも一人だった私が伊織君と仲良く遊んでるようにでも見えたのだろう。



 そう勘違いした私の母親は毎日のように私を伊織君に会わせた。

 そして私は毎日のように伊織君と会って話をしたり、色々な遊戯で遊んだ。




 初めは嫌々だった。

 だが、私が伊織君と遊んでいる光景を見て私の母親はいつも嬉しそうにしていた。



 私は内気な性格な事あって一人でいる事が多かったのだが、その事によく頭を悩ませたりしていた母親を家の中で私は何度も見かけていた。

 だからだろうか、私はお母さんが喜ぶのなら会うのも悪くないかもと思ってしまい、いつしか伊織君と会う事を拒絶する事はなくなった。



 

 そんな日が2、3年続いた。



 いつからだっただろうか、伊織君を鬱陶しいと思わなくなったのは。

 いつからだっただろうか、不気味と思わなくなったのは。



 私はいつからか、伊織君の前で仏頂面をする事は無くなっていた。

 そして仏頂面の代わりに笑う事が増えていた。




 私は伊織君の一つ歳上だったこともあり、たまにお姉ちゃんぶったりしたりと、和気藹々とした時間を伊織君と一緒に過ごしながら




 時は進んでいった―――






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