口唇の記憶たどれば
「ねえユーリ」
ジアはこう言い出した。
敵からの攻撃を受け、手傷を負い、退路を断たれたくぼ地の底で。
「今まで絶対に食べたことがないだろうものについて、君はなぜか思い出すことができるんじゃないかい? 口の中に。例えば……」
なぜ口唇の記憶はそこに残っているのか。束の間の二人の対話と決断。
ジアはこう言い出した。
敵からの攻撃を受け、手傷を負い、退路を断たれたくぼ地の底で。
「今まで絶対に食べたことがないだろうものについて、君はなぜか思い出すことができるんじゃないかい? 口の中に。例えば……」
なぜ口唇の記憶はそこに残っているのか。束の間の二人の対話と決断。