動き出した密かな気持ち
――次の日――
アイトは朝起きると昨日泣きすぎて目が赤く腫れていた……。
「やべっ…これじゃ……泣いたのバレバレだな……。」
と言いアイマスクをして部屋を出てきた。
「お……はよう?アイト?なんだそれ?危ないから外せよ……。」
「いいんだ!!いけるいける!!」
リンヤに言われてもアイトは外さず歩いてるとアイトは案の定階段で足を滑らせてしまった!!するとリンヤが、
「危ない!!!!」
リンヤがアイトの手をとっさに掴みリンヤの胸の方に引き寄せた。
「リ……リンヤ……。」
アイトはアイマスクを頭の上にあげリンヤの顔をアイトは見つめるとリンヤは、
「危ないじゃないか!!アイト!!だからアイマスク止めろって言ったのに……。」
と言いリンヤは急にアイトをお姫様抱っこで抱え階段を降りた。
「なっ・・・・・・・なんだよ!なんで!いや……降ろせよ!!」
アイトは抱えられた状態のまま暴れ出した。
「は~な~せ~!!」
「アイト暴れるなよ~どうせアイマスクしながら階段降りつもりだったんだろ?バカじゃないのか?」
アイトはリンヤから顔をそむけた。
「だって・・・・・・」
「じゃあ俺が降ろしてやるから。それと、目薬刺しとけよ……目……腫れてるから。」
と言ってリンヤは階段を降りきってアイトを腕から降ろしてスッとリビングに向かった。
アイトはリンヤに急に抱えられて顔が真っ赤に火照ったままでとてもリビングには向かえずアイマスクを外し両目を抑えながら洗面所に走った。
「な……なんなんだよぉぉ~今まで能天気だったのに今更……今更彼女作ったくせに……なんでそんなことすんだよ‥……つっ‥…くそっ……リンヤの………バ…か。」
と言い力が抜けたのか洗面所の床にうなだれた。
――【一方のリンヤは、】――
アイトが洗面所に走り出した後、リンヤは力が抜けたようにキッチンの床に座り込んでいた。
「あぁあぁああぁ!!!!俺‥……なんかいつもと違うじゃん……あのまま……部屋まで持っていきそうだった……うん。俺たちは兄弟だから助けただけだ……よ。あれ?なんで俺泣いてるんだろう‥……?」
リンヤはアイトへの思いをしっかり押さえてるつもりが気持ちには嘘は付けずに涙がリンヤの頬を流れていった。
「そっか……嘘つけないんだな。」
と言いながらもリンヤは自分の胸を叩きアイトに隠し続ける決意をここでした。
するとアイトが、リビングにやってきた。
「リンヤ……さっきありがと。」
とお礼を言いパンをくわえ部屋に学校の準備をしに自分の部屋に戻った。
「それにしても……アイトは……学校は大丈夫なのか?」
とリンヤが心配しているアイトの学校生活は心配の範囲内を超えていた。
アイトは目を腫らした姿で登校したが、それをどうこう言う者もいなかった。
アイトは学校ではおとなしく無言で窓を見つめている。
(アイト的にはリンヤの事を考えているのだが……。)
それがいいのか、女子にかなりモテている。
その何を考えているかわからない不思議なオーラが学校で女子に好かれている理由だ。
だが、アイト自身は女の子の魅力になんか一ミリたりとも気づかないぐらい好きな人がいるから少し迷惑していた。
「はぁ・・・・・・・またかよ。」
とアイトが下駄箱を開けるとこぼれてくるラブレターに小言を呟くと後ろから、
「そんなにもらえるんはお前だけやで?ありがたいと思え!!このドアホ!!」
とアイトに肩を組んできたのは、井ノ本 ハスミだ。アイトの唯一の友達でクラス一のお調子者だった。
アイトが一番嫌いなタイプのハスミと今でもつるんでいるのかと言うと、
―入学式の日―
リンヤも大学の入学式と被りリンヤは来なかったそんな最初からアイトはいじめにあった。アイトは生まれつき青い目をしていてそんなことで外人と間違われからかわれることが多かった。
「てめぇやっぱり気にくわね~んだよ」
と言われたアイトは初見のガタイのいい男子生徒に呼ばれ殴られた。
(バスッ!!)
アイトの腹をグーで1発殴った。
「うはっ!!」
アイトは口から血が出ていた……。
「気が済んだかよ……。」
そうアイトが殴った男に告げると、
「まだだ!」
と言い何回も何回も殴り続けていたところに突然人が来た。
「ここって?職員……何してんねん‥…?」
ハスミがアイトのボロボロの姿を見てびっくりしていた。
「こいつムカつくからお前もやらねーか?」
と殴っていた男はハスミを誘った。すると、
「そうそうそうそう!こうやって殴ってって‥……はぁ呆れてた。そんなしょぼいことする奴まだこの世におんねんな。そういうやつはこのハスミ様が『成敗』してやろうやないか!」
と言いその殴っている男に急に膝蹴りを1発入れた。
すると、男はもだえ苦しみハスミが近づいてくると気づいてきたと気付くと怯え逃げ出した。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ~!!お…おめぇ覚えてろよ!!」
と言い消えてしまった…アイトはその一部始終に何が起きたのかよく分からなかった。
「大丈夫か?あんたいっぱい『血』…ついてるけど‥…どっか殴られたんか?」
その時アイトにはリンヤと同じぐらいこいつがヒーローに見えた。
だから、今でも『友達』としてそばにいるのかもしれない……。