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童歌[アカいおハナとオちたトリ]
空に咲く華真っ赤に焼けた
金色赤色お空に咲いた
白い鳥と黒い鳥
お空で輪を描きお華を枯らす
白い鳥と黒い鳥
混ざって灰色雨ザァザァ
枯れたお華は山の向こう
鳥は灰色落っこちた!
乾燥地帯に伝わるたわいのない童歌である。しかし、迷信深い一部の民族は古しえの神話に絡めてこの歌を伝える。
空に咲く華は太陽神ヴィシャを示し、白い鳥黒い鳥は彼等の祖先であると信じられている。肌の黒い一族をバハ、肌の白い一族をフブ族と呼び、それぞれの祖先を肌の色にあった鳥として彼等は子孫に伝えている。
ならば灰色とは何だと問えば、数百年も前に途絶えた民、ゾラの事だというのだ。ただこの灰という表現に関しての見方にはバラつきがあり、この童歌を雨季と乾季の移り変わりを表しているに過ぎないという見解が主流になっている。
民俗学者の手記より
設定一部
バハ族の肌の色は炭を塗ったような黒色。そして瞳の色にはグレーが多い。
フブ族の肌の色は白い大理石のような色。髪は灰色をした者が多い。
それぞれ交流を避けて暮らしているが、伝える神話は似通っている。